第280話 気になるスキルの確認
ふふーん、ヤマメで色々とびっくりはしたけど、川の上流に向かって改めて出発……の前に、果物をちょっと食べとこ。
「HPが半分を切っちゃってるので、これで回復です!」
7割くらいまでは果物で回復しておいて、残りは自動回復に任せればいいや! 『再生増幅Ⅰ』があるから、移動中でも戦闘さえしていなければHPは回復していくもんね!
「……そういえば生命のスキルツリーに『再生増幅Ⅱ』とかもありましたっけ?」
細かくは覚えてないけど、他にも回復に使えそうなスキルもあったような?
ミツルギ : まぁ、その辺は普通にあるぞ。
咲夜 : 回復系のスキルを取るのもありっちゃありか!
イガイガ : サクラちゃんが取ってないだけで、他にも色々とスキルはあるからなー。
G : まぁ1種族目だと、全部を取るのは難しいけどな!
「移動しながら回復しようかと思いましたけど、ちょっとその辺を見てみましょうかねー?」
さっきの進化の系統以外に秀でてる部分を見分けるスキルってのも気になるし! うん、HPは全快にはさせておきたいし、そうしよう! それで決まり!
こんにゃく : 攻撃用のスキルだけあれば良いって訳でもないからな。進化の為の進化ポイントは残しておくべきだけど、それ以外は一切取ったらいけない訳でもない。
サツキ : パッーと使っちゃえ、サクラちゃん!
「流石にパッーと全部を使う気はないですからね!?」
姉さん、思いきりが良すぎるよ!? 次に取りたいスキルを見繕うだけで、今はすぐに取るつもりまではなーい! 先に進化用の進化ポイントを溜めちゃうのが先!
サツキ : えー、思いっきり使っちゃおうよー。
ミナト : はーい、サツキさんストップねー。それを決めるのはサクラちゃんだよ?
いなり寿司 : サツキさんのプレイスタイルが何となく分かる発言だよなぁ。
咲夜 : 進化の時に、進化ポイントが足りなくなるやつー!
神奈月 : 実際そうだって言ってたような覚えも……。
G : まぁあるだけ使ってたら、足りなくなるよなー。
サツキ : そんなのは、必要になってから溜めればいいだけ!
「……とりあえず、スキルツリーを見ていきますねー」
うん、今はまともに相手をしてはダメな時な姉さんだ! だからスルーして、生命のスキルツリーを見ていこー!
金金金 : 呆れた表情の狐っ娘アバターである。まぁ気持ちは分かる。
いなり寿司 : 確かになぁ。
水無月 : 進化ポイントの使用は計画的に!
チャガ : まぁオフラインゲームだし、自分の好きなようにやればいいさ。
うんうん、そこはチャガさんの言う通り! だから姉さんの思いっきりパーッと使おうという意見はスルーで! さーて、まずは生命のスキルツリーの確認だー!
「えっと、ステータス強化が多い側の第7段階に『再生強化Ⅱ』があるんですね。『再生増幅Ⅱ』は『再生増幅Ⅰ』があるルートの第8段階ですか」
うーん、どっちも解放する位置が遠いから、結構な進化ポイントが必要になるよね。どっちも生命のステータス強化の項目があるけど、姉さんじゃないけど、すぐにとはいかない感じ。
えーと、今の進化ポイントは……16かー。進化の為に60必要だし、あと44は地道に溜めないと!
水無月 : どっちも進化ポイントが結構必要だねー。
G : 第3段階までは全部解放したんだし、第7段階以降の他のツリーを伸ばすならかなり前提から解放していく必要があるしな。
金金金 : 解放出来る項目数を考えると、結構絞っていかないと厳しいか。
「確かにそんな感じですよねー。あ、『再生増幅Ⅰ』の次にある『自己修復』って何ですかねー?」
第4段階のスキルだけど、これはちょっと気になる! 自己修復って事は、もしかすると回復用のスキル!? それもすぐに回復出来るタイプな気がする! よーし、これは詳細をチェックだよ!
『自己修復』:アクティブスキル
一時的に時間経過での生命の回復速度が遅くなる代わりに、即座に生命を回復する事が出来る。
Lv上昇により、生命の回復量を増加。
「おぉ! なんかデメリットもあるみたいですけど、即座にHP回復はいいですね!」
回復量がどの程度のものかが分からないけど、アクティブスキルなら戦闘中の咄嗟の回復に便利かも! あ、第6段階のスキルだから、解放に必要な進化ポイントは15。……今すぐにでも解放出来るよ、これ!?
金金金 : 悩み始める狐っ娘アバター! 取るかどうか、悩みだしたか!
サツキ : 取っちゃえ、サクラちゃん!
いなり寿司 : もはや、サツキさんのコメントは悪魔の囁きだな。
ミナト : サツキさんの声に惑わされないようにね、サクラちゃん!
富岳 : もうどこからツッコんだらいいんだ、この状況……。
「はっ!? 取るにしても、進化の為の進化ポイントを確保してからです! それに他にも気になる事はあるので、ここで即断はなしですね!」
危ない、危ない! つい直球で回復が可能なスキルに魅力を感じていたよ! それ自体は良いんだけど、まだ他にもチェックしたい事があるからね!
水無月 : サクラちゃん、気になる事ってなーに?
「さっきの話題で出てた、進化の系統以外で秀でてる部分が分かるスキルですねー! 今の私がもし解放出来る範囲の場所にあるなら、確認はしておきたいなーと思いまして。多分、あるとしたら知恵のスキルツリーですよね!」
回復系のスキルも魅力的だけど、私の本命としてはこっち! 進化の系統以外の何が得意かが分かれば、これまでよりもかなり戦いやすくなるはず!
咲夜 : おー、結構良い読みをしてるなー。
サツキ : 咲夜さん、それ以上はダメ!
咲夜 : あっ!?
いなり寿司 : もうそのやりとりの時点でアウトだけどなー!
「あはは、確かにそうですよねー!」
私の考えを言って、それを良い読みって言ったら正解って事だよね。うん、まぁ確認する直前だったんだし、これくらいは別にいっか。
さーて、それじゃ知恵のスキルツリーの確認だー! 一度一通りは目を通したはずだけど、ある程度育ててから見直すと違う感じもあるよね。未成体へ進化したての頃は遠いような気がしてたスキルも解放出来てきてるもん!
「えーと、『索敵』は違いますよね。うーん、もしかして看破の先にある第8段階の『弱点分析』ですかねー?」
残る他のルートは状態異常に関係するスキルっぽいから、そっちじゃないはず。咲夜さんと姉さんの反応から考えたら、未成体でもう取れる状態のスキルの可能性は高いよね。
金金金 : 『弱点分析』って、スキル名的に真逆の効果のような気もするが……。
水無月 : だよねー? でも、他にそれっぽいのはないような?
「そうですよね? とりあえず詳細を見てみましょうか!」
内容を知ってそうな人が誰もコメントしてきてないのが気になるけど、まぁここは詳細を確認してみるのが良いよね! という事で、スキルの詳細を表示!
『弱点分析』:アクティブスキル
敵の育っていないステータス系統を見極める。
Lv上昇により、同時に使用出来る対象の増加。
「育っていないステータス系統を見極めるって、逆に言えばこれで表示されないやつは育ってるって事じゃないですかねー!?」
わわっ!? そういう方向性でくるの!? でも、これなら確かに進化になってる系統以外の強さは分かるかも! これこそ、私に必要なスキル!
ミツルギ : ま、そういう感じの内容だ。それでどういう攻撃が有効なのか分かりやすくなるんだが、副次的に敵の強い系統も分かってくる。
富岳 : 知恵が低ければ状態異常が効きやすいし、俊敏が低ければ攻撃は当てやすいし、屈強が低ければ攻撃の威力はそれほど高くないし、堅牢や生命が低ければダメージの通りは良いし、器用が低ければ遠距離攻撃の心配はいらん。
水無月 : おぉ、それは便利な予感!
ミナト : ゲーム自体に慣れたら、無くてもいけるんだけどね。
咲夜 : いやいや、結構使うよな、これ!? まぁ感覚的に戦ってたら分かるようにはなってくるけども!
イガイガ : まぁ使う人次第なとこはあるスキルだな。
「なるほど、そういう感じで弱点が分かるって事ですか!」
戦う中での立ち回り方や、警戒しなくていい部分を教えてくれるスキルなんだね! 本来の使い方ではない気もするけど、結果的に表示されないステータスの系統が高くなるから、それで警戒すべき攻撃も分かってくるんだ!
ミナトさんくらいになったら、無くても大丈夫っぽいけど! どんなゲームでもやり込んだら分かってくる部分ってあるし、そういう類の物なのかも? まぁ敵が攻撃してきたら、その種類で何となくは分かるもんね。でも、これは普通に欲しい!
「これは出来れば早めに欲しいですけど……第8段階のスキルなんですねー」
その前提の第7段階の『知恵+10』の解放に進化ポイント20、本命の『弱点分析』の解放に進化ポイント25ほど必要。合計で45もいるのは厳しいよ……。
ミツルギ : それが無いと戦えないって訳じゃないからなー!
富岳 : 焦らず、しっかりと進化ポイントを溜めればいい。
G : 必須スキルなら既にまともに倒せなくなってるからな。敵は倒せてるんだし、別に無くてもどうにかなるもんだぞ。
「あ、言われてみるとそうですよね。そのうち欲しいスキルではありますけど、まずは進化用の進化ポイントの確保を優先ですかねー!」
必須じゃないなら、無理に焦って取らなくてもいいや! 絶対に必要な進化ポイントを稼いで余裕を持ってから、解放を目指していこー!
さてと、スキルの確認をしてる間にHPは全快! それじゃ改めて川の上流にある水源を目指して出発だー!
「色々とスキルがあって、何を解放するかは悩みますねー」
「まぁその辺が育成の醍醐味な部分だしね」
「それはそうなんですけど、それはお構いなしに全部解放してみたいって気持ちも出てきません?」
「あー、その気持ちも分かる」
「ですよね! でも、どうやっても進化ポイントが足りなさ過ぎますもんね」
「そりゃ無制限には出来ないし?」
「まぁそうですよねー。私、サクラに悩みながらでも頑張っていけと応援してくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「おっ、今回はまともな内容だ」
「いつもはまともじゃないみたいな言い方は止めてもらってもいいですかねー!?」
「え、本気で言ってる?」
「……まぁふざけてる事が結構あるのは認めます」
「あぁ、良かった。ちゃんとそこの自覚はあったんだ。さて、次回は『第281話 川の水源へ』です。お楽しみに!」
「ようやく到着ですかねー? そういえば、前回の次回予告、間違えてましたよね?」
「それはさっき、訂正を入れてきたから!」