第250話 滝の先へ
ふぅ、かなりギリギリだったけど、咄嗟に思いついた手段で強烈なカエルの凶悪な一撃は回避出来た! 強牙と噛みつきでHPは全快になってるし、エリアボスに大勝利!
「今のは勝てて良かったです! これで気兼ねなく、滝の上へと行けますねー!」
予想外にエリアボスが出てきてそのまま戦闘にはなったけど、私の目的地は滝の奥の湧き水! 小規模だけど滝が出来てるんだし、多分ここに来る前に来たところよりは水量が多いはず!
サツキ : 湧き水を見に出発だー!
水無月 : ワクワク!
咲夜 : 何か採集出来たら良いんだけどなー。
「あ、そういえば運が良ければ採集が出来るとか言ってましたっけ! その辺も楽しみですねー! とう!」
という事で、段差に登るために倒した木の上を歩いていくのです! そこまで太い木じゃないから、踏み外さないようにしっかりと歩いていくのさー。うん、渓流の滑りにくい場所を見つけながら進むよりは楽だねー!
こんにゃく : もうエリアボスを倒しちまったけど、この後はどうすんだ? もう次のエリアへ向かうのか?
G : あー、そういやそうか。必要が無ければ、もうそのまま先に進んでもいいとこではあるな。
神奈月 : 位置的に、次のエリアも近いしなー。
「あ、そういえばそうなるんですね。うーん、どうしましょう?」
1回時間を飛ばした程度なら、影響が出るのは飛ばした時の隣接エリアくらいって話だもんね。さっきのカエルを倒してLv15には上がったし、進化ポイントを稼ぐなら戦いにくい渓流エリアよりは先のエリアに進んだ方が楽?
「まだあんまり渓流エリアは堪能し切った訳でもないんですよねー。先に進めるとは言っても、少し悩ましいところです……」
渓流エリアらしい事って、来たばっかの時に川下りをしたくらいだもんね! 後は滑りやすい足場を避けながら、見つけた沢を辿って森の中。あれ? よく考えたら、他に渓流の堪能の仕方ってあるの?
ミツルギ : 渓流エリアの大きな特徴の部分はもう網羅してるような……?
名無しのカカシ : それこそ、採集が出来るかどうかくらいじゃないか?
富岳 : 陸地の種族には、利点が少ない場所だからな。
ミナト : まぁその辺はゆっくり考えてくれたらいいよー。そこから次のエリアに向かうとしても選択肢は2方向にあるしねー!
「それもそうですねー! 今は先に湧き水です!」
まだする事は残ってるんだから、今すぐ決める必要はなーし! 進む方向は南の渓流の更に上流の源泉があるエリアか、西の森を突っ切った先になるもんね。どっちにしても進みにくい森を切り拓いていく必要がありそうだから、正直面倒ではある!
「さーて、そうしてるうちに滝の上へと到着です! ここからは、また沢の中を進んでいきましょう!」
本当に道なき道だよね、ここ。とりあえず爪を立てて、姿勢を低くして進んでいくのさー! 沢ガニがいたりしないかなー? あ、でもLvばっかり上がっても駄目なんだよね。
「……そういえば、進化ポイントはいくらになったんですかねー?」
なんだかんだで結構倒したしLvも上がったから、それなりにあるような気がする!
ミナト : えーと、あれ? いくらだろ?
チャガ : それなりに溜まってるはずだが、流石に色々あって把握し切れてないな。
G : もしかしたら、『獅哮衝波』の取得に届くか?
咲夜 : ミナトさんが把握出来てないというのが驚きなんだけど!?
ミナト : ちょっと待とうか、咲夜さん。私を何だと思ってるの? 聞けばなんでも答えてくれる機械じゃないよ?
咲夜 : あ、いや、それはその……なんかすみませんでしたー!
いなり寿司 : 頼もしさの裏返しだろ。まぁ正直、把握してそうだったから意外なのは同感だ。
咲夜 : そう! 頼もしさ故の事!
ミナト : まぁそういう事にしとこうかな。
「他の皆さんもですけど、ミナトさんは頼りになりますからねー! 流石にこの移動中に確認するのもあれなので、到着してからにしましょう!」
もし沢ガニがいたら、非常に勿体ないもんねー! 次の進化の為にLv上げをしておくのは必須なんだし、進化ポイントはまたどこかで乱獲チャンスを狙うのさー! って、そういえば雷纏いが再発動可能になってる?
「わっ!? いつの間にか今日の配信時間は後20分になってますね!?」
思った以上に時間が経ってたー!? え、そんなに時間が経つ要素って何か……あっ、思いっきり心当たりはある!? あれだよ、さっきの滝のとこまでの道の切り拓き!
ミツルギ : あー、もうそんな時間か。
イガイガ : 道を切り拓くのに案外時間がかかってたもんな。
石突 : ん? あぁ、配信アーカイブは毎回、大体2時間ちょっとだったし、18時スタートなら20時までか。
こんにゃく : そういや、配信の開始時間は告知されてても、終了時間の記載って無かったような……?
「あー!? 言われてみれば、その辺も書いてなかった気がします!?」
わわっ!? 毎日定時でやってるのに、その辺の記載を完全に忘れてたー!? どうしよう? 今すぐにネタバレ厳禁の巻き物に追加で書きに和室の方に切り替える!? でも、終了予定の20分前に書く事でもない気がする!
金金金 : 忘れていた事に気付いて、慌てる狐っ娘アバターである。
ミナト : サクラちゃん、その辺は次回からでいいよー!
いなり寿司 : まぁ今から見るのでさえなければ、特に支障はないしな。
石突 : 確かになー。今言及されたので、今日の分は把握出来たから問題なし。
ケースケ : それは同感。
ヤツメウナギ : うお!? 今日はもう終盤の方か! コメントの方はお初です!
「そう言ってもらえると助かります! ヤツメウナギさん、初めましてー! 今日はあと20分ほどですけど、楽しんでいってくださいねー!」
うん、凄いタイミングで新規さんが……あれ? ヤツメウナギさんって、昨日SNSで名前を見たような気はする? コメントの方はお初って事は、視聴自体は初めてじゃない?
石突 : 人に勧めといて、その張本人は今頃登場か。
ヤツメウナギ : そこには反論はあるが、ここで言う事じゃないから自重しとく! って、この景色は渓流エリアの沢か! 今、どの辺?
真実とは何か : 渓流エリアの南西部、滝の先の沢。
ヤツメウナギ : あぁ、あの辺か! あそこは……おっと、ネタバレ厳禁って追加がされてるな。
「そうなりますねー! さーて、そうしてる間に到着みたいです!」
残念ながら沢ガニは見当たらなかったけど、拓けて明るくなってる場所が見えてきた! ふふーん、多分あそこが目的地! キラキラと太陽光が反射してるのが見えるし、水が溜まってそうな感じ!
「わっ! 狭いですけど、水が溜まってますね!」
わぁ、透き通ってて綺麗な水! ここの渓流エリアから繋がる湿原エリアの川が支流だったはずだし、この湧き水とかはそこから更に枝分かれした水源なんだよね。本流の水源ってとうなってるんだろ? って、あれ?
「今、ふと思ったんですけど、渓流エリアってここ以外にもあったりします? あ、これは質問で!」
今いるエリアはあくまでも支流の渓流部分! それなら、本流にも大元の水源とその渓流はあるはずだよね!
ミツルギ : あると言えばある。
G : ここはあくまで支流の中の、更に細かい支流の湧き水の1つだからな。
イガイガ : 具体的にどんな場所かは、サクラちゃんがそこに辿り着いた時に見ればいいぞー!
咲夜 : まぁ行くルートは分かり切ってるしなー。
「やっぱりあるんですね! そっちもいつか行ってみたいところです!」
多分、進むルート的には草原エリアから本流の川をひたすら上っていけば良いだけ! 今はどこの方向に向かって進んでも大体は新エリアに辿り着くけど、そのうちそうじゃなくなるから、そうなったら行ってみよー!
「さてと、それじゃ採集出来そうなものがないか見てみましょう! 何かありますかねー?」
運が良ければ良いものが採集出来るって話だけど、どういうアイテムがあるのかが気になるもんね! ……ん? 今、何か湧き水の中でキラッと光るものがあったような気がする!
「今の、何ですかね?」
気になったから、とりあえず湧き水の方へと移動! えーと、確か光ったのはこの辺のはず……。あ、なんか少し透き通ってる石があるね。歪な形に割れたガラス……あ、違う。これ、湧き水の中に埋まってるみたいで表面が見えてるだけみたい。あ、触れてみたら採集出来た。
「わっ!? これ、水晶なんですか!?」
採集した時に出たアイテム名が『水晶』だったよ!? なんかレアっぽい気はするけど、何に使うの、これ!? 食べれないから回復には使えそうにないよ!?
ミツルギ : あー、宝石系のアイテムか。出たのがそれか……。
いなり寿司 : レアと言えばレアだな。
咲夜 : レアだけど……。
富岳 : 要らない訳じゃないが……。
水無月 : これってどう使うの?
金金金 : 見た事ないな、これ。
ミナト : オンライン版じゃ、この手のリアルに実在する宝石系アイテムはまだ見つかってないからねー。
「結局、どういうものなんです?」
レアアイテムって事は分かったけど、肝心のその使い道が分からないよ? なんだか皆さんの反応も微妙な感じだし、レアだけどあんまり役立たないアイテムなのかな?
「再開ですよー! 連載再開です!」
「テンション高いね、サクラ」
「そりゃそうですよ! 出番なかったんですから!」
「そこはごめんね?」
「本当ですよ! ともかく、新アイテムが登場です! なんか反応が微妙ですけども!」
「そだねー。あ、少し宣伝させてねー」
「……あっちの電子書籍、第3巻の事ですよねー。なんか気に入らないですけど、まぁ仕方ないです……」
「相変わらず、あっちが絡むと嫌そうにするね……。という事で、電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』の第3巻は完成して、Amazonのkindleにて発売中です!」
「はい、そこまでで終わりですね! 話を戻しましょう!」
「そうでもないんだよ、これが。kindleで新機能が増えまして、ペーパーバック版の第1巻も発売となりました!」
「……なんですか、それ?」
「細かい説明は省くけど、要は受注生産の紙の本。ただし、印刷コストがかかるので値段は電子書籍版よりもかなりお高め。詳しくは活動報告をご覧下さい」
「おー、そんなのもあるんですね! さて、あっちの宣伝は今度こそ終わりですね! 私の方もさっさと電子書籍版を作れと希望の方はブックマークや評価をお願いします!」
「……ぶっちゃけ、自分で作る場合はその辺のポイントを積み上げる必要も無かったりはするけどね。というか、そこまでの余力はないから!」
「サラッと新機能を試しておいて、何を言ってますか!?」
「お休み期間だったから出来ただけで、それなりに手間はかかってるからね!? えー、という事で、次回は『第251話 水晶の使い方』です。お楽しみに!」
「あっ、強引に話を流し――」