第215話 いつものあれ
エリアボスの機敏な蝶は撃破完了! 隠れるのと素早いのが厄介なだけで、放電が大活躍で大勝利! うふふ、Lv7にもなったよね!
金金金 : この勝ち誇った顔の狐っ娘アバター。サクラちゃん、お疲れ様。
サツキ : サクラちゃん、お疲れ様ー!
咲夜 : 今回は放電があって、楽勝なエリアボスだったな!
ミツルギ : 全方位への攻撃は、マニュアル操作の放電だから出来る事だしな。
ミナト : 意外とないからね、全方位攻撃。
「え、あ、そうなんです!?」
わー、放電でのあの攻撃方法自体が珍しいんだ! 獅子咆哮での広範囲攻撃でも前面しかカバー出来ないんだし、そう言われてみれば希少かも?
「とりあえず今回のMVPは放電ですねー! あ、どうせなら全方位への放電をスクショに撮っておけばよかったです?」
今日のサムネイルは、私が攻撃しちゃってたからとはいえ、襲ってきた樫の木にはする気はないしね! うーん、でも撮り損ねちゃったし、今更遅いかな?
ミナト : それなら今から発動して……およ? 何か近付いてたのが、急に離れ出したね?
ミツルギ : ん? あ、ミニマップの端に何は赤い印が出てたのか。
咲夜 : あ、範囲から消えた。
「え、何かいたんです?」
えっと、縮小表示のミニマップには赤い印は1つもないね? 何がいたのか気になるから、マップを最大表示にしてみようっと!
「あ、なんだか一目散に逃げてる感じのがいますねー!」
他にも比較的近い所に全然動いてない赤い印が3つほど。距離があるとこに6つほど赤い印があるよ。うん、思った以上に威嚇の効果を受けてる敵がいた!
いなり寿司 : 何かが襲いに来てたけど、逃げていった?
富岳 : もしかすると、あのヘビかもな。
こんにゃく : あー、それはありそうだな!
ミツルギ : サクラちゃんのLvが上がったから、威嚇の効果対象が変わった可能性はあるな。
「え、あのヘビが襲ってきてるとこだったんです!?」
あわわっ!? さっきの蝶との戦闘中に、あんなものが襲ってきたら堪ったもんじゃないよ!? ふぅ、そう考えると色々と危なかったんだね!
サツキ : サクラちゃん、どうせならヘビへの追撃やっておく?
「………………流石に才智相手は止めときます」
ちょっと悩んだけど、それはなんか死亡フラグな気がするからパス! 確かにぶっ倒したいって気持ちはあるけども! あの毒ヘビは仕留めてしまいたい気もするけども!
咲夜 : なんだか葛藤があった気がする、少しの間。
金金金 : 狐っ娘アバターも微妙に悩み顔だったしなー。
いなり寿司 : まぁ移動が速い才智で、明確に毒持ちだと分かってる敵の相手はしたくない気持ちも分かる。
富岳 : 毒への適応進化を狙うなら、丁度良さそうな敵ではあるけどな。
名無しのカカシ : あー、それは確かに。
チャガ : あのヘビは、それを狙いやすい敵ではあるか。
ミナト : 確かにそうだねー!
「え、あのヘビってそんな使い方はありなんです?」
まさかの毒への適応進化に使えるという話!? うわー、雷への適応進化を残しておくつもりがなければ、試してみたいやつだー!
「ちなみに、その場合ってどういう動き方をすればいいんです?」
うん、これは参考までに聞いておこう! ライオンは雷への適応進化を維持していくけど、今後何かの種族をやる時に役立つかも! いつになるかが分からないから、その時に覚えてるか分からないけども!
富岳 : 死ぬ時の場所をしっかり覚えておいて、ランダムリスポーンをしたらすぐにそこまで移動の繰り返しだな。
ミツルギ : その場合は必ず毒で死ぬように調整するのが注意点だな。まぁ毒を受けてから、走ってれば勝手に毒で死ぬけど。
名無しのカカシ : あそこまで執拗に追いかけてくるヘビだったら、大体死ぬまで近くにいるから分かりやすいんだよな。だから、何度も殺されに行きやすい。
金金金 : あー、なるほど。
「適応進化狙いなら、あの追いかけ方が逆にメリットになるんですね!?」
そっか、そういう事もあるんだね。普通に戦うとしたらもの凄く嫌な相手だけど、その特徴が役立つ方向もあるんだー! うん、そこは普通にびっくり!
ミナト : サクラちゃん、この後はどうするの?
「えっと、どうしましょう? さっきのヘビっぽいのは川の下流の方に逃げたみたいですし、川に戻って上流を目指しましょうか!」
まだワサビを見つけてないし、その辺は見ておきたいもんね! あ、その前にやる事があったんだ! まだ威嚇の効果も切れてないし、今は効果が切れるまで下手に動かない方がいいかも?
「その前にやる事があったのを思い出したので、そっちをやっていきましょう! いつものあれ、やっていきましょう!」
ふっふっふ、進化ポイントは今のエリアボス戦の時ので足りるはずだから、器用のスキルツリーの第3段階の『敏捷+7』を2つ解放するか、生命のスキルツリーの第5段階の『再生増幅Ⅰ』を解放するかの2択を、サイコロで決めていこー!
ミツルギ : お、今日の初めてのあれか。
水無月 : おぉ! 少し前に言ってたあれだね!? あれって何なのー?
イガイガ : まぁ見ればわかる。
サツキ : それじゃ、いつものあれをやっていこー!
こんにゃく : いつものあれって、本当に何?
名無しのカカシ : 分からん……。
うふふ、伝わってない人がいるからこそ、わざと『あれ』って言い方にして明確には言ってないからねー! そこは見てのお楽しみー!
「はーい! それじゃ一旦切り替えますねー!」
という事で、モンエボの操作は一旦中断にして配信用の和室へと切り替え! さーて、今回はどっちになるかなー?
とりあえず狐のアバターの方へと操作が切り替わったから、立ち上がって箪笥までサイコロを取りに行こー! うーん、早めにサイコロの演出向けに賭場を作りたいけど、まだ今日は火曜だもんね。モンエボの配信をしなければ平日でも作れるけど、それはなんか違う……。
水無月 : あれ? なんで中断して、こっちの和室なの? え、今、箪笥から何を取り出したの?
ケースケ : いつものあれって、こっちで何かをやるのか? あ、まさか!?
こんにゃく : え、最初の配信のアーカイブは少し見たけど、もしかして!? え、そうなのか!?
ずっと寝ていたい : 何か思い当たる事があるのか?
名無しのカカシ : 初回から続けてる、そう日数が経ってない割に定着してる定番の事がある?
おー、少し内容を察してる人も何人かいるみたいだね! まぁ一番最初の種族のライオンだってこの手段で決めたんだし、アーカイブの最初の方を見ていたら気付いてもおかしくはなーい!
とりあえずサイコロを取り出してきたから、机の前に戻って正座! VR空間ならリアルと違って足が痺れないのがいいよね。
「それじゃ定番の『サイコロ任せの運命の選択』のコーナーを始めましょう!」
前もなんかコーナー名は言った気がするけど、正直なんて言ったか覚えてないから適当でいいや! 別にそんなにコーナー名は重要じゃないしね。
ミツルギ : そんなコーナー名だったのか、これ。
イガイガ : 初耳だな。
咲夜 : コーナー名は聞いたような覚えもあるけど、毎回は言ってない気がする?
ミナト : 確か、初めて成長体への進化先を決める時に『進化先はサイコロで決めよう』じゃなかったかな?
「まぁ今適当に言っただけですからねー! 次回には変わってるかもしれません!」
進化先を決める時に言ったっぽいコーナー名は正直、なんて言ったか覚えてないもん! こういうのはその場のノリで決めてしまえばいいのです!
こんにゃく : えーと、どこからツッコめばいいんだ?
名無しのカカシ : こりゃアーカイブを見といた方が良さそうだ。進化先をサイコロで決めるって、割と衝撃的なんだが……。
ミツルギ : まぁ初心者がやる事じゃないからなー。
咲夜 : それは確かに。
金金金 : えーと、今回は2択だけど、どうする? 丁半でいくか、1~3と4~6でいくか。
「うーん、そうですね。今回は丁半でいきましょうか!」
2択なら丁半にしようっと! うん、姉さんが結婚する前に家にいた時には、何か決めようって時にはじゃんけんよりもこれだったもんね! まぁ今考えたら小学生の頃に何かわがままを言った時に、私をあしらう為にやってた感じもするけど。
富岳 : 出目が丁……偶数で、『敏捷+7』を2つ解放。半……奇数で、『再生増幅Ⅰ』を解放。今回はこれでいいか?
水無月 : そういう決め方なんだ!?
ケースケ : これがあれで通じる定番!?
「はい、富岳さん、それで問題ないです! これがあれですね!」
どっちがどっちでも問題はないけど、富岳さんが丁半の内容を軽く説明してくれたね! これで内容は決まったから、後は私の手の中にあるサイコロを机の上で振れば良いだけ!
「さて、それじゃ振りますねー!」
サツキ : サクラちゃん、今回は変な方向に飛ばさないようにねー!
咲夜 : 二度あることは三度ある……?
神奈月 : 三度目の正直の可能性も……。
チャガ : さて、どっちになるか。
イガイガ : 咲夜さんがそっちを言っちゃったからなぁ……。
富岳 : どっちもあり得るから、何とも言えん。
真実とは何か : その真実はすぐに分かるであろう!
水無月 : え、まだ何かあるの!?
こんにゃく : ……既に普段からサイコロで決めてるってのはもう不思議でいっぱいなんだけど。
ミナト : この程度で驚いてたら駄目だよー? 今回のは軽い内容だしね。
「皆さん、失礼な事を言ってませんかねー!? ともかく、振っていきますよ! えいや!」
もう言いたい放題だよね、皆さん! でも、そんなに何度も……って、あー!? 少し無駄に力が入ったっぽくて、またサイコロが机の上を変な風に転がっていく!?
待って、待って!? お願いだから、そこで落ちないでー!? わわっ!? 机の端の微妙な位置に転がってるけど、落ちずに済んでください!
「相変わらず好きだね、サイコロ」
「迷った時の運頼りですからねー! もう定番化しちゃいましたし?」
「……定番化しちゃったなぁ」
「なんでそこで作者さんが頭を抱えるんです!?」
「そりゃ本当にサイコロの出目で、色々と変わってくるからだよ!」
「作者さん、頑張ってください!」
「好き勝手に動き回るのは別にいいけど、それならそれで意思決定くらいはしっかりしてくれない?」
「サイコロで決めるという意思決定はしてますよ?」
「……そこの意思が固いのはなぜ?」
「それが私だからです! これからもサイコロで決めていけって言う方はブックマークや評価をお願いします!」
「……もう今更その手段は覆らないだろうなぁ」
「ふっふっふ、作者さんが諦めたのなら私の勝ちですね!」
「そんなとこで勝ち誇らんでいい! ……さて、次回は『第216話 解放するのは?』です。お楽しみに!」
「今回はどっちになりますかねー?」