第149話 ランダムリスポーンの先で
うがー! エリアボスのタカに殺されてランダムリスポーンになった! うぅ、今度はどこに飛ばされたんだろ?
「あのタカは絶対にリベンジをするのは確定ですけど、まずは現在地の確認ですね!」
という事で、マップを最大表示! えーと、ここは……おぉ、これはラッキーだったかも! いい仕事をしてくれたね、タカ! 絶対に許さないし、絶対に倒すけど!
「かなり北部の方に飛ばされました! これ、草原エリアにかなり近付いたんじゃないですかねー!」
咲夜 : 殺されたけど結果的には都合が良かった?
ミツルギ : 運が良いのか、悪いのか、悩ましい話だなー。
いなり寿司 : 逆に遠くなった可能性もあるから、何とも言い難い……。
サツキ : そこはラッキーって事にしておこう! ね、サクラちゃん!
「はい! ここは前向きに運が良かったと考えておきます!」
ふふーん、なんだかんだで草原エリアの方面にはまだまだ結構な距離があったから、こうしてランダムリスポーンで一気に距離を縮められたのはラッキーだよね!
富岳 : ん? 草原エリアの方に向かってたのか?
金金金 : 進化ポイント狙いでそうなってるぞー。
ミナト : 何も聞かずに何があっても承知の上ってサクラちゃんが表明してるからねー!
富岳 : なるほど、了解だ。
真実とは何か : その先にある真実とは何なのか……。こんばんは、サクラちゃん。
「真実さん、こんばんはー! 多分何か乱獲防止のものはあるとは思っていますけど、何が来ても覚悟してますよ!」
少なくともさっきのエリアボスのタカからの奇襲に比べたら遥かに心構えは出来ているもんね! 多分ここで進化ポイントの乱獲してたら私は何かに殺されるけど、分かり切った上でやるのなら大丈夫! 何となくだけど、何が出てくるかも予想はしてるもんね!
「では、進化ポイントの乱獲開始です! 『看破』!」
多分、もう私からLv10以上離れた敵は普通にいるくらいの場所じゃないかな? えーと、周囲を見渡して……。
「おぉ! Lv10は離れてないですけど、Lv7~10くらいの敵があちこちにいます!」
うーん、進化ポイントを狙うのならもう少しLvが低い方が良いけど、まぁいいや! 北に向かいながら、どんどん狩っていけー!
「それじゃ、いきますよー! 『体当たり』!」
割と近くにいたイタチに向かって猛ダッシュからの体当たり! 他にも敵はいたけど、今ので逃げ出しちゃったね。まぁそりゃ逃げるよねー! でも、それは承知の上!
「とりあえずこれで1体目です! 『放電』!」
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
ふっふっふ、1体目撃破完了! 1撃では倒せなかったけど、2撃あれば倒せそう! この調子でどんどん倒して、何かが出てくるまで進化ポイントを稼いでいくぞー!
金金金 : 狐っ娘アバターが、悪い笑顔をしてる。
真実とは何か : 今の真実を明確に表しているのだ。
ミナト : あはは、まぁ一方的な蹂躙ではあるからねー。
いなり寿司 : だが、爽快感があるのも間違いではない。
「そうですよねー! 次はそっちのLv8のネズミです! 『振り回し』からの『噛みつき』!」
尻尾でネズミを地面に叩きつけて、体勢が戻らないうちに即座に噛みつく! うーん、1撃で8割くらい削れるし、もう少しLvが低い敵の方が楽かなー?
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
「2体目撃破です! って、かなりの数の敵が逃げてませんかねー!?」
わー、見事なまでの逃げっぷり! 看破の効果で逃げていく様子がよく分かるよ! うん、俊敏で進化してるのが目に見えて逃げるのが早いねー!
「これって、狙うとしたら屈強や器用の敵ですかねー?」
ミツルギ : まぁその辺りが狙いやすいし、ダメージも通りやすいな。
いなり寿司 : でもこのLv帯ならどれでも大体2撃は必要じゃね?
富岳 : 攻撃回数を気にするなら、もう少しLvが低めの場所に移動した方がいいな。
「あ、そうなるんですね! それじゃ、もう少し北側に進んでみます!」
どれでも2撃必要なら、どれを狙っても変わらないんだねー。だったら、1撃で倒せるほうが遥かに効率がいい! という事で、北に逃げていってるウサギを追いかけながら移動再開!
「そこのウサギ、逃がしませんよ! えいや! 『爪撃』『連爪』!」
思いっきりジャンプしてウサギを飛び越え、振りむき様に爪で1撃! そこから3連撃を当てていくのです!
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
「これで3体目撃破ですね! ただ移動するだけでは勿体ないので、見つけた敵はどんどん倒していきます! 『放電』!」
近くにいた敵はほぼ逃げられちゃったけど、看破の効果はまだ続いてるし、移動しながら溜めた放電なら1撃で倒せるはず! 草原エリアに向かって、北へどんどん進んでいくのさー!
サツキ : サクラちゃん、どんどんいっけー!
金金金 : 乱獲、やっちまえー!
「はーい!」
うふふ、今のところは良いペースで進化ポイントが手に入ってるもんね! 何かが邪魔しに出てくるまでにどれだけ進化ポイントを稼げるかが重要なのさー!
「Lv5のフクロウを発見です! 空にいようが関係ないですね! 放電開始!」
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
「これで4体目、撃破です!」
溜めた放電だったら飛んでいたLv5のフクロウも1撃だったね! ふっふっふ、飛んでいる空の敵であっても、今のLv差と放電があれば楽勝なのさー! 忌まわしきタカもこうやって倒す!
金金金 : こうして見ると、放電って地味に凶悪だな。
ミツルギ : ……マニュアル操作で当てるの、結構難しいんだけどな。
富岳 : 簡単そうに見えてそうでもないからな。
咲夜 : 普通の照準でも、動きが早いと外れるし……。
チャガ : 不得意な場合は、あえて狙わずに広範囲へ無差別にが良かったりするぞ。
サツキ : 下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるってやり方だねー!
金金金 : あー、なるほど。
「おぉ、そういう使い方も出来るんですね! あ、そういえばさっきのタカと戦った時に思ったんですけど、放電って奇襲の防御にも使えるんですね」
タカからの1撃目の奇襲は、放電に当たって勝手に発動して防いでくれた感じだったもんね。さっきはその話をする余裕がなかったし、今のうちに話しておこう!
ミナト : うん、使えるよー! 溜めば溜める程、防げる威力も増えるねー!
ミツルギ : まぁあんまり放電での防御はお勧めしないけどな。
神奈月 : どのキャラでもいつでも使えるとは限らないし……。
チャガ : さっきみたいな急な不意打ちを防ぐくらいで、防御専用に使わない方が良いぞ。
「確かにそれはそうですね! それは了解です!」
放電は雷への適応進化をして初めて使えるようになるんだし、それに頼り切った防御方法は良くないんだね! でも、それを言ったら攻撃面もそうな気もするけど……。
「あ、ちょっと質問です! もしかして、相性が悪くてエリアボスが倒せない場合とかってあります?」
サツキ : 普通にあるよー!
咲夜 : さっきのタカとか、ライオンではその代表例みたいなもんじゃね?
チャガ : そうなるな。一度スルーして強くなってから戻って倒すのでも問題ない。
ミナト : エリアボスの討伐は別に必須じゃないしね。種族的な相性で、無理な相手は本当に無理だから。
いなり寿司 : あのタカはスルーするってのもありだぞ。
富岳 : あぁ、それも選択肢として考えてもいいやつだな。
「そうなんですね!?」
そっかー。相性的に倒せないエリアボスってのもいて、スルーしても良いんだ。さっきのタカはライオンでは倒せない代表例みたいなものなんだね。ミナトさんが無理って言うくらい無理な場合もあるんだ?
「うーん、それでもあのタカは倒したいです! 絶対にリベンジしますよ!」
あの一方的な攻撃で倒されたままスルーするのはなんか悔しいもんね! 多分、普通なら避けた方が良いんだろうけど、私には放電という強力な武器があるんだしスルーはしたくないよね!
サツキ : サクラちゃん、リベンジ頑張れー!
ミナト : 放電があるから、倒せる可能性は十分あるしね!
「はい! その為にも進化ポイントを溜めないとですね! 『体当たり』!」
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
ふっふっふ、目の前にいたLv5のウサギに体当たりして撃破! ざっと周囲を見た感じ、この辺りはさっきよりも敵のLvが低くて……あ、看破が切れちゃった。でも、この周囲はさっきの場所よりもLv帯が低いのは確認出来たから、手当たり次第に倒しても問題ないはず!
「ふふーん、ランダムリスポーンって良いですね!」
「……まぁ嬉しそうなら何よりだけど」
「かなりの時間短縮になりましたもんね! 毎回こうやって都合がいい場所に出てくれたらありがたいですね!」
「あくまでランダムだからねー」
「それはそうですけど、こういうラッキーなパターンなら大歓迎ですよ!」
「まぁ確かにね」
「さーて、それじゃ少しの間、私の無双をお楽しみください! どんどんやってしまえって方はブックマークや評価をお願いします!」
「まぁ頑張って!」
「はーい! 絶対何かあるのは分かってますので、そこまでは頑張りますよー!」
「具体的にその辺には言及はしないけどね。さて次回は『第150話 進化ポイントの荒稼ぎ』です。お楽しみに!」
「ひたすら乱獲です!」