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第162話 乱戦の中で


 うがー! 生命の蜜柑が、根で突き刺したスズメから思いっきりHPを吸い上げてるー!? それは私の進化ポイントだー! でも噛みつきが発動中だし、どうやって止めよう?


「あ、別にこのまま突っ込めばいいだけですね!」


 カブトムシを咥えたまま、地面から伸びてる根に体当たり! おぉ、蜜柑の木が麻痺になって、突き刺していた根に力が無くなってスズメを落としたよ! 経験値は期待できない気がするけど、とどめだー!


「スズメはこれで終わりです!」


 咥えたカブトムシを構えて、その角で突き刺すようにスズメに攻撃! 自分で直接攻撃してもいいけど、これだったらカブトムシにも少しだけどダメージがあるもんね! よし、スズメのHPはこれでなくなった!


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


「むぅ……そんな気はしてましたけど、経験値はあんまりないですね」


ミツルギ : まぁ今のは仕方ない。

神奈月 : 進化ポイントになっただけでも良かったぞ。

G : ふはははは! これぞカブトムシの武器としての強さ!

咲夜 : ……それでいいのか?

いなり寿司 : いいんじゃね?


「確かに咥えて攻撃に使うには、今のところカブトムシが一番使いやすいですねー! 角が良い感じの武器になりますし!」


 それに今回は堅牢なカブトムシだから、これまでよりもダメージが出やすい感じ! でも、そろそろ噛みつきの効果が切れるから、この利用方法は終わりだね!


「さーて、それじゃこうですね! えいや!」


 うふふ、無防備な根を晒しているところに思いっきりカブトムシを突き刺してみる! あ、少しだけ刺さったけど、完全には刺さってくれてないね。


「うーん、突き刺すには鋭利さが足りませんね。ならこれでどうですか! 『振り回し』!」


 カブトムシの角の先は少しだけど、蜜柑の根には突き刺さってる。だから、そこから更に力を加えたら刺さるかも! という事で、爪を振り下ろす感覚で振り回しを発動して、カブトムシを蜜柑の根にもっと突き刺す!


「おぉ、成功です! カブトムシの角で、地面に根を縫い付けました!」


 ふふーん! 無駄に丈夫なカブトムシはあれだけやってもまだHPが半分も残ってるけど、蜜柑の木は今ので結構弱ったよ! スズメのHPを吸い取ってほぼ全快状態から、8割までは減ったのです!


咲夜 : うわー、カブトムシで蜜柑の根を串刺しに……。

チャガ : 本当にカブトムシが武器だな。

富岳 : 運のないカブトムシだな。

サツキ : サクラちゃん、スクショは撮らないのー?


「あ、これはスクショを撮ってた方がいいかもですね!」


 咥えた状態だとカブトムシがスクショに写らないから、撮るなら今がチャンス! 私の戦闘に大活躍してくれているカブトムシは今日のMVP候補として残しておかないと! スクショを撮るぞー! ……うん、撮れた!


金金金 : 今日のサムネイルは何になる?

富岳 : 今のところ、タンポポの攻撃の身代わりにされたトカゲか、ヘビの攻撃の身代わりにされたウサギか、この武器扱いされているカブトムシか……。


「どれにするかは、保存する時に決めるつもりですねー! まだ今日は何があるかわかりませんし!」


 さてと、ここからどうしよう? どっちの麻痺もそう長くは続かないし、どっちかは早めに仕留めておきたいよね。雷纏いの効果時間の問題もあるから、ここはカブトムシを優先かな?


チャガ : こう並べてみると、武器扱いが一番マシか?

ミツルギ : 敵同士を戦わせるのは割とやる事ではあるけど、武器代わりにするのは早々ないのがなー。

ミナト : およ? 乱戦の時とか、吹っ飛ばして一気にまとめて仕留めたりしない? 敵の種類にもよるけど連鎖的に倒れまくって、結構ダメージ稼げるよ?

咲夜 : それが出来る程の敵の数、普通は死ぬから!?

ミツルギ : 相変わらずとんでもない内容をサラッと言うよな、ミナトさん!?


 なんだかミナトさんが相変わらず無茶な事を言ってるみたいだねー! でもそういう手段も……あ、良い方法を思いついた!


「こういうやり方はどうですかねー!? えいや!」


 カブトムシの角が地面にまで突き刺さってるけど、刺さってる根を咥えて、角を地面から引き抜く! うん、引き抜けなかったら目論見は失敗だったけど、ちゃんと引き抜けた!


咲夜 : え、折角地面に突き刺さしたのに、なんでわざわざ引き抜く?

イガイガ : 折角、麻痺以外でも動きを制限できそうなのに?


「ふっふっふ、それはこうする為です! 『体当たり』!」


 咥えた根を上に投げ飛ばすようにして、そこに突き刺さってるカブトムシと根をまとめて幹の方に向かって吹っ飛ぶような感じに体当たり! よーし、カブトムシの角で根を幹に縫い留めた上で突き刺す事に成功! ただ、流石に刺さり方は甘かったね。


神奈月 : あー、そういう……。

咲夜 : そんな手段あり!?

ミツルギ : ありではあるよなー。やった事はないけど。

サツキ : やるね、サクラちゃん!


「そこから再使用時間が過ぎたばっかりのこれで追撃です! 『爪撃』『連爪』!」


 狙うのはカブトムシで、更に幹に刺し込むのです! 堅牢でダメージが通りにくいのを利用させてもらうのさー!


「良い感じで刺さってくれましたね! カブトムシにはそのまま根を封じておいてもらいましょう!」


 まだカブトムシのHPは2割くらい残ってるし、これで当分は動けないと思う! 生命で進化してる蜜柑の木は回復してくるのが分かってるし、先に回復を潰すのさー! 今の一連の攻撃で蜜柑の木のHPも半分は切ったもんね!


G : カブトムシの角は釘じゃないから!

イガイガ : さっきまで武器として誇ってたのに!?

いなり寿司 : ……言いたくなる気持ちは分かるけどなー。


「あ、雷纏いの効果が切れましたね。とりあえずこれで追撃です! 『投擲』!」


 うーん、流石に1分じゃ格上4体全部を倒し切るには時間が足りなかったみたい。でも、まだ麻痺は効いてるから、根に石を弾き飛ばして攻撃! うふふ、カブトムシが突き刺さって完全に止まってるから狙いやすいよ! これで蜜柑の木の残りHPは4割!


「ここまで優勢なら、これで決めましょうか! 『獅子咆哮』!」


 麻痺が解除になっても、蜜柑の木もカブトムシもお互いが邪魔になって争いそうだもんね。その間に溜めて、まとめて仕留め切るのさー!


神奈月 : これ、改めて考えてみたら、凄い良い感じに威嚇が機能してる?

ミツルギ : あ、そういやそうだな。

チャガ : 最初の段階で集っていたのを散らしてなければ、流石に厳しかっただろうしな。

いなり寿司 : 少しのLv差なら、数の暴力で簡単に死ねる。

富岳 : ある意味、これまでで一番真っ当な威嚇の使い道か。


「富岳さん、その言い方は今まで真っ当に使ってないって言われてるような気がするのは気のせいですかねー!?」


 あ、でも威嚇で敵を集めて死にまくってる方が多い気がする? いやいや、あれだって立派な使い方なのですよ! 威嚇の効果の出方が違うだけで、性能通りの動きはちゃんとしてるもんね!


「あ、麻痺が解けたみたいですね。おー、カブトムシが暴れまくって、蜜柑の木のHPがちょっとずつ削れてます!」


 よーし、角で根と縫い留めるカブトムシというこの場面もスクショを撮っておこう! こっちの方がさっきのよりもより頑張ってくれてる感じがあるしね! スクショを撮るぞー! ……うん、撮れた!


金金金 : これって、蜜柑の木は他の根で攻撃は出来ないのか?

ミナト : うーん、それはスキルによるかな? 1本しか根を使わないスキルならこういう形で封じられると狙いの指定がまともに出来なくなるから、実質使用不可だけど。

イガイガ : あ、樹液を出し始めた。

いなり寿司 : 残念だが、威嚇の効果中だから寄ってくる可能性は低い。

咲夜 : この状況なら寄ってくるのは低確率だから、心配いらないだろ。

ミナト : 来たとしても、この状況からならサクラちゃんの方が圧倒的に有利なのは変わりないね。


「あ、そうなるんですね!? 今回、本当に大活躍な威嚇です!」


 うふふ、こういう形での活躍は想定してなかったけど、本当の本当に今回の威嚇は大活躍してるみたい! 蜜柑の木、私やカブトムシを倒そうと他の敵を呼び寄せようとしても無駄なのですよ!


「さーて、溜めも終わりました! これがトドメの獅子咆哮です! いっけー!」


 狙いは幹に刺さって暴れまくってるカブトムシと、カブトムシによってHPが3割くらいまで減っている蜜柑の木! もちろん、カブトムシが刺さってる根を中心にして発動なのさー!


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


<成長体を撃破しました>

<進化ポイントを1獲得しました>


 ふっふっふ、獅子咆哮が見事に直撃して両方とも倒し切れたよ! ただ、Lv20までにはちょっと経験値が足りなかった感じだねー。あと1体くらい倒せばLv20になりそうな感じ!


「カブトムシと蜜柑の木、撃破完了です! さーて、次の敵を……ぐふっ!」


 え、ちょっと待って! なんか腹部の方から何度か連続して衝撃があったんだけど、これって何かに奇襲を受けたの!? あれ? 敵はどこ!?


咲夜 : えぇ!? 低確率の方を引いた!?

ミツルギ : そういえばさっき、咲夜さんが心配はいらないって言ってたよな。

イガイガ : ……確かに。

富岳 : それがフラグになったか。

サツキ : 咲夜さん、何か操作してなーい?

咲夜 : どうやってだよ!?

ミナト : そんな事を言ってる場合じゃないよ。サクラちゃん、まずは慌てずに敵の確認!


「は、はい! 『看破』! あ、Lv20の俊敏なバッタですか!」


 うがー! 倒し終わったばかりだと思ったら、思いっきり襲い掛かってこられたよ! でも、あと1体でLv20になりそうなんだし、探しに行く手間が省けたね!


「Lv20までの最後の敵との戦闘開始ですね!」


 再使用時間を待たなければいけないスキルも多めだし、HPも7割くらいまで減ってるけど、なんとか頑張って倒していくのさー! 


「乱戦が終わりませんでしたよ!?」

「ん? 乱戦自体は終わったよね?」

「……1対1にはなりましたけど、終わったんです?」

「そこって重要?」

「……特に重要でもなんでもないですね」

「なら、それでいいよね」

「それもそうですね! 今大事なのはバッタの撃破です!」

「サクラ、頑張れー」

「はーい! 私、サクラを応援してくれるという方はブックマークや評価をお願いします!」

「あ、今回はシンプルだね」

「真面目と言ってもらってもいいですかねー?」

「さて、次回は『第163話 バッタとの戦い』です。お楽しみに!」

「露骨にスルーしないでくださいよ!? あ、次回も頑張ります!」

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― 新着の感想 ―
[一言] ガンバれ~(//∇//) バッタ←え
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