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第231話 次のエリアへ


 うがー! 想定外の乱戦になったけど、それでも倒すべきワサビはあと2体! 機敏なワサビはまだ萎縮中だから、先に強烈なワサビを倒すのです! 思いっきり強烈なワサビからの攻撃を身構えで耐えてるとこだけども!


「強烈なだけあって、身構えを使っていてもダメージが多いですね!?」


 そういう進化先なんだから当たり前なんだけど、屈強が高い敵は本当に痛い! 正直、雷纏いを使ってしまいたいけど、2体相手に使うのは勿体ない気がする!


水無月 : 強烈なワサビって、食べたら思いっきりツーンとしそうだよね!

チャガ : そういう意味ではないんだが、確かに字面的にはそんな印象はあるな。

いなり寿司 : 言われてみれば確かに。


「確かにそんな感じはしますね! あ、攻撃が途切れました! 『強牙』!」


 ふふーん、ここで新スキルの投入! 一気に噛みついて……おぉ、良いダメージ! 受けてたダメージ分とまではいかないけど、多少はHPも回復したよ! でも、スキルとして噛みつき続けられないのが『強牙』のメリットであり、デメリットかなー?


「とりあえず潰しておきましょう! 『振り回し』!」


 普通に噛みついたままにしてたら、強烈なワサビだと絶対に暴れられるもんね。という事で、今は離して地面に叩きつけて踏みつける! あ、朦朧が入った!


水無月 : サクラちゃん、ツーンとした?


「え、特に味は無かったですよ? 強牙じゃ噛み足りなかったんですかねー? それじゃ『噛みつき』で!」


 もう1度ガブっとね! うーん、これでも特に味はしない? なんでワサビに噛みついてるのに味がしないんだろ? 味覚をオフにした覚えはないんだけど……はっ!? まさかバグですか!?


金金金 : 不思議そうな顔の狐っ娘アバター。

ミツルギ : ちょい待った! 元々、敵については味はないからな!?

富岳 : 今まで何度も噛みついてるはずなのに、なぜそこで不思議そうな顔をする?


「……え? あはは、やだなー! 今のは冗談に決まってるじゃないですかー!」


 そういえばそうだったー! 本当に何度も色々と噛んできてるのに、つい水無月さんの意見に流されちゃったよ!? そりゃこのワサビは敵なんだから、味がしなくて当然だよね!?


水無月 : あ、敵は味がしないんだ? サクラちゃん、なんかごめん!

G : サクラちゃんのアバターにはすぐ感情が反映されるから、誤魔化そうとしても分かりやすいもんだな。

真実とは何か : 誤魔化されるのもまた、真実なのである。

ミナト : あはは、そういう事もあるよねー! まぁ気にしない、気にしない!


「誤魔化されてくれてないですよねー!? うぅ、ついうっかりしてただけですよー!」


<未成体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


 あ、そんな事を話してる間に、噛みついてたワサビが死んだ! ふっふっふ、これで倒すべきワサビは残り1体! 残っているのは機敏な……。


「って、なんか逃げてます!? え、そんなのありなんです!?」


 待って、待って、待って! ここで機敏なワサビが逃げ出すとか、想定外だよ!? 確かに味方全員を倒したから逃げ出したくなる気持ちは分かるけど、ここで逃げちゃうの!?


「逃がしません! 『放電』!」


咲夜 : あっ!?

いなり寿司 : それはっ!?

ミナト : サクラちゃん、それはダメ!?


「ぎゃー!? つい使っちゃいました!?」


 隠れてる敵がいるから使わない方が良いって判断だったのに、つい咄嗟に逃げてるワサビに使っちゃた!? 何やってるの、私!?

 わわっ!? 水に電気が流れていっちゃったから、もう今更遅いよね!? あ、でもワサビに麻痺が入ったよ! これは普通にラッキーかも!


ミツルギ : あー、今のはまぁ咄嗟に攻撃する気持ちは分からなくもない。

咲夜 : サクラちゃん、ドンマイだ!

富岳 : 問題は、才智がいるかどうかか。

サツキ : 才智がいても倒しちゃえー!


「うぅ、完全にやらかしました……」


 過ぎた事はどうしようもないから、すぐに意識を切り替えて対処しよう! うん、姉さんも言ってるけど、才智だからって勝てない訳じゃないもんね!

 2体ともが才智じゃなければ大丈夫なはず! いざとなれば、雷纏いを使ってしまえば良いんだから、まずはその敵の姿を確認する……まで?


「……ここで才智のサンショウウオが2体ってどういう嫌がらせですかねー!? しかもどっちもLv10ってどういう事です!?」


 うぅ、考えられる可能性の中で最大級に嫌なのを引き当ててない!? サンショウウオだと地上部分まで普通にやってくるし、才智だと雷纏いでどうにか出来る相手じゃないよ!


神奈月 : ここで、こういう敵の引き方をするかー。

こんにゃく : これはすげーな。

サツキ : サクラちゃん、ここは逃げ一択だー!


「それしかなさそうですよねー!? ここは逃げます!」


 残り1体のワサビは倒したいけど、そこにこだわり過ぎたらサンショウウオに殺されかねないもん! ここでまたランダムリスポーンは嫌だし、このまま次のエリアまで逃げ切る!

 後ろ髪は引かれるけども、ワサビを倒す事よりもサンショウウオ2体から逃げるのを優先! もう迫ってきてるし、上流の方へと移動していかないと! 急ぎ過ぎて滑らないようにしながら、大急ぎで逃亡だー!


ミツルギ : 追いかけてくる敵は、エリアを跨いでも追いかけてくるのを忘れるな!

金金金 : あ、そういやそんな話もあったな。


「あ、はい! って、そういえばそんな話もあったんでした!?」


 今の今まで忘れてたけど、エリアを跨いで追いかけてくる敵の話って聞いた覚えがある! どちらかというとエリアを跨いでも追いかけていけるって話だった気がするけど、どっちも可能って話だったはず!

 もうともかく、ひたすら逃げるしかないじゃないですかねー!? とりあえず浅い水場を突っ切って、上流へと続く川岸に上がってから……ぎゃー!? なんか水が飛んできて……。


「……紫色の水って、嫌な予感しかしないんですけどー!?」


 ともかくひたすら逃げるしかないよ! せめて殺されるとしても、次のエリアに切り替わってから! 今いる水場で疾走を使うと、滑って転んで殺される予感しかしない!


ミナト : あらら、毒を混ぜた水弾だねー。サクラちゃん、ワサビを食べておいて! それで毒を受けたとしても、多少はマシになるから!


「あ、はい!」


 そっか、そういえば昨日採集したワサビの『鎮痛』の効果が継続ダメージの軽減だっけ! 昨日の今日で使う事になるとは思ってなかったけど、今こそワサビの使い時! ここは効果時間の長い葉ワサビの方を取り出して、パクっと口の中に……。


「うっ! ツーンときました!」


 今度はしっかりとワサビらしい味がした! 『鎮痛』と『食欲増進』の効果もちゃんと出たね! って、何か背中に衝撃がきたー!?


「ぎゃー!? 『毒』になって……あ、でも軽減ってなってます? ともかく陸地まで辿り着きました! 『疾走』開始です!」


 ここはもうワサビの効果を信用して、ひたすら逃げに徹するのみ! 水を飛ばしてきたって事は器用と知恵が高いんだろうし……って、ちょっと待って!?


「サンショウウオが川の中を走ってきてるんですけど!? 疾走で引き離せない!?」


 この光景、昨日も似たようなのを見た気がする! うがー! こっちのサンショウウオ、多分だけど俊敏と知恵が高い育ち方をしてるやつー! なんでそんな組み合わせがここで出てくるの!?

 うぅ、地味に背後から狙いが雑にはなってるけど、ちょいちょい紫色の水の弾が飛んできてるし、これって大ピンチだよね! ワサビの効果でかなりダメージ量は軽減されてるみたいだけど、それでもどんどんHPが減っていってるし……。


こんにゃく : これ、大丈夫か? ワサビがあっても、ここまで動きまくると……。

イガイガ : どんどんサクラちゃんのライオンが弱っていってるな。

富岳 : 死ぬのはもう覚悟しておいた方がいいな。だが、それまでに次のエリアへ到達出来れば……。

名無しのカカシ : ランダムリスポーンの対象エリアが、次のエリアの中になるか。


「私としても、もうそのつもりです!」


 もうそろそろ、エリア切り替えの場所なはず! でも、かなりHPが危険水準……これは、ちょっとHPが足りないかも! 減速して回復しようにもサンショウウオは振り切れてないし、本格的にどうしよう!? これは詰んだかも……。


「はっ! 良いタイミングで出てきてくれましたよ! えいや!」


 目の前に一般生物の蝶が飛んできてくれたから、それを食べて少しだけどHPを回復! 速度は落とさなくてもなんとか食べられた! これなら――


<『名も無き湿原』から『名も無き渓流』へとエリアが切り替わりました>

<規定条件の達成により『名も無き湿原』のエリア名が変更可能になりました>


「あ、やった! なんとかギリギリ、辿り――」


<サクラ【巧みなライオン【雷】】が死亡しました>

<死亡した為、ランダムリスポーンとなります>

<『死亡還元』の効果で、進化ポイントを1獲得しました>


 うん、辿り着いた瞬間に毒のダメージで死んだ! 死んだけども、今回は凄い運が良かった気がする! 何気に『死亡還元』で、倒し損ねたワサビの分の進化ポイントも貰った感じになってるしね!


「ふぅ、なんとか逃げ切りました! 最後の蝶が飛んでこなければ、間に合ってませんでしたよ!」


 あー、本当に死ぬかと思ったー! いや、実際に死んでるんだけど、それでもエリア切り替えに間に合って良かった!


サツキ : 今のは冷や冷やしたねー!

咲夜 : ナイス、逃亡劇!

ミツルギ : 本当にギリギリだったな!

いなり寿司 : あそこで一般生物の蝶が出てこなければ、無理だったよな。

富岳 : おそらくな。

ミナト : 放電を使った時は焦ったけど、なんとか間に合って良かったよー!


「……折角ミナトさんに確認してもらったのに、それを台無しにしたみたいですみませんでした」


 なんとか目的地に辿り着けたのは良かったとしても、あのミスは流石に謝っておかないと……。私が自分の判断で決めた事でのミスならスルーでいいけど、今回はミナトさんが折角判断してくれたことを台無しにしちゃったんだから……。


金金金 : ガチ凹みの狐っ娘アバター。

ミナト : サクラちゃん、私としては気にし過ぎないでくれる方が嬉しいかな? サクラちゃんが私の言った通りに動くようにしたい訳じゃないからね。それに、今のは今ので面白かったしね! ほら、折角の新エリアなんだから、そっちの探索をやっていこ!


「……そう言ってもらえると助かります! それじゃ新エリアを見ていきましょう!」


 次のエリアは予想してた通りに渓流だったしね! いきなりランダムリスポーンにはなってるけど、とりあえずマップの解放から目指してやっていこー!

「サクラ、楽勝だったんじゃないの?」

「今回のは想定外にも程がありますよ!」

「折角、警戒すべき場所は教えてくれてたのに?」

「うぐっ!? まぁそこは良いじゃないですかねー?」

「サクラが良いならそれで良いよ」

「……そう言われると、逆に罪悪感が出てくるんですけど。なんかすみませんでしたー!」

「まぁ今に始まった事じゃないしね、サクラがやらかすの」

「その言い方は失礼じゃないですかねー!? 私がそんなにやらかしてないと思う方はブックマークや評価をお願いします!」

「だから、何度減らすような内容は止めろと言わせる気!?」

「減りませんよ! え、減りませんよね!?」

「……そう思ってるのはサクラだけ。さて、次回は『第232話 渓流エリア』です。お楽しみに!」

「サラッと流さないでくださいよ!? あ、でも新エリア突入です!」

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― 新着の感想 ―
[一言] サンショウウオは付いてきたんだろうか?
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