第151話 再び死んでから
ふっふっふ、未成体のネズミには殺されたけども、それは予定通り! 未成体へ進化したら絶対にぶっ倒しに行くけど、そこも含めて予定通り!
「さーて、進化ポイントがいくつになったか見ていきましょう! 結構稼げたはずですよねー!」
という事で、まずは進化ポイントをチェック! うふふ、これが狙いだったんだから成果をちゃんと確認しておかないとねー!
いなり寿司 : うわ、マジかー。
ミツルギ : げっ!? サクラちゃん、周囲の確認!
咲夜 : えぇ、そんな事ある?
サツキ : サクラちゃん、上ー!
ミナト : あはは、これはまたランダムって色んな事をしてくれるねー。
「え、どうしたんです? ……上?」
上って事は、また空中の敵がいるような場所に出ちゃったかな? まぁとりあえずランダムリスポーンしてきたばかりなんだし、進化ポイントの成果の確認より……。
「ぎゃー!? なんで既に赤い印が出てるタカがいるんですか!? って、エリアボスのタカがいた場所の周辺ですね!?」
このエリアボスのタカに倒されてランダムリスポーンしていったのに、そこで死んだらまたここに戻ってきたの!? これはタカに襲われる前に逃げ一択しかない! まださっき死んだ時とは私は何も変わってないよ!
イガイガ : おーっす! お、なんかタカがいるじゃん。夜にタカがいるって珍しい。
ミツルギ : ……あれ、エリアボスなんだぜ?
いなり寿司 : 本日2度目の遭遇だ。
イガイガ : はい!? え、少し遅れただけで既に色々とあったのか!?
真実とは何か : それが真実である。
「イガイガさん、こんばんは! その辺はアーカイブで確認してもらえると助かります。……まだ狙われていないようなので、今のうちに逃げ出します! 『看破』『疾走』!」
既に1回戦ってるからマップに表示されいているのは本当に幸いだね。まだ少し距離もあるし、皆さんに言われなければあのタカがエリアボスのあのタカだと気付かずに戦闘になってたかもしれない。
あのタカは絶対に倒す。倒すけども、根本的に相性が悪いし今はまだLvが足りていない。未成体への進化が可能になった上で、もう少しステータスを解放してから挑みにくる!
「そこのタカ、首を洗って待ってるといいのですよ!」
という事で、全力で疾走開始! もう初めから急加速を使って、気付かれる前に距離を取る! ……勢いで言っちゃったけど、逃げ出しながら今のってなんか小物の悪役っぽい台詞だねー。
いなり寿司 : うわー、物語で出てくる小物の悪党の捨て台詞みたいな台詞。
咲夜 : あー、確かに。
神奈月 : そんな感じではあるよなー。
サツキ : サクラちゃんは小物の悪党じゃないよ!?
「私も自分で言っておいてなんですけど、そんな気はしてましたねー! まぁそれ自体は良いんですけど……追ってきてないですよね?」
念の為に看破も使って分かりやすくした上で、タカがいない方へと向かって駆け出したけど……うん、追いかけてくる気配はない! マップを見ても、あの周辺を旋回はしてるけど私の方に向かってくる様子はないね。
「とりあえず疾走の効果が切れるまではひたすら距離を取りますね。その後に進化ポイントの確認をしていきます!」
正直に言えば逃げずに今からでもあのタカはぶっ倒したいけど、それは今の私じゃ無謀! 勝てない時は素直に勝てないと認めて、勝つ為の手段を模索するのです! 色んなゲームで詰んだ時にいつもやってる事なのさー!
イガイガ : サクラちゃんが明確に逃げ一択ってのも珍しい気がする?
咲夜 : あのタカ、器用なタカでエリアボスなんだよ。
神奈月 : 完全に遠距離特化型。
真実とは何か : 既に一度敗北が真実である。
イガイガ : うげっ!? 地上の種族じゃ、圧倒的に相性が悪いやつじゃん!?
チャガ : 根本的に不利な上に、Lv的にも格上だ。
富岳 : サクラちゃんが戦うのを選ぶなら止めはしないが、逃げる方が推奨だな。
イガイガ : あ、ここのエリアボスなら成長体Lv20でもあるのか! そりゃ逃げ一択で正解だな。
「そういう事ですね! 本当は戦いたいんですけど、今は無謀だと判断しました! ところで何気にサラッと出てましたけど、成長体ってLv20が上限なんですね」
これがある意味、あのエリアボスのタカと遭遇した事での一番の成果! あのタカがLv20で上限の表示が出ていたという事は、私のライオンの進化もLv20で実行出来る!
あ、そろそろ急加速を止めて減速してないと危ないから減速開始ー! 敵も色々といたけど、地味にスルーしちゃった。うん、まぁ距離を取るのを最優先してたからそこは仕方ないね!
ミツルギ : おう、成長体はLv20が上限だな!
ミナト : もう少し先になるかと思ってたけど、まさかのエリアボスでの発覚とはねー!
咲夜 : サクラちゃんが今Lv16だから、あとLv4上げたら進化だな。
金金金 : 進化ポイントもさっきので結構溜まったんじゃね?
「そうであってほしいですねー! さて、そろそろ疾走の効果も切れ……言ってたら切れたので、進化ポイントの確認をしていきます!」
逃げる為の疾走はここまで! それじゃさっきは確認しそびれた進化ポイントの確認をしていこー! 進化の為には進化ポイントが45必要だし、今の段階で進化ポイントがいくつになってるかが重要だよね!
「おぉ!? 進化ポイントが35になってます! 思った以上に溜まってました!」
わぁ! これからLv4を上げる中で残り10溜めればいいだけだよ! Lvが上がった時に1は貰えるから、実質あと6だー! Lv上げで倒してる間に確実に溜まるポイント数だよね!
サツキ : おー! サクラちゃん、ナイスだね!
ミツルギ : 殺される覚悟で乱獲しに行った成果はあったな!
咲夜 : これなら多少の余裕が出来たんじゃね?
チャガ : まぁ少しくらいであれば、スキルツリーの解放に回せる余裕にはなるな。
「そうですよね! やっぱり余裕が出来てますよね!」
やった! 無制限に乱獲はさせてはもらえなかったけど、それでも少しくらいなら乱獲はさせてもらえるんだね! 殺される覚悟でやってみて正解だったのさー!
うーん、こうなってくるともう1回くらい乱獲に行きたいね。あ、そういえば私ってどっちの方向に走ってたんだろ? タカから逃げる事ばっか考えてて、逃げてる方向は全然考えてなかったよ! えーと、南に向かって走ってたみたい! ……元々遠かったのに、更に遠くなってるー!
「……ちなみにもう一度同じ事をしに行ったらどうなります?」
一応これは聞いておこうっと! ……乱獲防止で未成体が出てくるなら、この辺は警戒しておいた方が良い気がする!
ミツルギ : しばらくの間は、Lvが5以上低い敵に襲い掛かった瞬間に殺しにくるぞ。
富岳 : 1回目だけが緩いだけだからな。
ミナト : 一応、昼と夜が1巡すれば1回は出来るようになるけどねー!
チャガ : まぁ少しだけのボーナス猶予ってとこか。
「あ、やっぱり殺しに来るんですね!?」
しかも倒した瞬間じゃなくて襲った瞬間って事は、2回目は事実上やらせてくれないんだ! うーん、まぁ1回でも出来るだけでも良いよね!
咲夜 : ちなみに超上級者だと、殺しに来た敵を返り討ちにって事もあるけどな!
イガイガ : あー、あるある。……どうやったら倒せるのか、さっぱり分からんが。
ミツルギ : 実際、どうやるんだ、あれ? ミナトさんは出来る?
ミナト : 出来るよー! ひたすら全ての攻撃を避けて、着実に攻撃を当てていくだけだよー! 格上とは言っても、ダメージ0って訳じゃないからねー。
いなり寿司 : 言うのは簡単だけど、実行するのが無茶苦茶難しいやつじゃん!?
神奈月 : サラッと出来ると言ってしまうのが、流石ミナトさん……。
「凄いですね、ミナトさん!?」
簡単そうに言ってるけど、絶対に簡単じゃないやつだー! ミナトさんが簡単そうに言う内容って割と結構な頻度でそんな感じだけど!
「さてと、少しくらいなら進化ポイントを使って強化しても大丈夫ですよねー!」
うふふ、Lv20までに進化ポイント45あればいいんだし、今なら確実に余裕はある! だったら、少しならもう使っても大丈夫!
ミツルギ : サクラちゃん、ちょっと待った!
咲夜 : それは進化ポイント45を超えてからにしよう!?
チャガ : 普通の敵相手には負けてないから、そこは焦るな!
金金金 : そこで止めるのは無粋ってもんだぜ?
真実とは何か : その真実はサクラちゃんが決める事なのである。
サツキ : サクラちゃん、存分に使っちゃえー!
ミナト : こらー!? 両方とも煽らないの!
あれ? なんか私が進化ポイントを使うのを止めるのと、自由にすればいいというので分かれちゃったよ? うーん、なんか姉さんに存分に使えって言われると使ったら駄目な気がしてきた!
「…………」
「サクラ、どうした?」
「なんですかね、この悪意のあるランダムリスポーン……」
「少し前に絶賛してたのはどこ行った!?」
「……なんだか納得いきません!」
「ランダムに文句をつけるんじゃないよ!?」
「いえ、これは作者さんの作為的な悪意を感じます!」
「……そう言うのであれば、サイコロは止めてもらおうか!」
「いえ、それはお断りします!」
「あれこそガチでサイコロを振ってるから、完全にランダムなんだけど!?」
「ふっふっふ、それを聞いたからには尚更やめません! サイコロでのランダムはありだと思う方はブックマークや評価をお願いします!」
「おいこら、そういう同意を求める為に使うのはやめろ!」
「知りませんよー!」
「この主人公、言う事を聞かなさ過ぎる!? はぁ……次回は『第152話 Lv20を目指して』です。お楽しみに!」
「成長体ももう大詰めになってきました!」