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第216話 解放するのは?


「落ちないでー!? あ、ギリギリセーフですよ! ほら、今回は落としませんでしたよ!」


 机の上を転がっていくサイコロだけど、ギリギリ端っこで落ちずに止まった! ふぅ、これはセーフ! 二度あることは三度あるじゃなくて、三度目の正直になってくれた!


咲夜 ; 落ちる寸前!?

G : 凄いギリギリなとこで止まったな。

サツキ : 三度目の正直だったねー!

ミツルギ : また変な方向にすっ飛んでいくかと思った。

神奈月 : なんでサクラちゃんは、配信中にサイコロを振ると荒ぶっていくんだ?

ミナト : んー、なんでだろ? サクラちゃん、配信の時になんか無駄に力が入り過ぎてない?


「……私としても、そんな気はしてますねー。少なくとも今回は直前に皆さんが色々言ったからだと思いますけども!」


 実況外でのプレイをする前にサイコロを何回も転がしてた時は一回も変な転がり方はしてなかったのにねー。うーん、慣れたような気はするんだけど、それでもやっぱり少なからず緊張とかしてるのかな?

 あ、よく考えたらモンエボの操作の方が大半だし、こっちの配信用のVR空間で何かをする時間って短いような気もする。自分で思ってた以上にあんまりまだ慣れてないのかも?


ミナト : あはは、まぁ今回のは力が入ってても仕方ないかな?

サツキ : 結果的にはセーフだから、問題ないよね!


「サツキさんが言い始めた事ですよね!? うーん、早めに賭場を作りたいところですけど、時間が微妙です……」


こんにゃく : 賭場!?

名無しのカカシ : 丁半とか言ってたから、丁半博打の賭場か!

サツキ : そういえばサクラちゃん、どういう感じで賭場を作る気だったの?

ミナト : 確かにそれは聞いてなかった気がするね。


「えっと、もう1部屋作ろうかと思ってましたけど、そういえばどうしましょう? そっちの襖の前は箪笥を置いて塞いじゃいましたし……」


 うーん、リアルの物じゃないから箪笥は簡単に移動は出来るけど、毎回動かすのはそれはそれでなんか違う気がする? いっそ、床の間の掛け軸を隠し扉風にして……あー、でも配信のカメラの位置を他の部屋に移すのも面倒な気が……。

 毎回私の視点に切り替えてやる? うーん、それもなんか微妙な気がする! 部屋ごとにカメラが切り替わるように設定……って、それはやり方が分からないというか、やれるのかすら分からない!


サツキ : よーし、それじゃ……って、痛い!? え、なんで今怒られたの!?

ミナト : とりあえずサツキさんは置いておいて、サイコロを振る笊だけ作っちゃうのはどう? それなら今の和室でもすぐに使えるんじゃない?


「あ、確かにそれなら出来そうな気がします!」


 うん、それならそんなに時間をかけずに作れそうな気はする! あの籠みたいなのってザル……そっか、笊なんだ! うんうん、あれなら明日にでも学校から帰ってきてから作っても明日の配信には間に合いそう!

 そんなに大きい物じゃないから、学校の休み時間とかで携帯機器の方で大雑把に作って、家に帰ってからVR機器のフルダイブの方で仕上げればいけるはず!


「ミナトさん、アドバイスありがとうございます! その方向でやってみますねー!」


ミナト : いえいえ、どういたしまして。


 明らかに姉さんは余計な事を言おうとして旦那さんに怒られてた感じだけど、何を言おうとしたんだろ? 話の流れ的に、姉さんが賭場用の部屋のデータを作って送ってくれるとか?

 その可能性は普通にありそうだけど、そこは断固として拒否という事で! 個人的に姉さんの力を借りずにやりたいし、今は落ち着いてきてるけど騒動があったばかりだもん! その辺は要注意なのですよ! そして姉さんの旦那さん、止めてくれてありがとう!


「それじゃ賭場用の部屋の制作は中止という事にして、明日にでも笊だけは作ってみますね。その後は掛け軸とか、壺とか、そういう小物を作っていきつつ、そのうち縁側と庭は大々的に改装していきましょう!」


 ふっふっふ、なんだかこうやって具体的にやっていくのが決まっていくとワクワクしてくるよねー! 明日作るものは決まったし、笊はサイコロと一緒に箪笥の中から取り出す感じにしていこー!


金金金 : なんだかワクワクしてる表情の狐っ娘アバターである。

水無月 : サクラちゃんは、制作動画とかは投稿しないのー? この和室やそのアバターを作れるなら、結構興味ある人もいると思うよー!

ケースケ : それは俺も見てみたいかも。


「あはは、流石に私が作った物は、制作過程を人に見せられるような水準じゃないですよー! それにそもそも録画の方法も分かんないですし!」


 私としては自信作ではあるけど、それでも皆さんが過剰に褒めてくれてるのくらいは分かってるもんねー。良いと言ってくれるのは嬉しいけど、流石に制作過程を人に見せる程の自信はなーい!


水無月 : え……? 思ってもみなかった反応だよ?

ケースケ : ……本気で言ってるっぽい? え、マジで?

咲夜 : なんでか妙にその辺の自己評価が低いんだよな。

ミナト : その辺は何かあるみたいだから、変に触れないであげて?

水無月 : 確かにその方が良さそう……?

ケースケ : ……みたいだな。

サツキ : ……サクラちゃん。


「え、なんでそんなに沈んだ雰囲気になるんです? 別に特に何もありませんし、楽しくやっていきましょう!」


 なんだか姉さんの声が特に沈んでたのが気にはなるけど、別に何もないんだけどねー? なんで皆さん、この手の話になったら過剰に褒めてくるんだろう? そりゃ自信作を褒められるのは嬉しいけど、自己満足の範囲は出ない出来なのにね。


「そういえば出目は何になってましたっけ? お、1だから半ですね! 『再生増幅Ⅰ』の解放で決定です! それじゃモンエボの方に戻しますねー!」


 何を解放するかは決まったから、サイコロを片付けてからモンエボへと操作を切り替え! ……うん、切り替え完了!


「それじゃ、解放していきますねー!」


 えっと、生命のスキルツリーを開いて……進化ポイントは13あるから、ちゃんと足りるね! 解放に進化ポイントを多めに使う第5段階のスキルにはなるけど、これは便利なはず! 


<『生命』第5段階:スキル『再生増幅Ⅰ』を解放しました>


 うふふ、これで戦闘をしていない時のHPの回復速度が上昇するよ! ちょいちょい休憩を挟む必要があったりするから、その時間短縮にはなる!


富岳 : 徐々にだが、色々と強化する幅が広がってきたな。

イガイガ : だなー。次は選択の余地なく、俊敏の第3段階の解放をしていく感じか?


「そのつもりでいますよ! それが済んだら、第4~6段階の中の攻撃用のスキルか、第7段階の何かを取りたいとこですね!」


 ただ、まだ今の私のライオンだと第7段階では解放出来るスキルはないんだよねー。第8段階のスキルを見据えて解放していくか、他のスキルツリーを第6段階まで伸ばしてその先の第7段階のスキルを狙うのもあり?

 うーん、まぁ全然進化ポイントが足りてないから、この辺は実況外でのプレイで進化ポイント稼ぎかな?


咲夜 : てか、もう20時が結構近いのか。

G : あ、マジだ。残り15分ってとこなんだな。

ミナト : あらら、思ってた以上に時間が経ってたね。


「……え? あ、ホントです!? いつの間にそんなに時間が経ってたんですかねー!?」


 ちょっと前に確認した時は19時を少し過ぎたくらいだったはずだけど、そこから後で思った以上に時間が経ってたよ! まぁでも配信中にエリアボスの撃破までは出来たから良しって事でいいよね!


「次のエリアはどこに向かいましょうかねー? あ、そういえば『再生増幅Ⅰ』って、移動中にも効果はあるんです?」


ミツルギ : 交戦状態になってなければ、移動中でも効果はあるぞ。

ミナト : 基準は動いてるかどうかじゃなくて、交戦状態にあるかどうかだからねー!


「あ、そういう形になるんですか!」


 ふむふむ、移動中にも効果があるのは嬉しいねー! なんだか今はいまいち効果が実感出来ないけど、それは気のせいっぽい? うん、HPはほぼ全快に近い状態だから、あんまり気にならないだけなのかも!


「さてと、それじゃ川の上流に向かって出発です! 今回は川沿いに進みたい気分なので、次のエリアはその先の南側のエリアに進みましょう!」


 という事で、ミニマップに戻して移動開始! まずは川の所まで戻って、そこから上流を目指していくよー! ふふーん、川の上流だと渓流とかになるのかなー? うふふ、楽しみだね!


チャガ : 今回は次に行くエリアは自分で選んだんだな。

咲夜 : まぁそういうのもたまにはいいんじゃない?

神奈月 : 確かになー。

こんにゃく : ちょっと待て、その言い方だと今までは進むエリアを自分で選んでないのか!?

ミナト : うん、そうなるねー!

真実とは何か : サイコロでの運任せで進んできたのが真実である!

こんにゃく : ……マジか。

名無しのカカシ : もう色々と衝撃的な配信過ぎる……。


「あはは、まぁ悩むと悩み過ぎて先に進まな――ぐふっ!」


 え、ちょっと待って? 移動してたら、何かに襲われた? え、なんで!? 根がお腹に突き刺さってるのが見えてるけど、どこから襲ってきたの!? ミニマップには……端っこの方に赤い印はあるけど、それでも結構な距離はあるよ!?


咲夜 : あっ! 威嚇がまだ発動中!?

G : げっ、マジだ!?


 うがー! 威嚇がまだ効果が切れてなかったのを完全に失念してたー! って、今切れるの!? もう少し前に切れてくれたらよくないですかねー!? あー! 『再生増幅Ⅰ』の効果が実感出来なかったのって、威嚇が発動中だったからかも!


「とりあえずこれで! 『咆哮』!」


 地味にいつの間にか看破の効果も切れてたー! でも、突き刺してきた根はこれで力なく抜けていったからとりあえずは大丈夫! うぅ、HPを2割くらい削られたのが痛いよー。


ミナト : あらら、大丈夫かと思ったけど、そうでもない敵がいたみたいだね。

富岳 : なるほど、動かないタイプの木か。その手の相手なら、このくらいの距離は攻撃範囲内だな。


「そうなんです!? え、結構な距離がありますよ!?」


ミツルギ : 木には『範囲拡大』があるからな。動かないやつなら尚更に。

咲夜 : サクラちゃんが、木の方で取ろうとしてるやつだなー。

こんにゃく : ちょっと待て、木も育ててんの!? しかも『範囲拡大』!?

ミナト : 実況外でプレイしてるんだよね。木の方はダイジェスト動画として上がってるよー!

いなり寿司 : そこはあまり深くツッコむなよー。ネタバレ案件になるからな。

名無しのカカシ : そこでネタバレ案件って事は……え、マジで?


「……何がネタバレ案件なのかはよく分かりませんけど、まぁ動かなくても攻撃範囲が広いって事は分かりました! この木の相手はどうしましょうかねー?」


 少なくとも威嚇に反応して襲ってきたのなら、確実にLv7の敵なのは確定だもんね。地味に威嚇が一番効果範囲が広くて、動かない木がその範囲から攻撃出来るのは厄介!

 その範囲を攻撃できるスキルは……放電ならいけそう? でも相手が見えないからどうしようもない気がする。


 威嚇の効果で逃げる敵は逃げてるから、動いてない木がどれかは分かる。襲ってきたタイミング的に、さっきまで表示されてなかった動かない赤い印が襲ってきた木のはず! でも方向が地味に下流の方なんだよね。

 うーん、気持ちとしては全力で倒しに行きたいけど、時間的に微妙……。うがー! 倒しに行くか、スルーするか、悩むよ!


「むぅ、まさかの攻撃ですね……」

「なんだか不満そうだね、サクラ?」

「だって、予想してない攻撃ですよ!?」

「今更じゃない?」

「確かにそれはそうですけど! というか、配信時間の残り時間が厳しいです!」

「まぁ時間は有限だからねー」

「……そうなんですよね。この木の相手、本当にどうしましょう?」

「そこはサクラが自分で決めるとこだよ」

「まぁそうですよねー。私、サクラを応援してくれるという方はブックマークや評価をお願いします!」

「……シンプルにいったね?」

「特に思いつかなかったのです!」

「まぁそういう時もあるか。さて、次回は『第217話 川の上流へ』です。お楽しみに!」

「え? あれ、攻撃してきた木はどうなるんです!?」

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[一言] 動かない木なら、放置かな~ 近寄る前に半分くらいHP削れそうだし.......
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