第254話 サクラの呟き その7
今日の晩御飯はメンチカツだった! まぁ冷凍ものだけど、普通にそれでも美味しいから問題なし! さーて、それじゃ自分の部屋に戻ってSNSの確認をしてから、モンエボの続きを――
「今、ちょっと良いか?」
「ん? 兄さん、どうしたの?」
階段を上ろうとしたら呼び止められたけど、何か私に用事があるっぽい? あ、もしかしてホームサーバーの買い替えの話かな? 内容はよく分かんなかったけど、さっきお父さんとなんか話してたもん!
「……姉さんから、何故か結構な額の電子マネーが送られてきてるんだが、何か聞いてないか?」
「え、どういう事? 何も聞いてないよ!?」
「そうか。そうなると、姉さんからの返事を待つしかないか」
「あれ? 姉さんに連絡は取れないの?」
私に聞くより、送ってきた張本人の姉さんに聞く方が確実だよね? なんで直接姉さんに聞かないんだろ?
「事情を聞こうとしてはいるんだが、通話にもメッセージにも出なくてな」
「そうなの!? ちょっと、私からも送ってみる!」
よっぽど忙しい時以外は全然繋がらないって事はないんだけど、その状況は気になるよ! 姉さんなら私への反応は特に早めだから、返事がくればいいんだけど……。通話に出れる状態じゃないのかもしれないから、メッセージで『見たら早めに連絡をください』で送っておこー!
「わっ!? すぐにメッセージが返ってきたよ!?」
「……俺の方はスルーなのに、随分と早いな。ん? 俺の方にも……か? 姉さんじゃなくて、姉さんの旦那の方からの通話だな。悪い、少し離れるぞ」
「はーい!」
どうも兄さんに届いたのは、姉さんの旦那さんからの通話みたい! うーん、一体どういう事になってるの? とりあえず姉さんからのメッセージを見てみれば、何かが分かるかな?
「えーと、『旦那に説教されてるからまた後で!』って、姉さんは何をやったの!?」
あ、何をやったって、さっき兄さんが聞いてきてた事だー! もしかしなくても、旦那さんに何も言わずに電子マネーを送ってきたとかそういう話!? それで怒られてるとか、普通にあり得そう!
「……はぁ、姉さんらしい内容か。これは俺だけじゃ判断し切れんな……」
「兄さん! どういう話だったの!?」
「ホームサーバーがもう古いだろうから、買い替え資金の提供だとさ。俺が色々買い足してたのと、親孝行も兼ねてだそうだ。全部が全部、嘘って訳じゃないだろうが、おそらく口実だろうな。十中八九……」
思いっきり疑いの目で兄さんが見てきてるけど、私が原因なの!? でも、姉さんにはその話はしてないし、私は無実だー! そこはしっかりと主張しとかないと!
「姉さんにはホームサーバーの買い替えの事は言ってないよ!?」
「あぁ、そう聞いた。旦那のあの人が、これ以上の追加は処理性能不足になりそうだって言ったらしい。姉さんの作っていたあの和室のデータも知ってるからな」
「そうなの!?」
あ、そっか。姉さんの旦那さんも、姉さんの暴走防止も兼ねて私の配信は一緒に見てるんだもんね。何度か家にも姉さんの帰省と一緒に来てるし、状況を把握しててもおかしくない! というか、私よりも我が家のホームサーバー状況を把握してそう!
「それで姉さんが最新モデルのホームサーバーに買い替える場合の相場を聞いたらしいんだが、気付けばこっちにその額くらいの電子マネーを既に送ってたそうだ。……まぁ姉さんの結婚前に持ってた金から出てたらしいから、止めれないって話だな」
「え、なんで?」
「……結婚前の資産は持ってたのは、共有財産じゃないからな。使い道は姉さんの自由だ」
「そうなんだ!?」
その辺の事はよく知らないけど、とりあえず旦那さんが使い道に口出ししていいお金ではないって事なのかな? うーん、でもそれって受け取っちゃっていいの?
「まぁ機能拡張の大半は父さんか俺のバイト代から出てたから、ここで姉さんから受け取るのもありではある。一番ホームサーバーを使ってたのは姉さんなのは間違いないしな」
「そうなんだ!? って、兄さんもお金出してたの!?」
「まぁ、一部だがな。だが、拡張全般の作業はすべて俺だ。姉さんはその辺の情報には疎いし、なんならさっきその辺を把握した様子すらある」
「だったら、姉さんからの今までの手数料代として貰ってしまえばいい気がするよ?」
「……はぁ、今回はそうするか。俺としても出費が減るのならありがたい。あの人は姉さんの事は止められないとは言ってたが、今回のは本当に親孝行や俺へのこれまでの礼も兼ねてるみたいだから受け取って欲しいとも言ってたしな」
「それなら姉さんの気持ちは受け取っておくべきな気がする!」
いつもみたいに私に過剰に何かをしようとする以外の気持ちが姉さんにあるなら、無下にしたら駄目な気がする! いつか、何かの形で姉さんにお礼を返したいねー。
「ちなみにそれだと買い替えはいつになるの!?」
「ん? 資金はどうにかなったから、早けりゃ今週末、遅くても来週末にはいけるぞ」
「え、今週末にはいけるの!? 早くない!?」
「……俺がどこでアルバイトをしてるのか正しく把握してるか?」
「何かの専門店ってくらいしか把握してません!」
「やっぱりか! ……はぁ、説明しても伝わらなさそうだから説明はしないぞ」
「多分聞いても分からないから、問題ないよ!」
でも、話の流れとしてはホームサーバーの買い替えに関係してそうではあるね! その手の専門店なのかな? 正直、その辺はよく分かりません!
「とりあえず具体的な事を父さんと相談して、いつ設置するかを決めたら言うからな」
「はーい! 姉さんにお礼も言っとかないとね!」
「まぁそうだな。それじゃ俺は父さんと少し相談してくる」
「はーい!」
兄さんはそう言ってリビングに戻っていった。私は、姉さんに『ありがとう!』とメッセージを送っておくのです!
わっ、すぐに返事がきた! 相変わらず返事が早いけど……『どういたしまして!』って、シンプルだね! でも、これで良い気がするよ!
◇ ◇ ◇
ホームサーバーの買い替えについての話が進んだし、姉さんにはお礼は言えた! それじゃSNSの確認をやっていこー!
でも、コメント数が増えてきて確認だけでも結構時間がかかるんだよね。その辺、どうしよ? まぁとりあえず確認、確認!
サクラ☆モンエボ実況配信中! #***
中継のアーカイブ保存をしました!
『【初見プレイ】Monsters Evolve part.7』を見てみませんか?
URL:*tp://***
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わぁ、またコメントがいっぱい! 昨日よりは少し落ち着いた感じはするけど、それでも結構来てるね。とりあえず軽くチェックしていこうっと!
⇒【1】ミツルギ #***
おっ、今回のサムネイルは一斉進化か。
→咲夜 #***
完全に遺影シリーズじゃなくなった……。
→いなり寿司・動画好き #***
それ、がっかりするとこか!?
⇒【3】ヤツメウナギ #***
このサムネイル、時間を飛ばした後の一斉進化か!
よし、アーカイブを見てこよう。
⇒【8】チャガ #***
配信お疲れ。
どれをサムネイルにするかと思ったら、これになったか。
さて、今回の実況外のプレイはどうなるか。
→富岳(モンエボ垢) #***
それは気になるところだな。
→チャガ #***
果たして、明日の配信は予定通りの場所から始まるのか。
⇒【18】石突 #***
配信、お疲れ様!
視聴継続で、明日も楽しみにしとく!
おー、流し見した感じでは色んな人から色んなコメントが来てる! サムネイルに触れてるコメントと、お疲れ様ってコメントが多い感じかな? 他にも色々ときてはいるけど、これといって特に目を引くような内容はなさそう。
さーて、簡単にでもいいから全部にコメントを返して……って、新しく通知が来たね。あ、ミナトさんからだ。どれどれ?
⇒【25】ミナト #***
サクラちゃん、お疲れ様ー!
コメント数が増えてるけど、無理に反応を返す必要はないからねー!
あ、地味に私がさっき気にしてたやつだー! でも、折角コメントをくれてるのにスルーするのはどうなんだろ? うーん、ずっと見る事しかしてなかったから、その辺がよく分かんない。うん、ちょっと聞いてみよ!
→サクラ☆モンエボ実況配信中! #***
それで良いんですか?
いまいち、それで良いのか分かんないです……。
→ミナト #***
それで良いんだよー!
昨日は律義に返してたけど、結構時間かかったでしょ。
それでプレイ時間が無くなったら本末転倒だからね。
サクラちゃんのメインの活動はプレイ動画でしょ?
あ、そっか。確かに昨日は返信の時間がかかり過ぎて、実況外のプレイ時間が短くなっちゃったもんね。あっちもダイジェストになってるとはいえ、公開してるもん。
それをコメント返しで短くしちゃったら、ミナトさんの言うように本末転倒だよね! 優先順位は間違えちゃ駄目なんだ! それは心に刻んでおこう! でも、流石に何も言わずにスルーするのもあれだから、こうだー!
サクラ☆モンエボ実況配信中! #***
実況外でのプレイをこれから始めますねー!
そっちの時間を確保したいので、コメント返しは全ては出来ないかもです。
でも、ちゃんとコメントは見てますから!
それじゃやってきまーす!
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うん、これで良し! コメントはちゃんと目を通すけど、それは無理に今じゃなくてもいい! 学校の休み時間とか電車で移動中とか時間はあるんだし、その時にしようっと! さーて、それじゃ続きをやっていこー!
「いぇーい! 姉さん、ありがとう!」
「……サクラに甘いなぁ」
「いつも完全に甘え切ってはないですよ! 今回は特別です!」
「まぁサツキが過剰な金額を渡そうとはしてるけど、そこはよく自制してるもんだね」
「……あの金額を遠慮なく受け取るのはちょっと抵抗が……」
「いやいや、身内の金を自分の金として際限なく毟ろうってのもいるから、その感覚は大事だよ」
「そういうもんですかねー?」
「そういうものだよ。まぁ実感出来ない方が良い事だろうけど……」
「作者さん、なんだか実感がこもってません?」
「……まぁそこは気にしない方向で」
「なんか触れたら駄目な内容な気もします!? えっと、私の実況外のプレイも頑張れと応援してくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「第7章もあと少しだしね」
「はい、そうですね!」
「さて、次回はサクラも言ったように実況外のプレイの『第255話 実況外の探検録 Part.12』です。お楽しみに!」
「さーて、木の育成の方もやっていきますよー!」