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第166話 採集をしてから


 ミナトさんが採集が出来る赤い果物を見つけてくれたから、採集をしに出発だー! 少し距離があるけど、疾走までは使わなくて良さそうかな? 割と急な斜面にはなってる高台の上だけど、多分登れるはず!

 この辺ってここまで来る時にも通ったはずだけど、向かう方向が逆だと景色も随分違うんだねー! 来た時には視界に入らない位置だもん。


「あれって野イチゴと毒の実、どっちですかねー?」


ミナト : んー、流石にまだ距離があるから分からないねー。その2つ、遠くから見ると見分けが難しいからさー。

富岳 : あぁ、ミナトさんでもこの距離では分からないのか。

ミツルギ : なんだか少しホッとした。

イガイガ : ミナトさんでも出来ない事はあるんだな。

ミナト : 私だって、物理的な距離で見えないものは分からないからね!?


「確かに見えないものだと、判別は出来ないですよねー!」


 ミナトさんでも分からないなら、どうやってもこの距離からは分からないやつ! まぁ近くに行けば普通に分かるだろうから、今は焦らずに採集しに行けばいいや! でも、それで採集出来るアイテムって分かるもんなんだ? 何か採集出来るアイテムの見分け方とかあるのかな?


 あ、高台への急斜面を上り始めたら様子が見えてきた! 野イチゴより小さい粒で見覚えがあるよ!


「あれは毒の実っぽいですね! これ、タカにぶつけたいです!」


 毒の実は投擲の弾になるって話だし、これから挑むエリアボスのタカへの攻撃で有効な手段にはなるよね! ふっふっふ、ここでこれを見つけたという事は、私にタカへ使えという事!


咲夜 : でも、投擲で当てられるか?

サツキ : 麻痺で落としてから、ぶつけたら良いんじゃない?

咲夜 : あ、それもそうか。

イガイガ : ライオンで投擲とか早々使わないからなー。


「でも、この投擲って結構便利ですよ?」


 ただの偶然で手に入れた投擲だけど、なんだかんだで便利に使ってるもんね! 正直、遠距離攻撃としては放電の方が優秀な気もするけど!


富岳 : ライオンというか、四足動物での投擲は割と制限がかかってるぞ。

チャガ : 投擲が向いてるのは、二足歩行が出来て立ち上がれるタイプの種族だしな。


「そういえばそんな話を少し前にしてましたっけ。あ、でもライオンって正直投げてないですもんね」


 投げるというよりは弾き飛ばしてる感じだし、投擲という名の何か別のものになってるもんね! 投擲に向いているのは、要するに弾をちゃんと掴める種族って事なのさー!


「そういえば、投擲を使ってくる敵っているんです?」


 まだ遭遇した事はないけど、存在自体はしてそうな気がする! 遠距離攻撃で羽根を飛ばしてくる鳥がいるんだから、多分いそう!


ミツルギ : おう、いるぞー!

富岳 : 器用のスキルツリーの中に、普通に投擲がある種族もいるからな。

咲夜 : サルとかリスとかイタチとか、そういう感じのが使ってきたっけ。

ミナト : 一部、変則的なので小鳥とかでも使うのはいるかなー?

イガイガ : あー、そういやそういうのもあったな。


「おぉ、やっぱりいるんですね! ドングリを投げてくるリスとかいたら、可愛い気もします!」


 小さな体で一生懸命投げてる様子とか見てみたい気もする! 多分、そのうちどこかで遭遇すると思うから、その辺は楽しみにしておこー!


「さて、話してる間に高台の上に辿り着きましたね! それじゃ毒の実を採集していきます!」


 ふふーん、急斜面だったけど私のライオンが踏破出来ないような場所ではなかったのです! 目の前にあるのは毒の実だけで、回復に使えそうなのはないねー。回復用のも欲しかったけど、毒の実だけでもありがたいよ! 採集、採集!


金金金 : 満面の笑みを浮かべる狐っ娘アバター。ただし、採集しているのは毒の実。

神奈月 : まぁ毒の実は上手く使えば便利だしなー。


「毒は凶悪ですもんねー! さて、採集完了です!」


 とりあえず毒の実は10個ほど手に入ったから、大収穫だね! そういえば毒の実をまともに採集出来たのってこれが初めてだー!? うふふ、どの程度の効果があるのかが今から楽しみ! 首を洗って待っててくださいよ、あのタカめ!


「それじゃ移動再開……わぁ! 朝日が昇ってきてますよ! 朝焼けです!」


 わー! いつの間にか朝日が昇る時間になってた! 高台の上にいるから、良い感じに朝日が昇ってくる様子が見えるね! これが今日のサムネイルでも良い気がしてきた! とりあえずそれを決めるのは後でするとしても、スクショを撮るだけ撮っておこうっと! スクショを撮るぞー! ……うん、撮れた!


「それにしても、もう19時半が近いんですね」


 そんなに時間は経ってない気分だったけど、思った以上に時間が経ってたみたい。タカとの戦闘を終わらせて、進化まで行けるかなー? うーん、実際にやってみないと分からないや。


ミツルギ : まぁ休憩したり、スキルツリーの解放をしたりしてたからなー。

サツキ : 乱戦にもなってたしねー!

いなり寿司 : タカとは長期戦になりそうな予感がするし、今日はそこまでか?

イガイガ : サクラちゃん次第だろうなー。

ミナト : 放電での麻痺か、咆哮での萎縮が入るタイミング次第になるだろうねー。

富岳 : いかにタカの攻撃を掻い潜って、動きを封じるかが重要か。


「どうやってタカを地面に落とすかは大事ですもんね!」


 一度地面に落としてしまえば、雷纏いを使って麻痺させ続けて倒し切ればいいはず! 1分間で倒し切れるかが問題だけど、そこは実際に戦ってみないとなんとも言えない! まぁ今考え過ぎても仕方ないし、サクッと移動していこー!


「さてと、途中であと2体くらいは倒しておきたいんですけど、丁度いいのはいますかねー? 『看破』!」


 いつの間にか看破の効果時間が切れて再発動時間も過ぎてたから、再発動! 出来ればLvが離れてて、戦闘の負担にならない敵がいると良いんだけど……。


「あれ? なんか高台の下でタカに襲われてるイタチがいませんかねー?」


 えーと、Lv15の屈強なタカがLv9の屈強なイタチに襲い掛かってる感じかな? これは私にとっては絶好のチャンスじゃない!? あ、イタチがもう死にかけてる!?


ミナト : あ、ホントだね。

金金金 : これは絶好のチャンスか!

ミツルギ : 日が昇って、タカが出現し始めたか。

サツキ : サクラちゃん、強襲だー!


「はい、これは狙うしかないですね! まずは死にかけてるイタチを仕留めます! 『投擲』!」


 うふふ、進化ポイントが欲しいだけだから、敵のLvは関係なーし! くたばれー! そして私に進化ポイントを渡すのです!


ミナト : サクラちゃん、それはちょっと待った!

富岳 : 狙うのはタカだけに……あぁ、もう遅かったか。

サツキ : え? なんで止めるの?


「え、なんでです?」


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


 ん? なんでミナトさんが止めてきて……あー!? Lv10以上離れた敵って、今の私が倒したらマズいやつだー!? 完全に忘れてた!


「ぎゃー!? 『疾走』!」


 ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待って! 忘れてただけだから、お願いだから、どこからともなく現れた未成体の強烈なネズミさん、今は見逃してー! 進化したら倒しに行くとは言ったけど、その前にまた会う予定はなかったんですよー!


「急加速してるのに、普通に追いついてくるんですけど!? ぐふっ!?」


 横から思いっきり引っ掻いてきたよ!? わっ、HPが今ので半分以上削られた!? うぅ、ネズミの攻撃の威力が高いし、勢いもあって走ってられない! うぅ、盛大に転んでHPが更に削れたー!?


咲夜 : あー、これは死んだかな?

ミナト : ……あはは、見つけた時点ですぐに言っておけばよかったね。

金金金 : サクラちゃん、絶好のチャンスとか言ってすまんかった……。


「金金金さんが悪い訳じゃないので、そこは気にしないでください! がふっ!?」


<サクラ【器用なライオン【雷】】が死亡しました>

<死亡した為、ランダムリスポーンとなります>

<『死亡還元』の効果で、進化ポイントを1獲得しました>


 盛大に転倒した私のライオンに目掛けて、ネズミが爪を振り下ろしてきて、殺された……。うがー! これからエリアボスのタカに挑もうとしてたのに、なんでこうなるの!?


「なんか地味に進化ポイントが手に入ってますね。微妙な心境ですけど……」


 地味に低確率な死亡還元の効果が出たのは良いはずの事だけど、そもそもこのタイミングで死ぬとは思わなかったよ!  なんでこうなったのー!? うん、私のミスだよね! このミスは痛いなぁ……。


サツキ : サクラちゃん、ドンマイ!

富岳 : まぁ今のは仕方ない。

ミナト : サクラちゃん、気分を切り替えてやっていこー!


「はい、そうする事にしますねー」


 凹んでいても仕方ないし、ここは気分を切り替えてエリアボス戦に備えないとね。とりあえず『身構え』を取得できるだけの進化ポイントは手に入ったから、そこの解放をしようっと。


「……やらかしました」

「あーうん、ドンマイ!」

「うがー! 格上の敵が明確な殺意で殺しに来るって酷くないですかねー!?」

「それ、乱獲してる場合に自分に適応される話だからね?」

「それはそれ、これはこれです! 別にゲームなんだから良いじゃないですか!」

「いや、ゲームだから駄目なんだけど。無制限に格下の乱獲が可能にしたら、バランスが崩壊するからね?」

「うぅ……ゲームバランスの問題なんですか……」

「うん、そういう事」

「そんなもの取っ払っちゃいましょう! 良いじゃないですか、バランス崩壊!」

「全然良くないから!?」

「ゲームバランスとかどうでも良いのです!」

「……超絶難しくて、クリア者0名のバランスでも?」

「それは単なるクソゲーですね!」

「スキルツリーの全開放が楽勝なのも、それはそれでクソゲーだからね!?」

「はっ、そうなるんですか! ゲームバランスって難しいなーと思う方はブックマークや評価をお願いします!」

「なんか盛大に誤魔化そうとしてるような……?」

「いえいえ、ゲームバランスは大事ですね!」

「……まぁそういう事にしておこうか。さて、次回は『第167話 油断の先には』です。お楽しみに!」

「油断はしないように気を付けましょう!」

「……今回調子に乗って、油断したサクラがなんか言ってる」

「あー、あー、聞こえません!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 格好の獲物を見つけた時こそ、周りの確認だね~
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