第211話 危険な組み合わせ
なんだか予定とは違う相手と戦う事になったけど、なんとか無事に撃破完了! それにしても、周囲が荒れ果てた場所だと戦いにくいね! うん、半分は自分のせいでした!
「さーて、とりあえず移動開始です! この場は少し離れましょう!」
という事で、戦闘続きであんまり移動出来てなかったし、本格的に移動開始! ふふーん、川の上流へ向かって進んで行くのです! 看破で色々と敵は見えてるけど、今はスルー!
「そしていきなり立ち塞がる倒れた木ですか! とことん邪魔をしてくれますね!」
むぅ、思った通りに進ませてくれないね。うーん、今までのどこよりも凄い荒れっぷりだけど、これって未成体になってきたのも原因だったりするのかな?
ミナト : サクラちゃん、飛び越えるなら今度は頭をぶつけないようにねー!
富岳 : 木を吹っ飛ばすなら、その先の死角にいる敵にも気を付けろ。
ミツルギ : どっちも既に戦闘が発生してるもんな。
いなり寿司 : 今は特に死角が多いし、要注意か。
サツキ : 色々と周囲に注意だね!
「あはは、確かにそうですね。えっと、上の方は枝はない位置なんで、飛び越えていきます!」
今回はちゃんとぶつからないように周囲の確認! また枝に頭を打って落下とか嫌だもんね。えーと、看破でも敵の反応を確認して……うん、少し前のイノシシみたいに急に現れなければ大丈夫なはず!
「えいや! って、わっ!?」
ぎゃー!? 飛び越えた先に才智なヘビがいたー! しかもLv6って、今は相手にしたくないよ!? でも、踏みつけなかったのだけはセーフ! というか、それほど大きなヘビではないねー。
咲夜 : ヘビを踏みかけた!?
こんにゃく : げっ、才智のヘビ!?
ミツルギ : あー、高確率で毒ヘビだろうな。
ミナト : ……あはは、凄い嫌な位置に嫌な敵がいたねー。
富岳 : 踏みつけて戦闘にならなかっただけ、良かったかもな。
まだ私には気付いてない感じだから、こそこそっと逃げて……あ、頭がこっちを向いてきた? 牙から紫色の液体が滴り落ちて……って、色が濃くなってませんかねー!? 紫というより黒に近いよ!?
「ぎゃー! 気付かれました!? えぇい、ここは逃げ一択です! 『疾走』!」
始めて見るっぽいあからさまにヤバそうな毒を目にして、わざわざ戦う気はなーい! ただでさえこの周辺は戦いにくい環境なんだもん!
いなり寿司 : 逃げる判断が早いな!?
G : でも、この状況であれと戦いたくない気持ちは分かる。
この森の中だと足場自体は安定してるのは分かってるし、川沿いなら比較的拓けて進みやすい! 戦いたくない敵とは無理には戦わないよ! さっきの倒れてた木を超えた先はもう殆ど破壊の影響は出てないみたいだから、駆け抜けていくのみ!
咲夜 : 毒もパワーアップしてたしな。
こんにゃく : え、そこは触れていいとこなのか?
イガイガ : あー、どうなんだ?
ミツルギ : 実物が出てきたしありか?
サツキ : サクラちゃん、今回の裁定は!?
「露骨に色が濃くなってた気がするんで、そこは問題ないです! あれ、なんて毒ですか!?」
なんか後ろからガサガサと追いかけてきてるような音が聞こえてきてるし、その辺の情報は把握しておいた方が良い気がする! あの毒、なんか嫌な予感がするよ!
急加速を使って一気に引き離したいけど……急加速まで使って足場は大丈夫なのかな? 今転んだらアウトな気がするから、危ない賭けはやめとこう!
ミツルギ : あの毒はそのまま『毒』だな。微毒の継続ダメージ強化版だ。
ミナト : 動物系に特に効くようになってる感じだねー! 植物系にも効くには効くけど、微毒とは大差ない感じだよ。
「あ、毒性が強くなってる感じなんですね!」
うん、即座に逃げを選択して良かったかも! 微毒や麻痺毒でも厄介なのに、更に毒性が強くなった毒なんて受けたくない!
ちょっとずつ追いかけてきてるっぽい音が遠ざかってるし、引き離せてるみたい? うぅ、後ろを振り向いて確認する余裕がないから、音で判断するしかないのが怖い! ともかく、集中して逃げろ、逃げろ、逃げろー! あれ、音がしなくなった?
こんにゃく : えーと、『毒生成』のLv1で『微毒』、Lv2で『麻痺毒』、Lv3で『毒』だったっけ?
名無しのカカシ : 確かそのはず。
いなり寿司 : 『毒生成』はスキルLvが上がれば、毒の種類が増えていくからな。
金金金 : へぇ、別々にスキルツリーに登録されてる訳じゃないのか。
富岳 : スキルツリーに入れると、枠が足りないだろうな。それに毒への適応進化もあるから、それ用でもあるぞ。
「……毒への適応、そのうち試してみたいですね。って、ぎゃー!? なんで川を泳いでるんですか、このヘビ!?」
音がしなくなったと思ったら、川の中を思いっきり泳いでた!? うぅ、ヘビが水面を泳ぐって、確かにそんな光景はおじいちゃんのとこに行った時に見た覚えがある気がするけど、それで追いかけてくるってありなの!?
ミナト : あらら、完全に狙われちゃってるね。
富岳 : 俊敏も高めな才智のヘビっぽいな。
水無月 : 泳ぐのが速いね!?
いなり寿司 : リアルでも泳ぐからな、ヘビって。
チャガ : 変に障害物があるとこより、速い場合もあるんだよな。
「見た事あるんで知ってます! というか、この状況はどう逃げたらいいんですかねー!?」
ヘビの方も追いかけてくるまでが精一杯みたいだけど……っていうか、スキルの疾走に追いついてくるんなら、同じように移動用のスキルを使ってきてそう! はっ!? それで追いつかれるって事は元々の俊敏のステータスが負けてそうな気がする。
ミツルギ : 才智じゃなけりゃ、咆哮が有効なんだけどな……。
イガイガ : 移動の早い才智とか、面倒にも程がある。
「そうなんですか!? あ、これならどうです! 減速!」
あのヘビが疾走と同じようなスキルを使っているのなら、急な減速には対応出来ないはず! あ、やった! 思った通り、すぐには止まれず通り過ぎていったよ!
「ここで方向を変えて、急加速です!」
川からは外れるけど、少し東側の森の中へ突っ込んでいく! あんな危険そうなヘビ、経験値や進化ポイントが欲しくても相手にはしたくないもん!
咲夜 : おぉ! ナイスな撒き方!
いなり寿司 : 今のは上手いな!
サツキ : サクラちゃん、そのまま逃げ切ろう!
「はい、そのつもりです!」
とにかく今はひたすら森の中を強引にでも進んでいくのみ! まだあのヘビから逃げ切れたと安心していいタイミングじゃないはず! それはそれとして、ここの森に来てから思った事!
「湿原エリアの中にある森の方が、森エリアの森よりも動きにくいのはなんでですかねー!?」
名無しのカカシ : あー、その辺はよくある事だぞ?
イガイガ : だなー。実は森エリアの方が動きやすいように木々が配置されてる感じはある。
富岳 : ま、湿原エリアは湿原メインの部分を通っていけって事なんだろうな。
「あー、まぁ何となくその気持ちは分かる気はします」
折角の湿原エリアなんだから、そこに関係する部分を通っていけって意図はあっても不思議じゃないよね。そういう意図からは外れたルートを今通ってるから、進みにくいって事になるんだ。
あんな危険なヘビに追われてるんじゃなければ、川沿いに……って、わわっ!? 一気に速度が落ちた!? あ、疾走の効果が切れた!?
「ぎゃー!? このタイミングで疾走が……って、減速と急加速をしたんですからそうですよね!? ……ヘビ、来てませんよね?」
一度足を止めて、そろりと進んできた方を振り返る。えっと、なんか草むらを掻き分けて獣道みたいなのは出来てるけど、ヘビはいない? 念の為に、マップも確認!
「……赤い印が近くにありますけど、これって動いてないですよね?」
ちょっと離れた位置の川の近くで動きまくってる赤い印が、多分だけどさっきのヘビ? ふぅ、とりあえず振り払えたっぽくて一安心!
富岳 : しばらく川には戻らない方が良さそうだが、近くの赤い印は……もしかしてカモと戦う前にいたトカゲか?
ミナト : 既に交戦状態になってないと表示はされないし、その可能性は相当高いね。
ミツルギ : こんなとこまで逃げてたか。
「なんだかヘビに追われてきた結果ではありますけど、これはラッキーですね! それじゃこのトカゲを探して仕留めましょう!」
ふっふっふ、あの逃がしたトカゲが近くにいるっていうのは不幸中の幸いだね! 逃げる機敏な敵で、小型であれば経験値は多いという話! そして、明確に逃げてたっぽいこの赤い印の主っぽいトカゲ! これは経験値が期待できる!
「あ、その前にちょっと質問です! さっきのヘビ、皆さんならどうやって倒します?」
私は逃げの一択にしたけど、参考までに聞いておこうっと! 同じような敵がこれから出てこないとも言い切れないし、その度に逃げるのも嫌だもんね!
ミツルギ : 逃げるか、諦めて殺される。
いなり寿司 : 同じく。
富岳 : 正直、相手にはしたくない。ただサクラちゃんのライオンの構成で戦うとしたら、才智でも出血効果は効くには効くから、地道に出血効果を入れて、後は逃げつつ放電で遠距離攻撃か。
ミナト : んー? 全部攻撃を躱して、頭か尻尾に噛みついて、周囲に叩きつける感じがいいかな? 他の敵も巻き込んで、削らせるのもありだねー。
神奈月 : 簡単そうに言うけど、それは毒を食らったら一気に瓦解するやつー!?
G : まぁ、時々現れる凶悪な組み合わせなやつだしな。
「一応手段はあるにはあるんですね! というか、皆さんから見てもあのヘビって厄介なんですか」
そっかー、あのヘビから逃げ出したのって正解ではあったんだ。ミナトさんの言ってる手段は……今回のは意外と出来そうな予感はするけど、確かにあの毒は怖いよねー。
準備や心構えをしてから倒そうかとも思ったけど、これは変に手を出さない方が安全かも? うん、今はあの逃げ出したトカゲを仕留めるのに専念しようっと! ヘビについては後回し!
「危険な組み合わせってこういう事ですか!?」
「いやー、なんとか逃げ切れたね!」
「必死でしたからね! 凶悪過ぎません、知恵と俊敏の組み合わせ!?」
「だから、ほら。そこはタイトルに書いたじゃない?」
「確かにそうですけども!」
「あ、そうそう、少しだけお知らせ。コロナのワクチンの2度目の接種をしてきたので、今の時点で寝込んでる可能性ありです。今のこれは予め書いてたやつ」
「え、そうなんです?」
「そうだよー。それで、状態次第では感想への反応が出来ないかもしれないのでその点はご了承下さい。とりあえず数日分は予約投稿済みなので、本編の更新は問題なしです」
「……なんだか色々と大変みたいですね」
「早く落ち着いて欲しいんだけど、中々そう簡単ではなさそうだからね」
「えーと、言葉が見つからないので、とりあえずブックマークや評価をお願いします!」
「……いくらなんでも雑過ぎない?」
「仕方ないじゃないですかー!?」
「まぁ、とりあえず数日はそんな感じで、更新自体は既に26日までは予約投稿済みです。次回『第212話 逃げたトカゲを探して』をお楽しみに!」
「はーい!」