第174話 ステータスの強化
さてと私を無視して争っていたタカとヘビは倒した! 予定外だけど疾走の効果も切れている。それなら今度はこれをやっていくのです!
「それじゃちょっと屈強のステータスを上げましょうか!」
サツキ : 強化タイム、開始ー!
いなり寿司 : そういや屈強ってそんなに解放してなかったよな?
ミナト : 確か第2段階までだったはず?
という事で、屈強のスキルツリーを表示! 屈強は……うん、ミナトさんの言う通り、第2段階の『爪撃』と『噛みつき』までをそれぞれに解放してる状態だよね。どっちの先の第3段階も『屈強+7』だけど、どっちにしようかなー?
あ、その前に今の進化ポイントっていくらになってるんだろ? えっと、今は……おぉ、55もあるよ! 第3段階のどっちも解放が出来るよ!?
「『屈強+7』を2つ解放で+14っていうのもありですね!」
第3段階までは幼生体で解放出来る範囲のスキルやステータス強化だから、未成体までに可能な限り解放していくのもありかも? そうすれば全体的なステータスの底上げが出来る!
咲夜 : まさかの1つじゃなくて2つ解放!?
ミツルギ : まぁ進化ポイントは足りてるし、それもありと言えばありだな。
G : 一気に屈強が強化できるし、良いんじゃないか?
富岳 : 疾走から通常攻撃での体当たりの威力にも影響は出てくるからな。まだ結構な距離があるから、移動途中の進化ポイント稼ぎにもいいかもしれん。
ミナト : その先のスキルツリーの解放の事も考えたら、解放しておくのもありかもねー!
「あ、そうなりますよね! 第4段階以降のスキルやステータスも解放出来るようになりますし!」
うん、確かにそこは重要! 先にある第4段階の『強爪撃』と『強牙』もどっちも狙えるようになるし、『噛みつき』の先にある『強牙』なら多分捕食系のスキル! すなわち『捕食回復Ⅰ』の効果が出るはず!
「今回は迷う余地なしで決定です! それじゃ解放していきますね!」
という事で、進化に必要な進化ポイント45を残して10ポイントは使うのさ! 移動の最中に進化ポイントはまだ手に入るはずだから、ここは最低限を残しつつ盛大に使っちゃおー!
<『屈強』第3段階:ステータス強化『屈強+7』を解放しました>
とりあえず『爪撃』の先にある方を先に解放! うふふ、これでLv7分のステータスが強化されるんだから凄いよねー! さて、もう1つの第3段階も解放だー!
<『屈強』第3段階:ステータス強化『屈強+7』を解放しました>
「これで、解放完了です!」
ふっふっふ、私のライオンはこれでまた強くなった! あ、そういえば進化先って器用で進化するか、知恵で進化するかってまだ決めてないんだよね。……うーん、まぁそこは明日で良いや!
いなり寿司 : これで近接攻撃がかなり強化されたか?
チャガ : ステータスとしては2割以上の強化にはなってるから、相当違うはずだぞ。
「それでは早速、実験といきましょう! あ、効果が切れてるのでこっちもですね。『看破』『疾走』!」
いつの間にか看破の効果が切れてたから、再発動して疾走を再開! 走ってる感じでは違いは特に感じないけど、これで敵に体当たりしてみたら何か違いも分かるはず!
ふふーん、それにしても昼間の丘陵エリアはのどかな感じで気持ちいいねー! Lv最大になったからここでの脅威は少ないし、ここに来たばかりの頃に皆さんが言ってた寛ぎエリアとして人気なのをようやく実感できるよ! いやっほー!
金金金 : 満面の笑みになってる狐っ娘アバター、良いなぁ!
サツキ : サクラちゃん、ご機嫌だねー!
「こうやって走ってると爽快ですもん! こう遠くから聞こえてるピーヒョロロロって鳴き声とか、なんかいいですよねー!」
これって何の鳴き声だっけ? 夜の間は全然聞こえてなかったけど、昼間になってから結構頻繁に聞こえてるんだよね。おじいちゃんの家に行った時によく聞いた覚えがある! 多分何かの鳥かな?
神奈月 : それはトンビの鳴き声だよなー。
サツキ : ここの昼間の空にいる自然のBGMになってるから、良い感じなんだよー!
ミナト : トンビはトビとも呼ぶことはあるね。一応戦闘になる事もあるけど、タカほどは襲ってこないんだよ。
「あ、そうなんですか!? あ、確かに上空に知恵あるトンビがいますね」
相当上空にいるし、Lv18だから無理に戦う必要もないかな? というか、あのトンビがいる高さはそもそも放電でも届かないような気がする?
「……根本的に、あの高さってどうやって攻撃するんです?」
放電ですら射程外なら、戦う以前の問題な気もする。咆哮も多分届かないよね。別に無理に戦わなくても良さそうだけど、戦う事もあるというならその手段も知りたいところ!
咲夜 : 自分が飛べる種族なら普通に飛んで戦うけど、ライオンで戦えたっけ?
チャガ : 手段はあるにはあるぞ。だが、面倒なだけでおススメな手段ではない。
咲夜 : あ、手段はあったか。
いなり寿司 : トンビが近くにいる時に、HPを半分以下まで減らした状態の敵への攻撃を止めれば、横から掻っ攫いにくるぞ。ただし、小さめの敵限定。まぁここのエリアなら大体どれも条件は満たすけど。
G : 鳶に油揚げをさらわれるってことわざに由来した行動パターンだったっけ。
「そういう行動パターンもあるんですか!? ピンポイントで横取りを狙う行動パターンになってる敵って地味に嫌ですね!」
まさかそんな敵がいるとは思ってなかったよ! でも、攻撃を止めなければ問題ないっぽい? 要するに掻っ攫っていく隙を与えなければ良いという事だね!
「そんな話をしてる間に大きめなカエルを発見です! 急加速、開始!」
Lv15の俊敏なカエルだけど、実験には丁度いいよね! 屈強が強化された私のライオンのただの体当たりをくらえー! あ、カエルがジャンプで逃げた!?
「躱されました!? でも、逃がしません!」
急加速から減速に切り替えて、さっき聞いた止まるんじゃなくて駆け抜ける方が良いというのも意識しつつ、方向転換!
おぉ、少し大回りにはなったけど、なんだか今までの方向転換よりも無駄が少ない感じにはなったよ! 今まではもっと大回りをしてたし、なんだか少し上達した気がして嬉しいね!
「もう一度、急加速での体当たりです! あ、また躱されましたよ!?」
うがー! またジャンプで躱されたー! このカエルは妙に素早いよ!? どうしても疾走だと小回りが利かないから、その部分が圧倒的に不利っぽい!
ミツルギ : 俊敏はちょっと相性が悪かったか。
いなり寿司 : このカエル、俊敏でも回避に寄ってるっぽいな。
富岳 : サクラちゃん、そのカエルは疾走からの攻撃は諦めた方がいいぞ。
「私もそんな気がしてきました……。えぇい、とりあえずもう一度です!」
疾走は使わない方向での攻撃に切り替えたいけど、まだ効果時間が残ってるからこれを削らないとどうしようもないもんね! うがー! また外れたー! 避けるんじゃなーい!
でも、これで疾走の効果時間は削り切った! そしてただ止まるんじゃなくて、勢いを残したまま駆け抜けるように方向転換!
「これ以上逃がしはしません! 『咆哮』!」
よし、カエルに咆哮が当たって萎縮になった! ここまで来たらもう勝てるよ! ちょっと予定とは違った順番になったけど、近接での攻撃スキルの威力を試すのです!
「一気に行きます! 『爪撃』『連爪』! わっ! かなり威力が上がってる気がします!?」
同じ進化の同じLv帯の個体と戦ってる訳じゃないから正確なところは分からないけど、今ので6割くらい一気に削れた! ふっふっふ、屈強のステータスはかなり効果が出てるみたいだね!
「それじゃこれでトドメです! 『噛みつき』!」
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
いぇーい! スキル3個の使用でLv15の敵が倒せたよ! ふっふっふ、やっぱり今の時点で屈強のステータスを大幅に増やした意味はあったのさー!
咲夜 : おー、Lv15の敵がこれくらいで倒せるくらいか。
ミツルギ : 『爪撃』と『噛みつき』が屈強でのスキルだから、特に影響が大きいしなー。
サツキ : この調子でどんどん進んでいこー!
「あ、そうなんですね! とりあえず次は改めて疾走での体当たりの威力を確認したいですね!」
でも、疾走は再使用時間中だから、普通に走って移動! 次は俊敏の敵は避けて、他のを探していこう!
あ、でもそろそろ配信時間も終わりが近いから、それを試したら〆にした方がいいくらいかな? うーん、西側までは配信中には辿り着けそうにないし、実況外でのプレイになりそうだねー。
「これで私のライオンがまた強くなりました!」
「おー、良かったね、サクラ」
「はい! 思いっきり進化ポイントを使って更に強化したいところです!」
「それは待とうか!?」
「思ってるだけで、自重してますから大丈夫です!」
「……それならいいけどさ」
「流石に最低限は残しておかないと進化が後回しになり過ぎますもん!」
「そのままちゃんと進化までは自重はしてね?」
「もちろんそのつもりです! 自重して偉いと褒めてくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「……それ、褒める事なの?」
「さぁ? どうなんでしょう?」
「……さて、次回は『第175話 違った戦い方』です。お楽しみに!」
「反応なしは止めてもらっていいですかねー!?」