表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
244/785

第244話 水源の湧き水


 普段よりも移動速度は遅いけども、着実にどんどん進んでいく! ふふーん、少し動きにくさはあるけども、全然滑らずに済んでいいね、この移動!


「また沢ガニを発見です! 『放電』! あ、逃げられました!?」


 うがー! 今回はあっという間に見えなくなっていった!? ぐぬぬ、あれが麻痺にならずに逃げる機敏な小さな敵の本来の速さ!


「……あれ、倒すの無理じゃないですかねー!?」


咲夜 : さっき倒したのにそれを言う!?

ミツルギ : まぁ言いたくなる気持ちも分かるけどな。ぶっちゃけ本当に速いし……。

G : でも、育て方次第ではプレイヤーでもあのくらいの速度は出せるんだぜ!

ミナト : 沢ガニは操作キャラには出来ないけど、他の種族で似たような事は出来るねー! トカゲ辺りは俊敏を鍛えまくればかなり速くなるよー!


「おー、そうなんですか! それはそれで楽しそうです!」


 サンショウウオやヘビでもライオンの疾走で振り切れないくらいの速度は出てたんだし、確かに出来るよね! 体格差を考えたら、ライオンよりも体感速度は上がりそうな気もする!

 というか、沢ガニは操作出来ないんだ。敵ではいても、ちょいちょい操作出来ない種族っているんだねー。まぁモンエボはそこそこ旧作なんだし、その辺は仕方ないかな……。


「おっ、何か拓けた場所が見えてきましたね!」


 これは……多分、目的地に到達した気がする! わわっ! そんなに広くはないし、水量もないけど、湧き水だよね! 湧いてるとこが見えるもん! わぁ、木漏れ日は水に反射してて綺麗! こういう景色いいなー!


「水量は少ないですけど、湧き水発見です! いぇーい!」


 ふふーん、森の中で湧いてる綺麗な水ってなんか神秘的だよね! 普通に立ち上がっても大丈夫だね! これは折角だし、スクショを撮っておくのですよ! スクショを撮るぞー! ……うん、撮れた! 今日のサムネイル候補だね、この景色!


水無月 : 少しだけど、湧き水だー!

石突 : なんというか、秘境って感じだな。

ケースケ : もう少し広くて水が溜まって湖になってれば、他のゲームだと水の精霊とか出てきそうなイメージの場所だな。


「あ、言われてみたらそんな感じもしますね!」


 うん、他の普通のファンタジー系のRPGをやった時にそういう場所って出てくる事はあったよ! ただ、湧き水にはなってるけど、湖みたいな状態にはなってないもんね。ほんの少しの水溜まりから、そのまま水が流れ出て沢になってる感じ。


「ザっと見た感じ、特にめぼしいものもないですねー。まぁ湧き水が見れただけでも収穫です!」


 看破でも特にこれといった敵の反応もないし、周囲も木々で覆われてるからライオンの体格じゃ他の方向にはまともに進めそうにないねー。湧き水が見れたのは嬉しかったけど、それ以上の成果はないっぽい?


金金金 : 何か採集出来るものとかはねぇの?

咲夜 : ある時はあるけど、あるかどうかはその時の運なんだよなー。

ミナト : 今回は外れだったみたいだねー。

ミツルギ : この手の場所での採集はランダムだからな。その分、当たりを引けば良いのが手に入るんだが。


「おぉ、そうなんですか! ……それだと外れは残念ですね」


 まぁランダムなら仕方ないかな。ミナトさんが外れって言ってるんだから見落としてるって事はないだろうし、もう戻ろっかな。そういえばマップ的にはどのくらい進んだんだろ?


「あ、思ったほど森の奥ではないんですね、ここ」


 まぁ移動方法が移動方法だったし、そこまで長距離な訳もないよねー。まだ西の方に森は続いてるけど、ライオンだと通れそうにないし……って、そうでもない?


ミツルギ : 渓流エリアにはこういう場所が何ヶ所かあるけど、その中では浅い方の場所だな。

金金金 : ほう、そうなのか。それなら他の似たような場所に……って、狐っ娘アバターが怪しげな笑みを浮かべてる?

サツキ : 何か思いついたね、サクラちゃん!


「これだったらどうですかねー! えいや!」


 ふっふっふ、少しとはいえここは拓けている場所! つまり上は空いている! だったら、これでいけるはず! 私のライオンの跳躍力の見せ所! 出来るだけ太い木の枝を選んで、そこの向かって大ジャンプ!


「わわっ! ふぅ、なんとか枝の上に着地成功です!」


 ちょっと着地に失敗しかけたけど、ここまでやってきた爪をひっかける要領で落ちるのは阻止! その上でしっかりと枝の上に乗るのに成功! うん、ギシギシと不穏な音がしてるけど、今はそれは気にしない!


咲夜 : 木の上に登った!?

水無月 : 木登りライオンだー!

石突 : ライオンが木に登って大丈夫なのか?

ミツルギ : まぁ大丈夫と言えば大丈夫だな。……枝が折れるまでなら。

石突 : それは大丈夫と言うのか……?

G : 落ちてもそれだけじゃ死ぬわけじゃないし、折れた木もゲーム内のデータだからなー。

神奈月 : リアルじゃ危ないけど、ゲーム内だし。

イガイガ : ぶっちゃけ、川下りの方が遥かに危ない。

石突 : そう言われると確かにそうか。


「そうですよねー! まぁリアルで木登りとかした事ないですけど、ゲーム内なら安全です!」


 乗ってる枝から変な音も聞こえてるし、折れるのは時間の問題! 折れる前に大急ぎで登った目的をやっちゃおー! ちょっと木の幹にもたれかかるようにして、立ち上がって……周囲の確認!

 ここと同じように拓けてる場所はないかなー? あ、南の方に2ヶ所くらい見えた! どっちもここよりも西寄りだー! うん、他の場所があるのかを目視で確認したかったから、目的は達成!

 それじゃ枝が折れる前に降りて……って、バキッて折れたよ!? 着地、着地……って、折れた木の枝が一緒に落ちてて邪魔ー!


「ぐふっ! ……折れた木の枝に邪魔されるとは思いませんでした」


いなり寿司 : 折ったの、サクラちゃんだけどなー!?

こんにゃく : 折った張本人が言う文句ではない気がする。

真実とは何か : 自業自得、それが真実!


「確かにそうですけどねー!? うぅ、地味に脚に木の枝が刺さっちゃってるじゃないですかねー!? えいや!」


 前脚に少しだけ刺さってた木の枝を咥えて引き抜く! 痛みは全然ないのがありがたいよね! ゲームで実際に痛いとかやりたくないし!

 今ので少しHPが減っちゃったけど、このくらいなら放置してても移動中に勝手に回復する範囲だし、そのままでいっか。


サツキ : サクラちゃん、少し湧き水を飲んでみてー!

金金金 : ん? 何かあるのか?

ミツルギ : あるにはあるけど、まさか必要な状態になるとは思わなかったな。


「はっ!? もしかしてここの湧き水って飲んだらHPが回復するとか、そういうやつです!?」


 ゲーム的には結構あったりする回復ポイントだったりするの!? そういう回復ポイントの近くで、敵を倒してLv上げとかお金稼ぎとかよくやった! 特に詰んだ時にLvを上げて押し切る時に!


ミナト : うん、そういうやつだよー! 全然HPが減ってない状態だと全く実感もないから、今はいいかなーって言わなかったんだけどね。

富岳 : まぁ効果が実感できる状態になったんだし、試してみるのも良いだろうよ。


「確かにそれはそうですね! それじゃちょっと湧き水を飲んでみます!」


 という事で、湧き水のすぐ傍まで移動! えーと、犬や猫が水を飲んでるイメージで、飲んでみる! おぉ、舌で舐める感じで水が飲めてる! 味は……うん、市販されてるミネラルウォーターって感じ! まぁそのままだけど。


「おぉ、あっという間に全快になりました! これ、持ち運べませんかねー!?」


 この水、アイテムとして持っていきたい! 回復量がどのくらいあるのか分からないけど、かなり便利そう!


ミツルギ : 残念ながら、それは無理だな。アイテム化は出来ないやつだ。

G : その分、効果量は高いけどな。生命は全快するぞ。

咲夜 : 状態異常は全快でこそないけど、効果時間の半減だっけ?

富岳 : そうなる。まぁ状態異常に使うには場所が悪いがな。


「あはは、確かにそれはそうですよねー!」


 森の奥にひっそりとあるような湧き水の場所まで移動して状態異常の回復は流石にしないよ。HPの回復ですら、ここまでの移動方法を考えたら中々やりにくいよね。

 あ、でも小動物でならそうでもないのかな。あくまで体格が大きなライオンだからこその欠点に……。


金金金 : んん!? また狐っ娘アバターが怪しい笑みを浮かべてるぞ!

こんにゃく : 今度は何を思いついた!?

サツキ : あー!? サクラちゃん、自然破壊をする気だー!?

チャガ : ……なるほど、何となく予想がついた。

いなり寿司 : まぁ強引な手段だけど、ありっちゃありか。

ミナト : あはは、まぁ確かにねー!


「だから、サツキさん、なんで分かるんですかねー!? もう察しが付いてる人もいるみたいですけど、これでいきます! 『獅子咆哮』!」


 ふふーん、通るべき道が無ければ作れば良いだけなのさー! それにこの湧き水がすぐ傍にあるのなら、敵の脅威もかなり減るはず! 敵の巻き添え、上等なのですよ! どーんとかかってこーい!


「脆いですね、この辺の木!」

「無茶を言うね、サクラ」

「でも、ライオンくらい支えて欲しいものですよ!」

「そもそもライオンが登るのは想定してないよ?」

「でも、もっと強度あっても良いんじゃないです?」

「あ、敵の木なら登れるだけの強度はあるよ」

「……それ、襲われません?」

「もちろん、襲われるけど?」

「当然のように言われました!?」

「そりゃ敵なんだから、当然だよね」

「……そういえばそうですね。木の丈夫さを求めると言う方はブックマークや評価をお願いします!」

「さーて、次に敵で出てくる木は堅固をお望みって事だね。エリアボスで特別硬く――」

「わー!? それは期待してません!?」

「まぁその辺は置いといて、次回は『第245話 破壊の代償』です。お楽しみに!」

「なんか不穏な雰囲気があるんですけどー!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あっちのオンライン版は自力での電子書籍版もありますので、よろしければどうぞ。

最新巻はこちら!
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』第20巻

これまでの第1巻〜第19巻はこちらから。
電子書籍版『Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜』シリーズ
― 新着の感想 ―
[一言] 周りに見えない敵は居ないんだろうなぁ? なんか、居そうなんだけど.......
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ