第230話 ワサビ軍団
今回はミナトさん頼りの敵の確認! とりあえず一通り見てみたとは思うけど、危険そうな何かは私には特に見つけられなかったよ。うーん、ただの杞憂だったかも?
「ミナトさん、どうですかねー?」
でもまぁ、ミナトさんなら違う何かが見えてる可能性はある! その結果を確認だー!
ミナト : えーと、離れてるとこの水中に隠れてる敵が多分2体いるね。それと上には木の枝に擬態してるナナフシがいるかな。
ミツルギ : 3体も他にいた!?
咲夜 : 全然気付かなかった……。
チャガ : ナナフシは気付いたが、水中にもいたのか。
富岳 : 水中は気付かなかったぞ……。
サツキ : ミナトさん、凄いね!?
わわっ!? 想定外の敵が3体もいたー!? しかも、水中の方は他にだれも気付いた人がいないっぽいよ!?
「そんなにいたんです!? 参考までにどうやって見つけたのか、教えてもらってもいいですかねー?」
ミナト : んー? 些細な違いだけど、ちょーっと不自然な水の流れがあったりするんだよね。岩の後ろとかにそういうのがあれば、視界が通ってなくて看破に反応しない事があるの。それが雷纏いの影響を受ける距離に2ヶ所あったからね。別にそのまま麻痺する可能性もあるんだけど、才智だったら面倒だから変に刺激しない方が良いかも?
「なるほど、そういう事なんですね! 流石、ミナトさんです!」
うん、観察力が凄すぎて他に言葉が浮かばない! でも、これは頼んでみて良かったかも! よーし、それじゃその辺に気をつけながらワサビ3体を倒していくぞー!
「あ、ミナトさん! 避けておくべき方向ってどっちです?」
攻撃を始める前にこれは確認しておかないと駄目だよね! 雷纏いを使わずに戦う必要があるなら放電も控えた方がよさそうだし、獅子咆哮を使いたいけど巻き込まないように気を付けないと!
ミナト : 水中の敵は今のサクラちゃんの背後になるから、どのワサビに向けて攻撃しても大丈夫だよー! ナナフシは左側の木の上の方ね。
「そういう位置なんですね! 分かりました!」
そっか、ワサビのいる方向とは全く違う場所なんだ! それなら獅子咆哮で巻き込む心配はいらなさそう!
「それじゃ戦闘開始です! 『獅子咆哮』!」
なぜか知らないけど、ここのワサビ軍団はこっちから手を出さなければ向こうからは襲ってこないんだよね! だからこそ、獅子咆哮の使いどころ! でも、少し溜めが終わるまで待たなきゃいけない!
あ、そういえばナナフシってどんなのだっけ? 虫だったような気がするけど……うん、溜めを待ってる間に聞いちゃえ!
「溜めに少し時間があるので、質問です! ナナフシってどんなのでしたっけ? 名前は聞いた覚えがあるんですけど、姿がピンと浮かばないんですよねー」
ミツルギ : えーと、どう説明したもんだ? 木の枝に6本足が生えてる感じか?
イガイガ : 地味に説明しにくいな!? とりあえず昆虫ではある!
G : ナナフシは細長い体をしている昆虫だ。リアルでも枝や葉に擬態していている。
「ナナフシって、枝に擬態してる昆虫なんです!? そう言われたら何となく思い出してきました!」
多分、それはおじいちゃんのとこで見た覚えがあるかも! カマキリをより細長くして、鎌を無くしたような感じだったはず! リアルで実際に擬態してる昆虫だー! あれがナナフシって名前だったんだ!
「ふー、思い出せてすっきりしました! それじゃ溜めも終わったので獅子咆哮、発射です!」
ナナフシが擬態してるのは見つけられる気がしないから、そっちはスルーでいいや。今の私の目標は、あくまでも私を殺したワサビ軍団への敵討ち! それが済んだら、本来の予定の新エリアに進んでいくのですよ!
「よし、当たりました! 一気に才智を仕留めます! 『振り回し』からの『体当たり』!」
ワサビ同士は離れて植わってたから他のワサビは巻き込めなかったけど、才智のワサビ1体だけとの戦闘に集中できる方がいいからそれでいい! 肝心の才智のワサビは獅子咆哮で思いっきり吹っ飛んだし、HPも4割くらい削れたもんね!
金金金 : おー、ワサビが吹っ飛んだな。これ、陸地まで吹っ飛ばせば放電が使える?
ミツルギ : 水にさえ触れてなければ問題ないぞ。
いなり寿司 : この状況だと、放電はあまり意味ないけどな。
サツキ : サクラちゃん、いっけー!
「はい!」
とりあえず吹っ飛んだワサビのとこまで駆けていくのさー! 水場だから変に脚を取られないように気を付けながら……うん、変に急げば滑って転びそう! というか、昨日も実際転びかけたもん!
ともかく放電を使う必要はないにしても、戦いやすさを考えたら陸地に移動するのが正解だー! その為にも、転ばないように気を付けながら……。
「って、ちょっと待ってください!? まだ攻撃してない他のワサビが迫ってきてるのは何でですかねー!?」
ぎゃー!? 1体ずつ相手にするつもりだったのに、なんでこうなるのー!? 待って、待って、待って!? 機敏なワサビが走ってくるのが早いんだけど!?
水無月 : え? 何が起きたの?
こんにゃく : あー、ここのワサビは連動して群れて動くんだけど……知らなかったっぽいな。
サツキ : え、そうなの!?
真実とは何か : それが真実である! サクラちゃん、こんばんは!
「真実さん、こんばんはー! って、ワサビが群れて動くってどういう事ですかねー!? って、わっ!?」
わわっ!? 危ない、滑りかけて転びかけた!? でも、なんとか転ばずに済んだし、才智のワサビのすぐ近くまで来た!
「状況がいまいち飲み込めてませんけど、ともかく攻撃です! 『体当たり』!」
浅い水場とはいえ、私にとっては不利な場所! だからこそ、体当たりで吹っ飛ばして地面のある場所で戦うのみ! 予定してなかったけど、何故か3体同時になるなら尚更に!
ミツルギ : ここのワサビ、6系統の全部が揃っているんだよな。
咲夜 : ここは強制で乱戦になる場所だぞ!
神奈月 : まぁサクラちゃんは、実況外のプレイでは雷纏いを使ってたからなー。気付かなくても仕方ない。
チャガ : 初見では地味に罠な場所だからな。
ミナト : その代わり、手を出さなければ何もしてこないんだけどね。
「最初に来た時になにもされなかったのって、そういう事なんです!? というか、才智のワサビが何もしてこないのが怖いんですけど!?」
こういう時って大体、溜め攻撃での大技だったりするよね! うがー! そんな事はさせるかー! でも、すぐ近くに迫ってきてる機敏なワサビのが……って、あー!?
「こっちにはこれで良いじゃないですか! 『咆哮』!」
才智のワサビとの戦闘で考えてたから抜けてたけど、機敏なワサビなら普通に萎縮が効くよ! うん、そのまま萎縮になってしばらく倒れ伏しておいてください!
「今のうちに仕留めます! 『爪撃』『連爪』!」
なんとか吹っ飛ばした才智のワサビまで距離を詰めれたから、爪で一気に切り裂きまくるのさー! うりゃりゃりゃりゃー!
<未成体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
「とりあえず才智のワサビは撃破です! それじゃ次……って、ぎゃー!?」
強烈なワサビが、根っこ部分を叩きつけてきた!? 飛び退いて回避! あ、なんとか地面部分まで移動してこれた! むぅ、でも周囲が木に囲まれててまともに身動き出来そうにない場所だー!
才智のワサビは全然耐久性は大したことがなくて良かったけど、まだ2体いるんだよね。むぅ、今回は乱戦のつもりじゃなかったのに、まさか1体にでも手を出すと揃って攻撃してくるようになるとは思わなかったよ!
「地味に面倒ですね、このワサビ軍団!」
うがー! 雷纏いを使いたい気分だけど、得体の知れない2体の敵をここから増やすのは危険だよね。うーん、岩の陰に隠れてるみたいな事を言ってたし、回り込んで看破で正体を確認して――
「わっ!? わわっ!? 『身構え』!」
連続で葉っぱで切り付けてきて、そんな暇は与えてくれないっぽいね、この強烈なワサビ! 地面の部分に移動出来たとはいえ、狭くて回避しやすい場所じゃないよ!
うがー! もう変に戦わずにスルーして先に進んだ方が良かった気がしてきた! でも、今更言っても仕方ないし、なんとか倒して切り抜けるしかないよね!?
サツキ : サクラちゃん、頑張れー!
ミツルギ : 焦らず確実に倒していけー! 勝てない相手じゃない!
いなり寿司 : 一番厄介なのは片付いたしな!
「はい、頑張ります!」
ともかく1番厄介な才智は倒した! 残ってるのは強烈と機敏の2体なんだし、私の方がLvは上! 変なミスさえしなければ、負ける事はない範囲だもんね! なんとか頑張って倒して、次のエリアに向かうのさー!
「さーて、ワサビ軍団の討伐もあと少しです!」
「うん、まぁ頑張って」
「頑張ります! って、反応が薄くないです?」
「そう? 割といつもこんな感じだと思うけど」
「確かにそういえばそうですね。でもまぁ、今回は楽勝ですよ!」
「……まぁ、頑張って」
「はーい! 私、サクラの華麗な勝利に期待という方はブックマークや評価をお願いします!」
「凄い自信だねー」
「ふっふっふ、リベンジ戦で負けるとかないですしね!」
「……さてと、次回は『第231話 次のエリアへ』です。お楽しみに!」
「次回のタイトルも私の勝ちを宣言していますね!」




