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第200話 油断は大敵


 予想外のヤナギの木の動きで逃げられちゃったけども、その途中で邪魔してくれたイノシシはすぐ後ろにい――


「わっ、なんですか!?」


 いきなりなんか衝撃が来たというか、吹っ飛んでる!? 一体何が……って、さっきのイノシシっぽいよね!? わっ! わわわっ!?


「ぐふっ!」


サツキ : サクラちゃん!?

ミツルギ : さっきのイノシシの攻撃か! この威力と吹っ飛び方、溜めでの突撃っぽいな。

いなり寿司 : 堅固なら『重突撃』だろうな。


 吹っ飛ばされてる時に身動きなんか取れなかった! うぅ、思いっきり近くの木に叩きつけられて……痛覚はないけど、気分的に痛いなぁ……。実際に今のでHP の4割くらい削らてるもん!


「堅固ってこっちから手を出さなければ、攻撃してきにくいって話じゃなかったですかねー!?」


 うがー! なんでこのイノシシ、襲ってきたの!? 私、躱したよね! イノシシって害獣ってイメージはあるけど、そんなにガッツリ肉食だった? 畑の物を食い荒らすイメージなんだけど!


富岳 : 確かにイノシシと堅固の組み合わせだと、あんまり向こうから攻撃してくることはないんだが……。まぁあくまで傾向であって絶対ではない……いや、待て。なぜ既に少しダメージを受けている?

ミナト : 確かにこのイノシシ、少しダメージを受けてるね? あれ? サクラちゃん自身は木の枝に当たって酷い事にはなってたけど、イノシシ自体は完全に躱してた……あっ! 折れた枝!

咲夜 : あー! サクラちゃんが折った枝が、イノシシに当たってた!?


「えぇ!? そんなのありなんです!?」


 わわっ!? そんな事を言ってる間に、またイノシシが突っ込んできた! 早く起き上がって、回避ー! ぎゃー!? さっき私が吹っ飛んで当たった木が、イノシシの突撃でへし折られた!?


「ちょっと待ってください!? このイノシシ、攻撃しても動きが止まってないんですけど!?」


 ぎゃー!? 近くの木々をどんどんなぎ倒しながら私の方へ向かって突っ込んでくる!? 倒すつもりではいたけど、急な展開過ぎてどうしたらいいの!?

 えっと、えっと、森の中だと周囲を確認しながらじゃないと回避しにくいのに、このイノシシは障害物をなぎ倒してくるって卑怯じゃないですかねー!? ともかく、回避、回避、回避!


「わっ!?」


 あ、しまった! 回避先を間違えて川の中へと着地しちゃって、思いっきり滑ったよ!? ぎゃー!? そんなのお構いなしにイノシシが突っ込んできた!? あわわっ、イノシシだからって猪突猛進過ぎる!?


ミツルギ : サクラちゃん、一旦落ち着け!

ミナト : 混乱するのはわかるけど、冷静にねー!

サツキ : サクラちゃん、ファイト! 手段は普通にあるよ!


 はっ!? 私、ちょっと今回のは慌てすぎだよ! うぅ、ヤナギの木が色々と予想外過ぎて、その混乱が残ってたのかも……。落ち着け、私ー! 取れる手段はあるのに、なんで逃げるだけになってるのさー!


「確かにそれはそうでした! 『咆哮』!」


 よし、萎縮が入ってイノシシの猪突猛進っぷりが止まって、川の中に突っ伏して……って、あれ? 今一瞬、『猪突猛進』って状態異常の表示のとこに出てた気がするよ? それ、なーに?


金金金 : オフライン版でもイノシシに猪突猛進ってスキルはあるのか?

ミツルギ : おう、あるぞー! サクラちゃん、説明はいるか?


「え、そんなスキルあるんです!? ちょっと気になるので教えて下さい! 『体当たり』!」


 川の中から出したかったから体当たりをしてみたけど……がっしりとしたイノシシ相手では全然吹っ飛んでくれなかった。むぅ、さっきはこのイノシシは私のライオンを思いっきり吹き飛ばしたのに、なんか差があるっぽい!


G : サクラちゃん、吹っ飛ばすのは堅牢のスキルツリーに効果を伸ばすスキルもあるからな。

いなり寿司 : 堅固かつ溜め攻撃だったからこそ、あれだけ吹っ飛ばされただけだぞ!

ミツルギ : なんか話が混ざるけど、イノシシしか使えない『猪突猛進』ってスキルがあって、その効果は一定時間は止まれない代わりに突撃系統のスキルの再使用時間の大幅短縮と威力強化だ。

富岳 : 溜め攻撃ですら、動きながら溜められるっていう厄介なスキルだな。

水無月 : 本当に猪突猛進だー!?

ケースケ : 止まれないのか、今のは……。


 溜め攻撃すら動きながら使えるって酷くない!? だからさっきは周囲の木々をひたすた巻き込みながら突っ込んできてたんだ! 


「そのスキル、本当に厄介ですね!? 『爪撃』『連爪』!」


 萎縮が切れる前に、ともかく攻撃だー! その猪突猛進はもう1度は使われたくない! うぅ、でも攻撃自体は綺麗に決まったけど、HPの減り方が相当悪いよ!? うがー! 硬いよ、このイノシシ!

 あ、でも状態異常に出血って表示が出た!うーん、見た目に変化がないから、解析略化の効果で表示されてなかったら謎な状態かも? 解析略化での状態異常の表示って便利!


「……出血してるのに、血って見えないんですね? 『噛みつき』!」


 とりあえず放電を使いたいから、イノシシの前脚に噛みついた状態で川の中から引っ張り上げる! うぅ、ライオンの力をもってしても、イノシシを引っ張り上げるのは結構厳しいね。うーん、放電は諦めて、別の方法を試す?


咲夜 : 血の演出って、確か設定から変えられたよな?

イガイガ : その手の表現が苦手って人向けに表示と非表示は切り替えられたはずだな。

名無しのカカシ : デフォルトでは苦手な人の方に合わせて、非表示だっけ。


「あ、そういう風になってるんですね! うーん、まぁあえて血が見たい訳でもないですし、苦手な人もいそうなので非表示のままでいきます!」


 私としては特にこだわりもない部分だから、そこは苦手な人への配慮でいこう! 血が苦手な人っているし、わざわざスプラッタ表現に変える必要はなーし!


金金金 : なるほど、そういう仕様になってるんだな。

ミナト : その辺は苦手な人はとことん苦手だからねー。オンライン版だと、その辺の表現はかなり抑えられたくらいだしさ。

ミツルギ : そうなんだよな。まぁ俺は平気だけど。

いなり寿司 : 俺も平気。

神奈月 : 正直に言えば、個人的には苦手……。

サツキ : 私も血は苦手ー!

富岳 : 出血表示をありにすると、一気にゲーム感が薄れて嫌って人もいるからな。


 あ、そういえば姉さんって血どころか、ホラー系とかスプラッタ系はもの凄く苦手だっけ? うん、やっぱりそういう意味じゃ、出血演出は非表示のままの方が良さそう!


 それはそうとして、このイノシシだよ! もういっそ、萎縮が切れるのを待って逃げ回って出血で自滅してもらおうかなー? ヤナギの木相手にやろうとしてた事を、ここで実行に移すのもありだよね!


「そういえば、萎縮の効果時間が短くなってたのがそうでもなくなりましたね?」


 さっきまでならもう効果が切れて短いとか感じてた気がするけど、今回はそうでもないよ! これが咆哮のLvが上がった効果なんだね! でも、逆に萎縮が切れるのを待つのだと時間がかかりそう。


「よーし、それならこれでどうですかねー? 『振り回し』!」


 ライオンの右前脚で、川の中に突っ伏してるイノシシの頭を叩きつけてそのまま押さえつける! ここの川は浅い! でも、浅くても少しの水があれば溺れるから気を付けろとおじいちゃんに教わった! という事で、イノシシはこのまま窒息してしまえー!

 あ、窒息の状態異常になって暴れ出したけど、萎縮の効果で振り払えるほどの暴れ方にはなってないね! しかも暴れてる事で出血の継続ダメージも増えてる感じがする!


いなり寿司 : 効果的だけど、やってる事がえげつない!?

水無月 : わー、凄い勢いでHPが減っていってる! ところでなんで生命って表示なのに、サクラちゃんはHPって言ってるの?

真実とは何か : そこに特に意味はないのが真実である。

イガイガ : まぁそこは大して問題もないから、サクラちゃんが自由に呼んでるだけだな。

水無月 : あ、そうなんだ! それは了解!


 うんうん、本当にそこはただ私が勝手に言ってるだけだから、気にする必要はないのです! それにしても、この窒息は弱る勢いが凄いね! もう水場が近くにあったら、この倒し方で良いんじゃないかな?


「ふっふっふ、これは楽勝ですね! って、あっ!?」


 萎縮が切れて、一気に振り払われちゃった! ぐぬぬ、もう少しで仕留め切れそうだったのに、倒し切れなかったよ!? でも、もう残りは普通に倒し切れるはず!


「残りは一気に仕留めます! 『体当たり』! って、身構えてます!?」


 うがー! ここにきて防御をするの、このイノシシ! でも、ここまできたら負けないし、逃がしはしないのですよ!


サツキ : サクラちゃん、いっけー!

チャガ : そこまで弱らせたら悪足掻きに過ぎんから、確実に仕留めていけばいい。

G : ぶっ倒せー!


「はい! 『爪撃』『連爪』『噛みつき』!」


 1撃ずつのダメージはかなり軽減されちゃってるけど、それでも確実にダメージは入ってるもんね! でも、これじゃ削り切れなかった!


「わっ!? 今度は突っ込んできました!?」


 苦し紛れなのかどうか分からないけど、ともかく体当たりは回避!


<規定以上の距離を移動しましたので【マップ】が解放されました>


 なんか回避した瞬間にマップの解放が来たよ!? とりあえずそれは後回しで、身構えを使わなくなって私も川の外に回避出来たし、イノシシが川の中から出てきたならこれだー!


「これでトドメです! 『放電』!」


<未成体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<サクラ【巧みなライオン【雷】】が未成体:Lv4に上がりました>

<基礎ステータスが上昇します>

<進化ポイントを3獲得しました>


「イノシシ撃破完了です! Lv4にも上がりましたね!」


 ふっふっふ、なんだか変なタイミングでマップの解放にもなったけど、色々と大成功だね! さーて、マップの解放になったんだし、ヤナギの木を探しに行こうっと!




「いえーい! 200話突破です! パチパチパチ!」

「拍手を口で言わなくていいから!」

「え、でも200話って結構な大台ですよ! お祝いしましょう!」

「お祝いって言ってもねー。サクラが何かしてくれる?」

「いえ、何もしませんよ?」

「なら何をしろと!?」

「外伝でもやります?」

「お休み期間に入るって予告したよね!?」

「だからこそ、時間に余裕はありますよねー!」

「……さて、改めてお知らせという事で、明日からはしばらくお休みです。再開予定は8月9日(月)からですね」

「あ、誤魔化しましたね、作者さん!?」

「外伝は書いたとしても、基本的に別のサイトで有料での公開だから確約出来ないって!?」

「むぅ……!」

「ぶっちゃけ、ここで何話書こうが1円にもなってないからね!?」

「まぁお金は大事ですけども……。仕方ないので、シンプルに行きましょう! 200話突破を祝ってくれる方はブックマークや評価をお願いします! 私への応援でもいいですよー!」

「まぁマイペースに更新は続けていくので、これからもよろしくお願いします」

「という事で、私としては不本意ですけど、しばらくお休みです!」

「次回は8月9日(月)から『第201話 回復の手段』になります。お楽しみに!」

「……はぁ」

「溜息つかないでくれない!?」

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あっちのオンライン版は自力での電子書籍版もありますので、よろしければどうぞ。

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― 新着の感想 ―
[一言] やったー\(^_^)/ 200話おめでとう~
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