第268話 火事の鎮火
火事になってるのは、敵のクマ達を筆頭にして敵が消火をしているのが分かった! そりゃ必死になって消火するよね!
「これ、火の適応進化を目指す場合だと邪魔になりません?」
今の私には影響はないけども、狙いがそれならそうなるよね。うん、その辺は結構厄介かも。
ミツルギ : 邪魔と言えば邪魔なんだが、手段はあるにはある。まぁケースバイケースか。
金金金 : 威嚇で追い払うか、自分の元に集めるとかか?
「あ、確かにそれは出来そうですね!」
金金金さん、ナイスアイデア! 確かにその手段なら、火事から敵を引き離して――
「ぐふっ!」
<サクラ【巧みなライオン【雷】】が死亡しました>
<死亡した為、ランダムリスポーンとなります>
<『死亡還元』の効果で、進化ポイントを1獲得しました>
ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待って!? え、いきなり衝撃があったと思ったら、死んだー!? なんで!? なんか右斜め前の方の木々も吹っ飛んでたような気はするけど!
「今、なんで私は死んだんです!?」
意味が分からないよ、今のは本当に! 何がどうすれば、いきなり即死なんて事になるの!?
水無月 : 何が起きたの!?
金金金 : なんだかこれはオンライン版で巻き込まれる事を連想する。いやまぁ、よっぽどでなければ今みたいには死なないけども。
ミナト : うーん、今のはもうただ運が悪かっただけとしか言いようがないかなー? 推測は出来るけど、具体的な原因までははっきりと断定は出来ないしさ。
富岳 : 確かに、あの状況からは具体的な敵の種類までは分からないか。
ミツルギ : 一応、状況の説明は出来るけど、サクラちゃん、ネタバレ要素も含まれてくるけど聞くか?
「流石に訳が分からなさ過ぎるので、ネタバレありでも構わないので説明をお願いします!」
死亡還元の効果で進化ポイントが手に入ってるのはありがたいけど、死亡理由が意味不明過ぎるもん! こんな殺され方は流石に理由が知りたいよ! 火事とは関係ない場所にランダムリスポーンにはなってるから、良かったのかもしれないけども!
水無月 : あー! もしかして、サクラちゃんが使ってた『獅哮衝波』と同じような遠距離攻撃スキル!?
金金金 : あぁ、そういう可能性か!
「あっ! そういう事なんです!?」
そっか、そういえば私も渓流エリアで相当先の見えない敵まで一方的に瞬殺してたよ! その可能性は普通にありそうだー!
ミツルギ : 説明する前に答えが出たけど、まぁそれが正解だな。
ミナト : あはは、まぁそうなるねー。
金金金 : それなら、何がネタバレ要素なんだ?
G : そろそろその手のスキルを敵が使い始めるって部分だな。ミナトさんが少し前に言いかけてたけど、実際に使われるまで伏せようとしてた内容ってそれだよな?
ミナト : うん、そうなるねー。
サツキ : そういう事ってあるんだ!? 急に殺されて意味が分からない時が時々あったけど、それってこういう事が原因なの!?
いなり寿司 : いや、サツキさん、それは流石に気付こうぜ?
こんにゃく : 初めてこの死に方をしたサクラちゃんが気付かないのは仕方ないだろうけどさ。
咲夜 : いやいや、気付かなくても仕方ないって! なぁ!
神奈月 : なるほど、咲夜さんもこれで死んだ覚えありか。
ヤツメウナギ : まぁ早々発生する事でもないから、そこは気付かなくても仕方ないだろ。
ミツルギ : 火事が発生して、尚且つこのLv帯から先になって始めて発生だしな。さっきのクマ達が破壊消火をしてるのを大規模にやってるだけで、攻撃意図はない訳だし。
「あ、そういう事になるんですね。私を攻撃しようとした訳じゃなくて、巻き添えにされただけですか! ……それで即死ってのも怖いですけどね!?」
戦う気すらなかった相手に、瞬殺されたって事だもんね! ぐぬぬ、消火の為とはいえ、よくも殺してくれたもんだよ! 私が殺される寸前に他の木々が吹っ飛んでたのも巻き添え? あ、違う。あっちがメインの目的になるんだ!
うがー! あの木々が吹っ飛ばされたので把握してたとしても避け切れた気はしないし、消火の為とはいえ殺されたのはやっぱり釈然としない! むぅ、でも流石に仕方ないで済ますしかないのかなぁ……。
金金金 : 複雑な心境っぽい狐っ娘アバター。まぁ気持ちは分かる。
富岳 : 一応、周囲の破壊の様子が回避の目印にはなるんだが……まぁ、攻撃自体が早いし、初見では回避も防御も難しいか……。
G : 即死なら溜めが3段階目になってただろうし、事故と思って割り切るのが良いぞー!
神奈月 : この辺は、オンライン版をやるようになってから気にならなくなった部分だよな。
ミナト : あはは、まぁオンライン版はその辺を気にしてたらどうにもならないしねー。
「オンライン版なら気にならなくなる理由が謎ですね!?」
うーん、そんなにオンライン版とオフライン版だと仕様が違うの? 1人プレイ用か、大人数でプレイするかの違い? うーん、オンラインゲーム自体を殆どしたことないからよく分かんない!
ミツルギ : オンライン版の事は置いておこう。そもそもゲーム性がかなり違うからな。
G : だなー。多くの他のプレイヤーがいるからこそ、出来る事もある!
イガイガ : ある意味、それを楽しみまくってる人が言うと説得力が違うな!
チャガ : ……確かにな。
G : ふっはっはっは! そういう部分もオンラインゲームの醍醐味だ!
いなり寿司 : 害虫で驚かせてばっかの人は置いといて……どうしても倒した相手が気になるなら、交戦状態にはなった事になるからマップに表示されるようにはなってるはずだぞ。
サツキ : サクラちゃん、敵討ちが出来るよ!
ヤツメウナギ : まぁ結局はマップの解放からやらないとだな。
「あ、私が倒されたなら、そうなりますよね! やっぱりマップの解放が最優先です!」
火事になったり、ハチミツを採集したり、巻き添えで殺されたりしたけども、私の目的はマップの解放をする事! 私を巻き添えで殺した相手に敵討ちをしに行くとしても、マップ機能が解放されてなければ意味がなーい!
「それじゃ、マップの解放を目指して再度出発です! 『看破』『疾走』!」
とりあえず適当に走り出せー! 今いる場所は分からないけど、火事の様子は全く見えないから結構離れてそうだよね。森の木々の様子はそれ程変わった様子はない!
どこかに川の水源があるとは思うけど、水音も聞こえないし、その近くって訳でもなさそう。うーん、そんなに都合のいい場所には出ないよね。
「あ、この辺は敵のLvが18前後ですね。これなら、マップの真ん中辺りですかねー?」
これまでの経験則的に、やってきたエリア切り替え場所から離れれば離れる程に敵のLvは高くなってた! 今の私のライオンのLvが18だから、ランダムリスポーンしたこの辺は丁度いい感じのLv帯だね!
ミツルギ : 敵のLvを考えたら、まぁ大体そんなとこか。
イガイガ : 時間経過の影響は抜けてるもんな。この辺なら、サクラちゃんは適正Lvか。
「そうですよねー。うーん、でも戦ってたら中々マップ解放にもならなさそうなので、今はマップの解放を優先します!」
進化ポイントも稼ぎたいけど、やっぱりマップは重要だもんね! ふふーん、とりあえず立ち塞がってくる敵がいない限りは、敵を見つけてもスルーの方向で! とにかく今は森の中をひたすら駆け回るのさー!
咲夜 : あー、徐々に周囲の敵のLvが上がってきてない?
いなり寿司 : ちょいちょいLv19が混ざりだしたな。あ、Lv20もいたぞ。
サツキ : 着実に奥へと進んでるねー!
「って、今は奥に進むと危険じゃないですかねー!?」
うがー! 適当に進んでた先は、私より格上の敵が多くなっていってる場所だったよ!?
「進む方向を変えます!」
という事で、進んできた方向へと行き先を変更! あえて格上の敵に挑む必要はないから、ここはもう少しLvを上げてから改めてくるのさー!
ミナト : あ、サクラちゃん! 戻るのはいいけど、真っ直ぐ来た場所を進むよりは、少しだけ進む方向をずらしたらいいよー! その分だけ、マップの解放もしやすくなるからねー!
ミツルギ : マップの解放の為の距離は、未踏破部分がカウントされるからな。
「あ、はい! 分かりましたー!」
そのまま戻ったんじゃマップの解放の為には良くないんだね。そういう事なら、少しだけ右寄りにして、斜めに戻っていこー! それを戻ると言うのか、微妙な気もするけども!
「巻き添え死亡とか酷くないです……?」
「はい、どうぞ」
「なんで鏡を渡してくるんです?」
「敵を巻き込んだことに覚えは?」
「……さてと、マップ解放を頑張らないとですね!」
「露骨に誤魔化したね?」
「……何の事ですかねー?」
「まぁ別にそれならそれでいいけどさ」
「敵を巻き添えにしたところで特に問題はないと思う方はブックマークや評価をお願いします!」
「……それ、サクラ自身にも返ってくるけど、大丈夫?」
「はっ!? やっぱり今のは無しで!」
「もう遅いけど……さてと、次回は『第269話 マップの解放』です。お楽しみに!」
「ようやくですね、マップ解放!」