第155話 次の敵は
ふふーん! 3体相手に戦う事になった時は焦ったけど、結果としては大勝利! Lv18にも上がったし、目標に進化まであとLv2!
「あ、そうえば今ので結構進化ポイントも溜まったんじゃないですかねー? 少し確認してみましょう!」
進化に必要なだけの進化ポイントが溜まっていても、まだスキルツリーの解放に使える程はないだろうけど、それでも確認はしておきたいもんね! いくらになったかなー?
「おぉ!? 進化ポイントは44になってますね!」
45あれば進化するには足りるから、あともう1体成長体の敵を倒せば目標達成だー! その後に手に入る進化ポイントは解放に回せるよ! これなら確実に次の進化には足りるから、やっぱり死ぬのを覚悟で稼ぎに行って正解だったね!
ミツルギ : これなら余裕を持っていけそうだな。
いなり寿司 : 看破で脱線した時にはどうなる事かと思ったけど、なんとかリカバリーは完了か。
サツキ : 無駄遣いには気を付けないとねー!
ミナト : よりによってサツキさんがそれを言うの!?
イガイガ : ミナトさんに同意。
咲夜 : 同じく。
G : そうだよなー。
いなり寿司 : 元凶が言うべき事ではない。
サツキ : みんなして辛辣だー!? サクラちゃん、助けてー!
「サツキさんだけは言ったら駄目な気がしますねー!」
サツキ : あぅ!? サクラちゃんまで!?
最終的に看破を取ると決めたのは私だけど、その方向性を作った姉さんだけは言ったら駄目だよね!? まぁ効果としては相当便利になったから無駄遣いって訳じゃないけども!
「さて、次の敵を探しましょうか! 『看破』!」
姉さんのマイペースに乱されないように、サクサクと進めていこー! えーと、今は……あ、なんだかんだでもう18時半は過ぎて19時の方が近いんだね。多分、19時を過ぎた頃くらいから朝焼けになってきそう! 朝焼けの景色、楽しみだねー!
金金金 : ん? なんか狐っ娘アバターが嬉しそうだな?
サツキ : これは、何かを楽しみにしてる表情だね!
神奈月 : ……なんというか、サツキさんのその洞察力がなんか時々怖い。
いなり寿司 : 変わった人だとは思っていたが、ここまでとは。
サツキ : 何か凄い失礼な事を言われてる気がする!? あ、なんでそこで頷いてるの!? あ、待って!? 晩御飯抜きは止めて!? やっと一段落したとこなのに、新しい仕事で忙殺を提案するのはやめてー!?
「サツキさんはスルーして、見つけた敵を倒していきますねー!」
リアル側で姉さんがどうなってるのかが非常に気になるけど、出来るだけそこには触れない方向で! とりあえず姉さんの旦那さん、ナイスです!
「器用なタンポポと、堅牢なトカゲ、戦うとしたらどっちがいいですかねー?」
見えている範囲の看破の情報で、戦う候補としてはこの2体くらい。他にもネズミとか蛾とかイタチとかもいるけど、Lv15前後なんだよね。
タンポポとトカゲだけがLv18だから、経験値的に狙うならこの2体のどっちか! 両方倒せば良いだけだけど、同時に戦うとそれだけ不利にはなるから優先順位を決めて、1体ずつ仕留める!
ミツルギ : 器用なタンポポはそんなに移動はしないだろうから、先にトカゲを仕留めた方が良いかもな。
富岳 : 俺もその案に賛成だ。器用なら遠距離攻撃だから、距離は取っておくほうがいいだろう。
ミナト : 小さなトカゲじゃなくて、もう少し大きめの敵だったら咥えて盾代わりにするってのもありなんだけどねー!
「あ、そういう使い方もありなんですね! 流石に口の中に入りそうなサイズのトカゲじゃ無理ですけど……」
でもミナトさんの言ったやり方は今回のは難しそうでもないし、これからの参考にはなった! そして倒すべき優先順位も決めた!
「それじゃ先に堅牢なトカゲを倒します! 『投擲』!」
獅子咆哮を使いたいところだけど、まだ再使用時間が過ぎてないから仕方ない! とりあえずタンポポからは遠くて、地味に岩に隠れる形にはなったけどトカゲだけを狙える位置に移動して、出した小石を使って狙っていく!
「……むぅ、やっぱりこのサイズの敵だと投擲じゃ狙いにくいですね」
照準を色々と動かしてみてるけど、中々狙いが定まらないよー! うがー! 小さな敵相手だと投擲は本当に使いにくい上に、トカゲのすぐ近くの岩が邪魔!
咲夜 : 岩があるのはいつものあれが出来るからいいけど、今は思いっきり邪魔だなー。
ミツルギ : 投擲は本来、弾を手に持って使うスキルだからなー。
イガイガ : 弾き飛ばす形でしか発動出来ないライオンは、どうしても命中精度は下がる……。
咲夜 : サクラちゃんの場合は、遠距離攻撃は放電に専念した方が良い気がする。
G : その辺のスキル性能は、種族との相性の問題だからなー。
「うー、それは本当に仕方ないですよねー。とりあえず発動はしちゃってるんでダメ元で狙ってみます!」
外れて無駄になったとしても、もう発動済みだからどっちにしても再使用時間が発生するからね。それならダメ元でも良いから、当てるのを狙ってみる方がいい! 上手く照準で狙えてはないけど、やっちゃえ!
「……あっ!」
トカゲの手前にある岩に当たって、真上に小石が跳ねちゃったよ!? なんか勢い自体は落ちたけど、結構高く跳ねて……どこに落ちるんだろ?
神奈月 : 岩に当たって、小石が跳ねた?
ミナト : あらら、変な感じで上に跳ねちゃったね?
咲夜 : なんか嫌な予感がするんだけど!?
ミツルギ : サクラちゃん、小石の行方が気になるのは分かるけど、トカゲとは交戦状態に入ってるからな!
「あ、外れても交戦状態になるんですね!?」
って、よく考えたら狙われた時点で当たっていても当たっていなくても、狙われた方からしたら関係ないよねー! えっと、トカゲの方から視線を逸らしちゃったけど……。
「わっ!? 突っ込んできてましたよ!?」
そっか、堅牢なら体当たりとかの攻撃が主体になるんだよね! でも、真正面から突っ込んでくるだけならこれでいけるはず!
「これで怯んでてください! 『咆哮』!」
よし、ちゃんと萎縮になってくれた! うふふ、咆哮がちゃんと効いてくれる相手にはかなり便利だよね!
「それじゃいつものいきます! 『噛みつき』! あ、硬いですね!?」
なんか今までの敵よりも歯応えみたいなのがあるよ? でも、萎縮してるし無防備だから、ガンガンガンとどんどん岩に叩きつけていくのです! ふっふっふ、これでトカゲを弱らせて――
「……え? なんでいきなりHPが減ったんです……?」
ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待って! 何かがいきなり攻撃してきたよ!? え、何が攻撃してきたの!? あ、慌てたら噛みつきの効果が切れてトカゲを落としちゃった。
サツキ : え、今のは何が起きたの?
いなり寿司 : 今、黄色い何かがが飛んできてなかったか?
ミツルギ : サクラちゃん、タンポポはどうなってる!?
「え、あ、はい! ぎゃー!? 根で歩いて近付いてきてるじゃないですか!?」
えぇ!? なんで距離を取ってたのに、タンポポが私を狙ってくるの!? さっき見た時は全然攻撃してくる気配はなかったよね!? しかも、タンポポの黄色い花びらが大量に舞ってるんだけど!?
「わっ!? わっ!? 緊急防御です! 『放電』!」
近付いてきた花びらを放電で落としていって……落とし切れないよ!? ぎゃー!? 次々と他の花びらも飛んできて、どんどんHPが削られてる!?
サツキ : サクラちゃん!?
咲夜 : もしかして、さっきの跳ねた小石って……。
G : タンポポに当たったのか……。
ミナト : 状況的にそうなるだろうねー。
「なんでそんな状態になるんですかねー!? 『体当たり』!」
1体ずつ倒していくつもりだったのに、なんでこんな事になってるの!? 咆哮で無効化したいけど、 さっき使ったばっかり! なんとか体当たりで威力の相殺をしてるけど、花びらの数が多いよ!? 花びら1枚ずつの威力は低めだけど、このまま受け続けたらHPが危険だー!
「だったら、これでどうですか! 『振り回し』!」
大急ぎでなんか朦朧になってたトカゲを、ライオンの前脚を振り回して弾き飛ばす! 多分、このトカゲのサイズならこれでも吹っ飛ぶはず! いっけー!
「おぉ、成功です! トカゲが私の代わりに花びらで切り刻まれてますね!」
わー、地味にえげつないよ、この花びらの攻撃! というか、攻撃回数が多過ぎないですかねー? この花びらでの斬撃、3連撃とかそんなレベルじゃないよ?
ミナト : うん、サクラちゃん、トカゲを舞ってる花びらの中に吹っ飛ばしたのは正解だねー!
富岳 : その花びらでの攻撃、獅子咆哮と同等の遠距離攻撃だ。
チャガ : 1撃の威力ではなく、攻撃回数を稼ぐ遠距離での連撃のスキルだな。
金金金 : あ、そうなのか。
ミツルギ : 獅子咆哮と同じで溜めの時間は必要なんだけど……まさか跳ねた小石が当たってるとか思わないよな。
「ですよねー!? というか、そんな偶然はいらないです!」
うがー! 弾き飛ばした投擲の小石がこんな形で戦うのを後回しにした敵に当たるとか、そんなの想定外にも程がある! でも、こうなった以上はトカゲとタンポポを同時に相手にするしかないよね。
「どういう偶然なんですかね?」
「まぁ、そういう事もあるという偶然だね」
「いくらなんでも簡単にまとめすぎじゃないです?」
「その辺は気にし過ぎても仕方ないよ?」
「少し釈然としませんけど、まぁそれもそうですね。それにしても大技を使ってくる敵も増えてきましたねー!」
「なんだかんだで敵も強くなっていくからね。その辺はゲームとしてのバランスだよ」
「確かに敵が何も変わらなければ、ゲームとしての攻略の楽しみは減りますもんね!」
「うん、そういう事」
「さて、それでは私、サクラに進化を目指して頑張れと応援してくれる方はブックマークや評価をお願いします!」
「あ、真っ当な内容だね?」
「いつだって私は真面目です!」
「いやいや、適当に言ってる時あるよね!?」
「さぁ、作者さん、次回予告をお願いします!」
「強引に流した!? まぁいいや。さて、次回は『第156話 成長体の終盤』です。お楽しみに!」
「まずは進化が可能になるLv20を目指して頑張ります!」