第160話 悩むスキルツリーの解放
うーん、今の耐久性を上げる為に解放するスキルの候補は3つ。『再生強化Ⅰ』と『捕食回復Ⅰ』は耐久性というよりは回復を強化するパッシブスキルだから、防御用のスキルとしては『身構え』だけだよね。
他にも色々とまだ詳しく見てないスキルはあるけど、今の目的とは合致しないからスルー! すぐに使えるのは第2段階にある『身構え』になるんだよね。『再生強化Ⅰ』と『捕食回復Ⅰ』は第4段階でのスキルだから、どっちを取るにしてもその前の第3段階の『生命+30』になる。でも単純に生命を増やすのもありなはず!
「これは悩みますね……」
後から全部取った方が良い気はするけど、今は優先順位を決めていかないと駄目だよね。余分に使えるのは進化ポイント5。進化に必要な45は残しておかないと……。
金金金 : 悩み顔の狐っ娘アバター。
ミツルギ : まぁ悩む気持ちは分かる。
G : スキルの取得は、醍醐味だしなー。
ミナト : サクラちゃん、今は無理に使わずに後でまとめてって手段もあるよー?
「あ、そういう選択肢もありますよね」
言われてみたら、今すぐ絶対に取らなきゃいけない訳じゃないんだ! うーん、でも取りたい気分になってるんよね。ここは悩んでも決めちゃいたい!
「うーん、でもやっぱりどれかは取りたいですねー」
咲夜 : これはまたあれの出番か?
イガイガ : 悩んだ時のいつものあれか。
G : 定番化してるなー。
いなり寿司 : 定番化というか、もうこっちから要望を出してね?
富岳 : まぁ確かに。
サツキ : 悩んだ時のサイコロタイムだー!
おぉ、皆さんからサイコロでの要望が出てきてるねー! うん、下手に悩みまくっても決まりそうにないし、要望があるならそれでいこう! 寛いでいる時はHPの回復は早めだし、もう8割を超えたくらいまでは回復してるもんね。これ以上は変に時間をかけすぎない方がいいはず!
「それではご要望にお応えして、サイコロで決めていきましょう!」
という事で、一旦モンエボの画面から配信用のVR空間へと切り替え! さーて、今回もサイコロでの運任せ決定をやっていきましょうー!
ミナト : サクラちゃん、今日はサイコロを変な方向に吹っ飛ばさないようにねー!
イガイガ : そういや実況外のプレイ動画の最初、なんでサイコロの吹っ飛ぶ様子の再現をしようとしてたんだ?
真実とは何か : サクラちゃんだからというのが真実である。
あ、そういえば昨日はそんな事もしてたっけ? うーん、なんであれやったんだろ? ただの気まぐれでやっただけのはずだった気がする! とりあえず配信用の和室のVR空間に切り替え完了!
「特にあれは意味はないですねー!」
咲夜 : 意味ないんかい!
神奈月 : あれに意味がある方が驚くけどな。
「まぁそこは良いので、早速始めていきましょう!」
いつまでも昨日の無意味な事を気にしても仕方ないし、箪笥の中からサイコロを取り出してこようっと! 今日は変な風にサイコロを転ばさないように気を付けよー!
ミツルギ : 今回は出目が1か2なら『再生強化Ⅰ』、3か4なら『捕食回復Ⅰ』、5か6なら『身構え』ってとこか?
イガイガ : 厳密には『再生強化Ⅰ』と『捕食回復Ⅰ』はその前提になる『生命+30』だな。
ミツルギ : あ、そういやそうか。
咲夜 : さーて、今回はどうなるか。
「今回の選択肢はそんな感じですね!」
サイコロを箪笥の引き出しから取り出す感じで持ってきて、机の前に戻ってきた! さーて、サイコロでの運任せを開始なのさー! あ、その前に私の視点に切り替えて、準備完了!
「それじゃいきますよ! えいや!」
おぉ、今回は変な方向に吹っ飛んでいかずに机の上でちゃんと転がってくれたね。どうせなら、変な方向に行ってくれた方が面白かった気もする? まぁそれは仕方ない!
「あ、4が出ましたね! という事は、『捕食回復Ⅰ』の前提になる『生命+30』の方で決定です!」
咲夜 : 『捕食回復Ⅰ』になったか。
G : 今取るのは『生命+30』だけどなー。
ミナト : 次に進化ポイントが足りるようになった時点で『捕食回復Ⅰ』を解放だねー!
「はい、そうなりますねー! それじゃモンエボの方に戻しますねー!」
何をするかに迷った時にはサイコロで決める方が早い! 無事に何を解放するかを決まったし、サクッとモンエボの方に戻していこー!
という事で、モンエボの方に戻ってきた! それじゃ生命のスキルツリーに表示を戻して、解放をやっていこー! 今回はスキルは増えないけど、その次に第4段階が解放出来るまでの進化ポイントの余裕が出来た時に『捕食回復Ⅰ』を解放しないとね!
サツキ : そういえばサクラちゃん、今の段階で生命っていくつ?
咲夜 : あ、そういやいくつだ?
いなり寿司 : いや、表示されてるからわかるだろ。
富岳 : 今の時点で生命は490か。
そういえばHPゲージに数値も表示はされてるけど、ゲージの量で確認してるから具体的な数値は把握してなかった! いつの間にかそこそこ増えてて今は490もあったんだね!
「ここに+30は大きいですねー!」
うふふ、Lv1上がれば+10ずつ増える生命だけど、Lv3分も一気に増えるんだからこうやってステータスを解放していくのも大事なんだね!
未成体に進化したら、全部のスキルツリーの第3段階までのステータスは全部解放していこうかな? んー、とりあえずそれは実際に進化してから考えよ! 今はともかく決めた分の解放から!
<『生命』第3段階:ステータス強化『生命+30』を解放しました>
「これで生命のステータス強化が完了です!」
これでHPが520になったし、少しではあるけど死ににくくはなったはず! あ、増加した分って現在のHPまで増える訳じゃないんだね。むぅ、折角ならその分だけ回復してくれたらよかったのになー。まぁいいや!
「さて、まだ全快ではないですけど、もう戦っても大丈夫なくらいには回復しました! Lv20まで残りLv1、頑張って上げていきますよー!」
金金金 : ファイトだ、サクラちゃん!
サツキ : サクラちゃん、頑張れー!
富岳 : 成長体も大詰めか。
ミナト : サクラちゃん、エリアボスのタカにはリベンジするんだよね?
「あ、はい! そのつもりですね!」
相性としては圧倒的に私のライオンが不利かもしれないけど、あのタカは進化前に絶対に倒す! あのタカに負けたままって悔しいもん!
「倒す手段が全く無いなら流石に諦めますけど、私には放電がありますからね! 意地でも倒してみます!」
Lv20になった時点で即座に進化して、それから倒しにいくのが確実だとは思う。思うけども、それじゃ勝った気がしないもんね! だから進化する前に挑むのさー!
咲夜 : タカを倒す気満々だな。
チャガ : 場合によっては、進化前に色々解放する為の進化ポイント稼ぎもありか?
富岳 : あぁ、その手もありだな。時間を飛ばす訳じゃないから、周囲で進化が発生し始めるまでは大丈夫だろう。
ミナト : さっきの候補を全部手に入れてから、タカに挑むのもありかもね?
「あ、そういう手段もありなんですね!」
Lvが上限になってるから経験値としては全然ダメだけど、進化ポイント稼ぎはありだよね! 進化を止めてずっと進化ポイント稼ぎばっかは面白くないし、多分出来なくなるタイミングも来るだろうけど、タカと渡り合う為に強化するのはありかも!
「というか、成長体に進化した時みたいに周りも進化を始めるんです?」
ライオンが成長体に進化した時は、時間を飛ばしちゃってその辺の事ってよく分かってないんだよね。その部分は多分同じだと思うから、今のうちに確認だー!
ミツルギ : おう、始めるぞー! 前回はすぐに時間を飛ばしたから一気に進んだけど、本来ならプレイヤーの上限Lvに上がってから、しばらく経った頃に進化が始まるな。
富岳 : 進化ポイントを稼ぐなら、そこら辺がタイムリミットだ。
サツキ : あ、そういう仕組みだったんだ! 進化の為に焦って進化ポイントを稼いでて、周りで進化が始まってどうなってるんだろうって思ってた!
金金金 : なるほどなー。どっちかというと、進化の為の進化ポイントが足りない時の猶予期間ってとこか?
ミツルギ : おう、そういう感じだ。
G : そこまでやり込んでなければ、タイムリミットとして把握し切ってない事もあるか。
「なるほど、そういう感じになるんですね!」
そっか、姉さんは数種族くらいでそこまでやり込んでないって言ってたもんね。進化の為の進化ポイントを稼ぐ猶予期間になってるみたいだけど、そこまでに進化に必要分だけ確保してれば余裕をもってスキルの解放が狙えそう! うん、無駄に使い過ぎなくてよかった!
「まぁその辺を考えるのはとりあえずLv20になってからですね!」
さーて、あんまり先の事ばっかり考えてても仕方ないから、今は今の目的を頑張るのさー! とりあえずLv20になった時に『捕食回復Ⅰ』を解放出来るだけの進化ポイントが手に入ればいいなー! 第4段階だから解放には進化ポイント7が必要だけど、倒す敵の数次第では達成できるかも?
ミツルギ : 確かにそりゃそうだ。
イガイガ : まずはLv20を目指すとこからだな。
サツキ : サクラちゃん、ファイトー!
「はい、頑張っていきますねー!」
さーて、それじゃLv20に上げる最後の追い込みのLv上げを開始なのさー! あ、喋ってる間にHPも9割まで回復したね! よーし、頑張って敵を倒すぞー!
「……サイコロ、好きだね?」
「今回は完全に皆さんの要望ですからね!」
「まぁそうだけど……もう今更かー」
「よし!」
「なんでそこでガッツポーズ?」
「作者さんに勝った気がしたからです!」
「暴走っぷりには勝てる気はしてないけどねー」
「あれ? 反応が随分あっさりですね?」
「気にしても仕方ない気がした。という事で、はいこれ」
「はっ!? このタイミングでカンペを渡された!?」
「いや、そこで身構えないで?」
「むぅ、嫌な予感しかしないんですけど……まぁ読みますよ。えーと『サクラの運任せの適当さが良いと思った方はブックマークや評価をお願いします』って、適当さってなんですか!?」
「え、自分で選ばずサイコロで運任せって適当じゃないの?」
「……反論の言葉が見つかりません!」
「まぁそうだろうね。さて、次回は『第161話 Lv20まであと少し』です。お楽しみに!」
「頑張っていきましょう!」