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第196話 意識が逸れたから


 うがー! なんで私はさっき死んでるの!? なにか衝撃があったから攻撃されたのは間違いないけけど、何に攻撃されたの!?


「今の、何がどうなって死んだんですかねー!?」


 HPの回復は少しケチって控えめにしてたけど、それでも堅牢を多少強化した今の状態で1撃で残りHPが消し飛ぶとは思わなかったよ!? 


金金金 : ミナトさんが回避って言うまで、何がいるのか全然見てなかった。

ミツルギ : 濁った水の中からカメが突っ込んできてたな……。

咲夜 : あれって、威力的に『重突撃』?

富岳 : おそらくな。溜め攻撃の『重突撃』じゃなければ、あの威力は高すぎる。

ミナト : あはは、完全に気付くのが遅れちゃった……。水中で『重突撃』なら溜めてる時に波紋が立つから、見落としにくいはずなんだけどね……。

富岳 : 濁った水の中だと看破が効きにくいのに、今のは俺らも意識が逸れ過ぎてたな……。

いなり寿司 : 状況的にサクラちゃんが掘ってた泥が、水中にいたカメに当たったか? そこから狙われた?

ミナト : 多分そうだろうねー。どこかで水の中に入ってきてたんだろうけど、そっちも見落としてたかなぁ……。

イガイガ : ミナトさんがそこまで見落とすって珍しいな!?

水無月 : なんか状況的に私のせいな気がする!? ごめんなさい!


「そんな状態だったんですか!? うぅ、油断大敵ですね……」


 私も全然気付いてなかったけど、あのミナトさんまで見落としてたとは思わなかった。そっか、水無月さんの質問の件で皆さん意識が散ってたんだね。うーん、かといってもう謝ってくれてる水無月さんを責める気にはならないかなー。


「まぁ死んだのは仕方ないですね! 敵の溜め攻撃での奇襲には気を付けようって事で、今回の事は終わりにしましょう!」


 済んだ事をグダグダと文句を言っても仕方ない! 水無月さんも謝ってくれてるし、そこを責め立てたところで何も意味はないもんね!


サツキ : そだねー! 前向きにやっていこー!

神奈月 : だなー。それで結局どこにランダムリスポーンになった?

G : そっちが重要……って、あれ? そういやマップは?

咲夜 : マップはまだ未開放。

G : あー、まだなのか。


 そういえばGさんは見に来たタイミング的にその辺は把握してなかったんだ。本当に、中々マップの解放まで進んでくれないもんですよ。そういえば今の時間って……あ、いつの間にか19時が近いよ!? え、待って!? もうそんなに経ってたの!?

 むぅ、今日はどうも想定外の事が多い……。まぁ今日は色々と状況が状況だったし、こういう事もたまにはあるかな。うん、そういう事にしておこう!


「まぁマップの解放を焦っても仕方ないので、のんびりといきましょう! とりあえず周囲の確認ですね!」


 という事で気分を切り替えて、ランダムリスポーンをした先を見ていこー! ふふーん、どこに出たのかなー?


「えーと、あ、ここは川の上流の方の森の中みたいですね! すぐ近くに川も流れてますよ!」


 この感じだと進んでいた方向とは真逆に進んじゃったみたい。うーん、目的地からは遠くなっちゃった。周囲はグルっと木々に囲まれてるし、さっきまでいた拓けた湿原部分は全然見えないや。


イガイガ : さっきまでの位置から結構離れたか。

チャガ : この感じだとそうなるな。

咲夜 : サクラちゃん、ここからどうすんの?


「うーん、どうしましょう?」


 川はすぐ近くだから、川沿いに下流へ進めばさっきの場所までは戻れるはず。でも、それだと同じ場所をまた通ってから目的地の湿原エリアに来た場所に行く事になりそう。

 別にそれが嫌って訳でもないけど、また死なない限りは目的地に辿り着いてから引き返して今いる場所に来ることになりそうな気もする。もういっそ目的地を変更して、このまま森の奥に進んじゃおうかな?


「あ、ちょっと質問です! 今までの経験則的に、丘陵エリア以外はエリアごとにLv5刻みで敵が出てきてましたけど、それって未成体からでも同じですか?」


 もしそうなのだとしたら湿原エリアで出てくる敵の最大LvはLv5だろうから、今の私のライオンはLv3になってるし、この奥に進んでも大丈夫な範囲のはず!


ミツルギ : あー、あくまで大きなネタバレにはならない範囲でいくぞ。未成体からはその範囲には変化ありだ。

ミナト : 具体的な数値は避けるけど、少し上がってるねー!

いなり寿司 : まぁ根本的に進化階位が上がれば、キャラの上限Lv自体が上がるからな。


「あ、そうなるんですか!? これは聞いておいて正解だったみたいですね」


 そっか、そうなるとこのエリアの敵の上限LvはLv5じゃないんだね。ネタバレ回避で具体的なLvは伏せてくれたけど、そうなるとここのエリアボスのLvは最低でもLv6。場合によってはもっと上になるんだ。


「うーん、決めました! 目的地は変更して、奥に進んでみますね! とりあえず『看破』です!」


 ふふーん、もう死ぬなら死ぬでいいや! ランダムリスポーンでやってきた場所だし、戻ろうとしても既に近くの敵が私よりも格上って可能性はあるもんね!

 えーと、周囲の敵は……才智なショウブとか、堅固なトンボとか、屈強なトカゲとか色々いるねー。Lv3~5が多い感じだし、Lv帯的には意外と丁度いいのかも?


「あ、少し先にヤナギがありますねー!」


 看破の情報が出てて初めて気付いたけど、細長い葉っぱが垂れ下がってるのが見えるよ! 普通の景色として見るならいいけど……Lv5の機敏なヤナギってなってるのがすっごい気になる。うん、これは何か嫌な予感!


サツキ : あ、ヤナギの木だねー。

金金金 : ヤナギかー。ヤナギだなー。

ミツルギ : 出たな、機敏の木。


「なんだかこのヤナギの木には近付いたらいけないと、私の直感が言ってますね。という事で、少し迂回します!」


 森の奥に進むのも川沿いに行くのが楽そうではあるけど、もの凄く嫌な予感がするから方向を変えて森の中を突っ切っていこう! 別に他の方向でも通れないほど草木が生い茂ってる訳でもないし、多分大丈夫!

 なんだか、この垂れた葉っぱを振り回しながら、ヤナギの木に追いかけまわされるような予感がしたんだよね。うん、それはなんか嫌!


ミナト : あ、避ける方向で行くんだね。

こんにゃく : ハスでのあの反応を見たら、警戒する気持ちも分かる。

咲夜 : まぁ根で動くのは嫌がるもんな、サクラちゃん。


「他にも戦える敵はいましたけど、まぁこの先に進んでも他の敵がいると思うので、そっちで戦っていきます!」


 機敏な木でなければあのヤナギの木に挑んでも良かったんだけど、嫌な予感がしてるところに無理に突っ込む必要もないのですよ!

 ふふーん、それじゃちょっと草むらを掻き分けながら迂回するのさー! まぁ明確に進むべき方向を決めてる訳じゃないから、迂回じゃなくてそのまま方向を変えて森を突っ切って行くのでも良いかも?


「この辺、割と足場がしっかりしてて動きやすいですねー!」


神奈月 : 木が根を張ってる分だけ、この辺の地面は安定してるんだよな。

チャガ : マップを埋めるのを目的にするなら、こっちの方がやりやすいかもしれん。


「あ、確かにそうかもしれないですね」


 流石に疾走を使うには色々と動きにくい感じはするけど、ただ歩く分には周囲に明確な水場の少なめなこっちの方がやりやすいかも! それに川沿いから外れたから、敵は水中の中じゃなくて、放電で狙いやすい気がする!


「あ、Lv3の機敏なトンボが草に止まってます! 先手必勝です! 『咆哮』!」


 ふっふっふ、狙いやすいを考えてたところに絶好の獲物がやってきたね! まぁ放電じゃなくて、先に咆哮で萎縮にするけども! うん、ちゃんと萎縮になってくれた!


「そして、『噛みつき』です!」


 トンボは普通のトンボのサイズだから、爪じゃ狙いにくいのですよ! という事で、ガブリとね! おー、中々良いダメージが入っていってる! このトンボ、耐久性はあまりなさそうだね!


富岳 : このトンボ、この感じだと速度に特化してるパターンか?

いなり寿司 : ダメージの入り方から見て、生命も堅牢も低そうだなー。

サツキ : それって動き出したら攻撃が全然当たらないやつじゃない!?

ミナト : 速度特化のパターンだと、そうなる事もたまにあるねー! だから初手で咆哮で動きを封じたのは正解かな。


「あ、そうなんですか! それなら噛みつきの効果が切れた後は気を付けないとですね!」


 そっか、機敏な敵だとそんな事もあるんだ! よく考えたらそりゃそうだよね。機敏で進化してるって事は、移動速度や攻撃速度や回避速度に影響がある俊敏のステータスが高いって事だもんね!

 今は萎縮で動きを封じてる上に、噛みついてるから良いけど、その後にどう対応するかが大事かも! さーて、なんとか頑張って倒すぞー!

「サクラ、ヤナギの木は避けるんだ?」

「なんだか凄い嫌な予感がしたので、そうしました!」

「なるほど」

「これ、絶対に走って追いかけてくるやつですよね!?」

「……そこはノーコメントで」

「隠さなくてもいいですよー! あ、ネタバレを気にしてます?」

「まぁそういう事にはなるね」

「んー、まぁ私がネタバレ厳禁って言ってますし、それは仕方ないですね」

「そうそう、そういう事」

「それでは、今回のヤナギの木の回避をするのがナイスだと思った方は、ブックマークや評価をお願いします!」

「……むしろ、追われる方を期待されてる気もするけど?」

「それは作者さんの気のせいですね!」

「気のせいだと言い切った!? まぁいいけど……。さて、次回は『第197話 機敏なトンボ』です。お楽しみに!」

「既に戦闘中なので、頑張って倒します!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 柳が バックミュージックに、あの有名な井戸から出てくる人の曲を背負って追いかけてきたりして.......
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