第281話 川の水源へ
すぐには取れないけど、次に取りたいスキルは決まった! さーて、HPも全快してるし、本来の目的に戻るのです!
「それじゃ改めて上流へ進んでいきますよー! 『看破』!」
ふふーん、川沿いに進んで水源に向かってレッツゴー! ここの水源はどんな場所かなー? 今から楽しみ! あとどのくらいで辿り着くんだろ? とりあえずそこの木々を避けて……。
「……なんか川へ流れ込んでる湖っぽいのが見えてきたんですけど!?」
あれー!? ちょっと待って、出発してから辿り着くのが早くない!? まだチラッとそれっぽい場所が見えてきたとこだけど、確実にあれがそうだよね!?
なんか予想外に早く辿り着きそう! 早く着くのは悪い事じゃないし、早く見たいし、駆け出しちゃえ!
「わぁ! 綺麗な湖です!」
視界を遮ってた木々を抜けたら、目の前には湖が広がってたよ! これは今日のサムネイルの最有力候補だね! という事で、サクッとスクショを撮っちゃおう! スクショを撮るぞー! ……うん、撮れた!
ミツルギ : 実はもう水源の湖は目前だったっていう。
富岳 : まぁ戦闘をしてる間に地味に近付いてたからな。
ミナト : 戦闘中に湖まで辿り着かないか、少しヒヤヒヤしてたんだよねー!
咲夜 : 途中から『身構え』で防御に徹してなかったら、その可能性があったヤツー!
「え、そんな状態だったんです!?」
そういえば逃げる方向は周囲の地形を気にしてたけど、どの方向に回避してたかは気にしてなかった!? あの戦闘の最中に湖へ到達にならなくて良かったー!
「まぁ過ぎた事は置いておきましょう! いやー、それにしても思った以上に広いですねー!」
広さ的にはどのくらいだろ? 湖の端に木々が覆い被さってるとこが結構あるから分かりにくいけど、25メートルのプールくらいかな? 少なくとも渓流エリアにあった湧き水よりかは遥かに広いよね!
上にも拓けてるし、太陽の光もいっぱい射し込んでる! あぁ、なんていう癒し空間!
「それに透明度も高いですよねー! 水草や底の砂とかがしっかり見えてますよ! あ、でもそんなに深くはなさそうです?」
軽く見た感じでは広く浅くっぽい! あぁ、やっぱりこの景色は癒されるよ。川の横を通ってきた時に聞こえていた水音が少し遠くに聞こえて、その辺もなんだか落ち着くよね。
水無月 : 凄い綺麗だね、ここ!
サツキ : まったりと寛げる癒し空間として人気な場所の1つだからねー!
金金金 : ほほう、そうなのか。というか、オフライン版って癒し空間的な人気もあったりすんの?
ミツルギ : あると言えばあるぞ。好きな動物や植物で、自然の中で癒されたいって需要がなー。
富岳 : まぁその手の人には、逆に育成要素が不人気ではあるんだが……。
G : 一部のサファリ系プレイヤー層になるな。確か『モンエボの絶景景色百選』ってサイトを作ってる人がいたはずだが……オンライン版が始まってからは活動が止まってたなー。
いなり寿司 : 実はあのサイト、ミナトさんが管理者だったりしない?
ミナト : そのサイトはよく見てたけど、流石にその管理者は私じゃないよ!?
ヤツメウナギ : あのサイトの管理者って、確か公式のスクショコンテストで最優秀賞を取ってなかったか?
G : あー、そういやそうだっけ。
サツキ : あれ、地味に参加したかった……。もうやってないんだよね……。
ミツルギ : まぁオンライン版サービスが始まっちゃってるしなー。そっちでスクショのコンテストも開催されたしさ。
ミナト : オンライン版では、参加ハードルはかなり下がったからねー!
「おぉ、スクショのコンテストとかあったんですか! でも、もう無さそうなんですね……」
スクショを撮ってコンテストに応募って、ダメ元でも参加してみたくなるよね! でも、もうオフライン版ではコンテストは開催の可能性は薄そう……。姉さんも参加したかったみたいだけど、仕事の都合で出来なかったとかかな?
「それにしても、そういうスクショをまとめたサイトとかもあるんですねー!」
G : サイト名は『モンエボの絶景景色百選』になってるが、実はゲームの育成要素が苦手って人向けの初心者講座も充実してるサイトでもある。
ミツルギ : 景色を楽しみたいサファリ系プレイヤーは、まずは絶対そのサイトに目を通せってくらいの扱いになってたな。無駄なく育成する手順とか、それぞれのエリアに最適な種族とかの情報が揃ってるんだよ。
いなり寿司 : 効率の良い育成のテンプレートだから自分で進めていきたい人には不向きだが、そうでない人には有用なんだよな。
咲夜 : ……今思ったけど、あそこの管理人、オンライン版のどこかの勢力の重要な立ち位置に収まってるんじゃね?
チャガ : まぁ確実にそうだろうな。
こんにゃく : オンライン版のサービス開始からサイトの動きが止まってるんだから、その可能性は極めて高い。
神奈月 : とはいっても、オンライン版のサファリ系プレイヤー、意外と強者揃いだからなー。誰がとは……本人に教わらないと分からないかも?
ミナト : あはは、まぁそこはある意味当然だけどねー。
「なんというか、その辺は興味深い話ですねー! 人によって、モンエボに求める事が違うんですね!」
私は育成も景色も楽しんでるけど、中には景色だけを楽しみたいって人もいるって事なんだ! そういう自然の中を体感するシミュレーションとかもあるけど、動物や植物になってっていう要素があるのは知らないから、そういうとこに需要があったのかな? でも、そういう気持ちも分かる!
それにしてもそういうサイトが作れる人って凄いよねー! 私は初見で配信を続けていきたいから見るのは控えるけど、本当に景色を見たかったり癒されたりしたかったりする人には良さそうなサイトだよね!
「さてと、いつまでもぼんやりと湖を眺めて雑談してても仕方ないですね!」
綺麗な湖の景色は充分……とまではいかないけど、それなりに堪能した! 配信なんだからボーっと湖を眺めて寛いでるだけって訳にもいかないし、次はエリアボスの探しながらLv上げかな?
「あ、水が湧き出してる場所を発見です!」
わぁ! 私のいる位置からは対岸側の方で見えにくいけど、湖の底から水が続々と湧き出てる様子が見えるよ! うん、綺麗に透き通った水だからこそ、この距離からでも見れてるような気がする!
敵を探そうって思った瞬間に脱線しちゃったけど、これくらいは別にいいよね! うわー! この湧いてるところ、もっと近くで見たいなー! 湖に沿って進んでいけば、もっと近くで見れるはず!
「ちょっと湧き出してるとこの近くまで行ってみますねー!」
湖の中に入っても進めそうな気はするけど、なんだか綺麗な水だから逆に入るのを躊躇っちゃうよね。なんだか立ち入ったらダメな神聖な場所って雰囲気がする! まぁそんな事はないんだろうけどね。
金金金 : サクラちゃんが存分に景色を堪能するのは別に何の問題もないんだが……ここには敵はいないのか?
水無月 : そういえば看破に表示されてるのは一般生物ばっかだね!?
「……え? あ、確かにそうですね!? 全然気にしてなかったですけど……これって大丈夫なんです?」
言われてみれば、こんな場所に何もない訳がないよね!? 湖の中の見えない位置に敵が隠れてたりする? それとも、周囲の木々で隠れて見えてない位置に敵がいる!? 見えないからと言って、敵がいない訳じゃないのは体験済みだもんね!
ミツルギ : 普通なら湖の中にも敵はいるけど……それがいないとなると、あの手の敵か?
富岳 : いや、単純にそれだけならここまで敵がいないって事は無いだろ。
G : あー、そうなると2つの要素の組み合わせか。
ミナト : 多分そうだろねー。ただ、その場合は行動範囲が広めだから、遭遇できるかが怪しいかも?
ヤツメウナギ : 根こそぎやられた後っぽいもんな。ここにまた現れるかどうか……。
「何かあるのは分かりましたけど、とりあえずすぐに何かがあるって訳でもないんです?」
皆さんがネタバレ防止で伏せてる部分が多くて、内容が分かりにくいよ! まぁネタバレ厳禁に配慮してくれた結果なんだろうから、そこで文句を言うのは筋違いだけど!
ミツルギ : 正直、すぐにどうなるかは俺らにも分からん!
ミナト : 今言えるのは、周囲に注意しておいた方が良いよってくらいだね。
咲夜 : 特に上に注意だな!
「……上に注意ですか? とりあえずその辺は了解です!」
上に注意って事は、何かが上から襲ってくる? あ、もしかして鳥とかの空飛ぶ種族が湖の中の敵を倒してたとか!? うん、それなら行動範囲は広そうだし、納得できるかも!
でも、2つの要素って何だろ? 片方が空飛ぶ種族だとして、もう片方は……? うーん、まぁその辺は警戒しながらいればいいや! とりあえず湧き出てる部分をよく見に行こー!
「あの、ちょっと出発してから辿り着くのが早過ぎません?」
「そう言われても、ネタバレ厳禁だから伝える手段がないんだよね」
「あ、それはそうですね」
「ネタバレ厳禁にしてる以上は、そこは諦めてね?」
「……仕方ないですねー。それにしてもスクショコンテスト……もう開催はないんです?」
「メインは新作のオンライン版の方に移行しちゃってるから、流石に無いね」
「……むぅ、旧作の悲しいとこですね。オフライン版の新作とかは出ないんですかねー?」
「今のところ、その予定はないよ」
「そうですか……。オフライン版のモンエボの新作に期待という方はブックマークや評価をお願いします!」
「その前にまず、サクラは今のをクリアしようか!?」
「あ、それもそうでした」
「まったく……。さて、次回は『第282話 湧き出す水の場所へ』です。お楽しみに!」
「うふふ、楽しみですねー!」