第232話 渓流エリア
ふー、色々と危なかったけど、なんとか新エリアに突入は成功なのです! そしてやってきました、新エリアの渓流!
「いやー、渓流ですねー!」
ようやく余裕が出来たから周囲を見回してみたら、大きな岩がゴロゴロと転がってて、その間を水が流れていってる感じ! この辺は緩やかな流れじゃなくて、結構荒々しい流れになってるんだね!
G : 結構流れが急な辺りに出たか。
こんにゃく : この辺、小動物で流されるのが楽しいやつだな。
ミナト : 天然のウォータースライダーだねー!
ミツルギ : 身構えを使いながらダメージの影響を最小限にすれば、ここに来たばかりでも意外といける。
水無月 : おー! そんな楽しみ方があるんだ!?
「それ、面白そうですね! でも小動物ですか……」
流石にライオンじゃ大き過ぎるかな? うん、確かにあちこちの岩にぶつかりそうだし、ライオンのサイズだと岩と岩の間に挟まりそうな場所もいくつかあるよね。でも、やりたいなー。やりたいよねー。やろっかなー?
金金金 : 明らかにウズウズしている狐っ娘アバター!
ミナト : あはは、サクラちゃん、やりたいんだね?
サツキ : サクラちゃん、そういうの好きだもんねー!
富岳 : 全て問題なく流れていけるって訳じゃないが、ライオンでも全く不可能って訳じゃないぞ。まぁ大型だと岩の間に詰まりやすいが。
チャガ : その辺にある倒木の上に乗って、流されるってやり方もあるな。それで詰まるのは回避しやすい。
「おぉ、そうなんですか!? ちょっとその木に乗るのをやってみます!」
ふふーん、出来そうな手段があるならやってみるのみですとも! わーい、川下りで遊べるよー! 敵とかもう今はどうでもいい! 今はやりたい事をやるだけなのさー!
「えっと、倒木……倒木……」
倒木の上に乗っていいならライオン自身で流れていっても問題ない気はするけど、それだと岩の間に挟まって詰まった後が大変になりそうな予感! 多分そういう問題があるから、倒木の上に乗るって選択肢を出してくれたんだと思うのですよ!
えっと、川下りをして遊ぶんだから、下流を探すよりは上流を探す方がいいよね。うん、ここから上流に向かって乗るための倒木探しだー! 良さそうなのがあればいいなー! ある程度進んでも良いのがなければ、その辺の木を斬り倒そう! うん、それで決定!
チャガ : 看破の使用を忘れるなよー!
「あ、そうでした!? チャガさん、ありがとうございます! 『看破』!
危ない、危ない! 完全に忘れかけてたけど、看破で周囲の確認だー! おー、水中にイワナやヤマメとかが結構いるね! でもLv的には10~12だから時間を一回飛ばした割には意外と低め? まぁ今の私には丁度いいLvな気はするけど。
金金金 : 思ったほどLvは高くないな?
ミツルギ : ランダムリスポーンの場所次第だが、まぁ1回飛ばしたくらいなら、こんなもんだ。
富岳 : 飛ばしてなければ、この敵達はLv8~10の範囲ってとこだな。
金金金 : なるほど、そういう感じか。
「思ったほどランダムリスポーンはエリア切り替えの場所から離れてなさそうですね! それにしても、ここはちょっと歩き辛いです……」
岩の表面にコケが生い茂ってる場所が多いし、そのコケの上は滑りやすいし、他の場所は水の中。川から外れたら森があるけど、湿原エリアの森よりも更に険しいもん。それはそれで趣はあって良いんだけど、ライオンで入っていくのはちょっと躊躇するねー。
金金金 : こうしてみると、オンライン版の初期エリアの森林深部だな、ここ。
水無月 : あ、それは昨日見た! 確かにそうだよね!
ミツルギ : まぁ順番的にはこっちのオフライン版が先だけどな。てか、水無月さんは森林深部スタートか。
ミナト : オンライン版だと、渓流は流れが控えめにはなってるけどねー。
「おぉ、オンライン版にもこういう景色があるんです!?」
しかも初期エリアって事は、ゲーム開始早々からこういう景色が見れたりするの!? なんだかそれだけでかなり心が引かれたよ!
神奈月 : 普通にあるぞー! というか、基本的にオンライン版の方が色々とパワーアップしてる。まぁ後から出てるんだから当然な話だけど。
G : 新規追加種族も多いしなぁー!
イガイガ : その追加種族の中で嫌わてる系の人が何か言ってる。
G : なにおう!? 人間が勝手に害虫だと嫌ってるだけで、あの虫たちに罪はねぇぞ!?
いなり寿司 : そこで害虫って言ってしまってる時点で説得力がないんだよなぁ!
こんにゃく : ちょっと待て、Gさんって……もしかしてあの手の集団の1人か!?
G : あの手の集団が何を示すかによるが、嫌がられてもゲームの違反はしてねぇからな!
こんにゃく : やっぱり害虫系プレイヤーの1人か!?
えっと、あの手の集団とか害虫系プレイヤーって言い方的に、結構人数がいたりするのかな? うーん、害虫の類の話は前にもした気はするけど、私は別に平気だし、家の中に出さえしなければ気にしないもんねー。
Gさんみたいに嫌ってない人もいるんだし、その手の話に触れるのは避けとこっと! 苦手な人の気持ちも分かるけど、好きな人の気持ちを無視するのも駄目だよね。ちょっと変な流れになりそうだから、話題を変えよー!
「そういえば初期エリアの森林深部って言ってましたけど、こんな感じの深い森や渓流が初期エリアなんです? ここ、かなり滑りやすいですよ?」
今の話題で単純に疑問に思った事! 思いっきりライオンじゃ動きにくい場所なんだけど、そんな場所からスタートって大変じゃなーい?
ミツルギ : あ、滑りやすいのは川のコケの上とかくらいで、森自体はそうでもないぞ。まぁコケだらけだけど。
イガイガ : オンライン版でまさかのコケのプレイアブル化には驚いたけどなー。オフライン版じゃ敵としてすら存在してなかったのに……。
「……え? コケが操作出来るんです!?」
ちょっと待って、色々と衝撃的過ぎるんだけど!? え、さっきから地味に何度か滑りそうになってるこのコケが操作出来るの!? 色んな植物が動いてるのは見たし、木も育成中だけど、そんなのもありなの!?
「……ここの開発さん、どういう思考回路をしてるんですかねー?」
何をどうしたら、コケを操作キャラになんて発想になるんだろ? どうやって操作するのかすらさっぱり分からないけど……まぁいいや! オンライン版からの新規追加の種族なら、私のやってるオフライン版にはコケが敵として出てこないのは確定!
「わっ!? あ、危ないですね!」
うぅ、そんな事を考えてたら足元のコケで滑ったー! うがー! さっきのコケが敵として出てこないって意見は撤回! 普通にあるだけで滑りやすいとか、普通にコケは敵!
ミナト : あはは、まぁ足元には気を付けてねー!
名無しのカカシ : 川近くのコケは相当滑りやすいからな。
金金金 : 参考までに、オフライン版の初期エリアって草原と森林以外はどうなってんの? あ、サクラちゃんさえ良ければの質問だけど。
水無月 : それ、私も気になる!
ケースケ : おーっす! お、なんか気になる話題。
ミツルギ : との事だけど、サクラちゃん的にはどうだ? 興味があれば簡単になら説明するけど。
「あ、ケースケさん、こんばんはー! んー、そうですね……」
ライオンは草原から始まったし、木は森林から始まったもんね。多分他にもありそうだけど、まだまだそこまで行くのには時間がかかりそうだし、気になってる人がいるならネタバレでも聞いておくのはありかな?
「うん、決めました! どんな初期エリアがあるのか、教えてもらってもいいですかねー?」
初期で選べる種族にサメとか海藻ってあったから、少なくとも海はありそう! 他は聞いてみないと分からなさそうだよね。
ミツルギ : おし、それなら教えよう。オフライン版の初期エリアは『始まりの森林』『始まりの草原』『始まりの荒野』『始まりの海原』の4種類だ。
金金金 : なんだ、4ヶ所なのか。
咲夜 : いやいや、4ヶ所じゃないぞ。4種類だ。
水無月 : え、それってどういう事?
ミナト : これ以上はもっとネタバレ案件になるから、ここまでねー! 咲夜さんも内容的にそれは危ないよ?
いなり寿司 : 確かになー。
咲夜 : あ、そういえばそうか!
「うーん、意味が気になりますけど、そこは触れずにおきましょう! あ、良い感じの倒木を発見です!」
そっか、そっか。初期エリアは4ヶ所じゃなくて、4種類なんだねー。草原の名前を変えた方が良いって言われたのは、そういう理由なんだ! 多分だけど、私がスタートした『始まりの草原』以外にも他の『始まりの草原』が存在しそうな予感!
その辺は進めていけばどこかで辿り着く事もあるはず! そういえば私の木が植わってる森ってどこになるんだろ? まぁ今はいっか!
「ふふーん! それじゃ、木に乗って川下りを開始です!」
丁度川の流れが緩やかになってる部分だったから、そこに倒木を落として、その上に飛び乗っていくのです! その状態でライオンの前脚で水を掻いて進むのさー! ふっふっふ、そして川の流れに乗れば川下りスタートなのですよ!
「コケは色んな意味で私の敵です!」
「いきなりどうしたの、サクラ?」
「だって、あっちの主人公じゃないですか!」
「あぁ、ここでは知ってる事になるんだね」
「どうでもいいですよ、それは! あっちの都合で何度こっちが中断になった事か!」
「そこはごめんね? いや、本当に章終わりを完全に重ねられるなら休みは重ねるんだけど……」
「ともかく、そこは不満です!」
「こっちが後から始まってるし、立ち位置的には外伝になるしね……?」
「……むぅ、私も主人公らしい扱いを要求します!」
「え、既に散々自由に動いてるよね? これ以上何を求めるの?」
「……それは考えてなかったですね。あ、それなら私の方も電子書籍化をお願いします! イラスト付きで!」
「今はそれが出来るだけの予算も余力もないんだけど!?」
「やればできますって! 作者さんに頑張れと言う方はブックマークや評価をお願いします!」
「おいこら、話を聞け、主人公!」
「さーて、次回のは……あ、タイトルメモはこれですね! 次回は『第233話 渓流での川下り』です! 私が楽しみなやつですよー!」
「……自由過ぎない、サクラ?」
「それが私ですからね!」