第171話 次の進化へ向けて
エリアボスのタカへのリベンジは終えた! 正直、納得し切ってない部分もあるけども、それでも私の勝ちは勝ち! この丘陵エリアの覇者は私のライオンだー!
「うーん、進化とスキルやステータスの強化、どっちがいいですかねー? あ、その前に一度休憩です!」
噛みつきで少しHPは回復してたとはいえ、半分くらいになってるもんね。これからの方針を考える間にのんびりと寛いでHPを全快させておこう! えーと、この近くにはタカから身を隠したあの崖があるから、そこの陰で休憩!
G : 回復は重要だよなー!
ミツルギ : だなー。さて、進化かスキルツリーの強化か。このタイミングだと悩ましいところか。
ミナト : 新エリアに行かないなら、まだ周囲の進化が始まるまで時間はあるしねー。
サツキ : サクラちゃん、がっつりステータスを鍛えちゃおう!
神奈月 : まぁそこら辺はサクラちゃんの自由に決めたらいいだろ。
「なんだかサツキさんに言われると、進化にしたくなりますねー」
サツキ : え、サクラちゃん、なんでー!?
「冗談ですよ、冗談! あ、そういえば今何時ですかねー?」
少しだけ本当にそう思ったけど、ほんの少しだから大半は冗談! それはそうとして、大真面目に今は何時だろ? さっきのタカとの戦いって、回避をしてる時間が結構長かった気もするんだよね。もう完全に日が昇って、昼間になってるし。
咲夜 : あ、配信時間はもうあと20分くらいか。
金金金 : いつの間にか時間が経ってたなー。
「そうですねー。思ったよりも時間が経ってました」
うーん、これから進化して新しいエリアを目指すのもありだけど、今日の配信時間中にやるには残り時間がちょっと微妙? 今いる場所って割とエリアの真ん中辺りだし、どの方向を目指すとしても移動に時間がかかりそうだよね。
「よし、決めました! どこの方向に進むかを決めてから、そっちに移動しつつ進化ポイントを稼いでいく感じにしましょう! 進化は明日に持ち越しです!」
うん、未成体への進化は明日の配信のお楽しみで! 今進化したら、実況外での育成もやりにくくなっちゃうもんね。木の育成もやるけど、ライオンも育成するならその方がやりやすい!
イガイガ : お、そういう方向性か。
サツキ : それじゃどこに行くかを決めないとねー!
富岳 : ここに隣接してるエリアでまだ行ってない場所は、西側から1ヶ所、南側の西寄りで1ヶ所、南側の東寄りで1ヶ所だな。
金金金 : お、3ヶ所あるのか。どこもLv帯は同じ?
富岳 : 基本的に未進出エリアは、隣接してる進出済みのエリアの中で一番高いLv帯の一段階上のLv帯になる。まぁ今のタイミングなら出てくるのは未成体からだな。
ミナト : 行く順番によって到達した時の敵のLvは変動してくるんだよねー。
「あ、私の進出状況に合わせてそんな風に変化してるんですね」
そっか、今のこの丘陵エリアだと今まで来たエリアに戻るんじゃなければ、未進出のエリアに行くのは進化が必須っぽいね。
あ、でも今は草原エリアに戻る事も選択肢に入るよね? そっちに進むとどうなるんだろ?
「今の草原エリアの敵のLv帯ってどうなってるんですかねー?」
ちょっとだけ草原エリアには戻ったけど、具体的に敵のLvを見てなかったから少し気になってきた! あ、でも成長体Lv11以上になっててくれないと襲われるのが確定してるから、草原エリアに行く意味はない!?
ミツルギ : えーと、今の草原エリアなら成長体の低Lv帯くらい?
富岳 : 実際に見に行ってみないと何とも言えんが、まぁここよりは低いのは確実だな。
金金金 : 草原エリアに戻って、そこから未進出エリアに行けばどうなる?
「あ、それは私も気になりますね!」
草原エリアに戻ってもLv差の問題で戦えなさそうだけど、その先の私が行ってなかった方向に進んだらどうなってるのか気になるよ! 昨日、ちょっとそういう話をした気はするけど、確か時間を飛ばした方が良いとか言ってた気がする!
富岳 : その辺はエリアの広さにもよるんだが、まぁ基本的に今いる場所と同じくらいだと思えばいい。一度時間を飛ばせば、未成体へ進化が始まるくらいか。
イガイガ : エリアが広かったら、その分だけ出てくる敵のLv帯が広がるんだっけ?
ミナト : うん、そうだねー! ただ、進化すると下位の進化階位の敵からの進化ポイントの入手に制限がかかるから、そこは要注意!
「あ、そういう感じになるんですね! そういえば成長体に進化した時に、幼生体から貰える進化ポイントに制限がありましたっけ?」
制限があったのは覚えてるんだけど、具体的な制限ってどんなのだっけ? あ、もしかして……まだ未成体に進化してないからヘルプには追記は無かった! でも『成長体への進化後における進化ポイントの取得について(イージー)』は見つけたもんね! 多分だけど未成体になったら、ヘルプへ同じような追記があるはず!
サツキ : そのヘルプの項目、自分では中身を見た事ない!
咲夜 : そういやこれって進化階位が上がる度に出てくるんだっけ?
ミツルギ : まぁほぼ内容は変わらんけどなー。
「あれ? 内容ってそんなに変わらないんです?」
ミツルギ : 表記のLvと進化階位が変わるだけで、それ以外は基本的に同じなんだよ。未成体に進化した時のなら、未成体Lv5になるまでは成長体Lv19以上の成長体からでも進化ポイントは手に入る。
神奈月 : あー、そういやそうだっけ。
咲夜 : そこでどうしても進化ポイントを溜めたい状況ってのも、そんなにないもんな。
いなり寿司 : 進化したてだったら、同じ進化階位の敵相手に力試しをしたいところ。
「あ、言われてみれば確かにそうですよねー!」
倒せてなかったエリアボスを倒す為とかじゃなければ、進化ポイントの乱獲以外にはメリットはないもんね。そして進化したばっかなら、その力を同格の相手で試したい! 雑魚相手の無双はそれはそれで楽しいけどねー!
「さてと、話してる間にHPは全快しましたし、いつものあれで目的地を決めていきましょうか!」
もう恒例となってきた、悩んだ時のいつものサイコロタイム! 何度もやってきてるし、どうやったってどの方向の新エリアに向かうか悩むのは確定してるんだから、初めからこれで決める事にするよ!
サツキ : サイコロでのランダムタイム、開始ー!
咲夜 : もう完全に定番コーナー!
金金金 : それでこそサクラちゃん!
真実とは何か : サイコロの出目が、サクラちゃん行くべき真実を決める!
私にもどこになるかが分からない、運任せの目的地決め! さーて、今回はどの方向に向かって進む事になるのかな?
「それじゃ配信用のVR空間に切り替えますねー!」
という事で、モンエボから配信用の和室へ移動! うふふ、折角作った和室だから、そこを使いたいという気持ちもあるんだよねー! とりあえず和室のVR空間へと移動完了!
「さてさて、サイコロの準備です!」
さっさと立ち上がって、箪笥の中からサイコロを取り出す感じでやっていくのさー! こうなってくると、やっぱり早めに賭場の演出が欲しいとこだよね。
ミツルギ : 今のうちにどの出目で、どこにするかを決めとくか。
いなり寿司 : それもそうだなー。
イガイガ : サクラちゃん、今回の候補はどうすんの? 前のエリアに戻って、そこからの別エリアへの移動は選択肢に含む?
「……そうですね」
うーん、草原エリアまで戻って全く別の方向にも行けそうだし、それも面白そうだとは思うんだけどねー。昨日もそれで少し悩んだけど、やっぱり戻る方向で進むのは無しでいこう! 未進出のエリアが前になるのなら、前進あるのみさー!
「戻るのは無しの方向でいきます! 戻るとしたら、進んできたエリアから行ける未進出のエリアが無くなってからですねー!」
イガイガ : お、そういう基準か。
サツキ : ひたすら前進あるのみ!
ミツルギ : えーと、それなら出目が1か2なら西側から、3か4なら南側の西寄りから、5か6なら南側の東寄りからでいいか?
咲夜 : さて、今度はどこに向かって行く事になるのか……。
真実とは何か : その真実は、これより明らかになる!
「はい、その選択肢で大丈夫です! ミツルギさん、整理ありがとうございます!」
さてとサイコロは持ってきたから机の前に正座に戻る! そういえば配信の待機中に出した巻物がそのままだけど……まぁいいや! 困る人は誰もいないし、そのまま配信の終わりまで出しとこ。
そして忘れないように視点を私のものに変更! これをしてないと、皆さんが出目がどうなったか分からないもんね! うん、切り替え完了!
「それじゃいきますねー! えいや!」
サイコロを手に握り、机の上に向かって転がすのです! 出目は何が出るかなー? サイコロがコロコロと転がって……ちょっと待って、そのまま行くと机の上から落ちるよ!?
咲夜 : またサイコロが行方不明になるのか!?
ミナト : あらら、落ちちゃったね?
富岳 : 今の落ち方だとそれほど勢いはなかったし、すぐ下に転がってるんじゃねぇか?
「あ、そうかもしれないです! すぐに確認しますねー!」
この前みたいに盛大に変な方向に吹っ飛んではいなかったから、多分富岳さんの言ってる通りすぐ下に落ちただけのはず! うぅ、再現しようと思った時には全然再現が出来なかったのに、なんでこういうタイミングだとこうなるのー!?
「進化は次の配信にするんだね?」
「はい、そうしました!」
「そして、またこれなんだね……」
「そうですよー! 定番になってきましたね!」
「サイコロ自体はもうそれでいいけど……」
「変なとこに飛んでいったのは、サイコロの責任です!」
「凄い所に責任転嫁してきたね!?」
「決して私のせいではありません! そう思ってくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「だから、それを同意を求めるのに使わないで!?」
「さて、それでは作者さん、次回の予告をお願いします!」
「そういうスルーの仕方!? ……たまにはサクラが言ってみる?」
「え、良いんです?」
「まぁ別に特に問題はないしね。はい、これ」
「わーい、このカンペは初めてだー! えっと、次回は『第172話 次に目指す方向は』です! 私の活躍をお楽しみに!」
「……活躍?」
「なんでそこで不思議そうな反応なんですかねー!?」