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第148話 格上の敵に抗って


「わっ!? わっ!? なんだか! 攻撃の頻度が! 早くないですか!?」


 うぅ、タカが空にいるから、空を見上げながら回避とか地味にやりにくい! しかもびっくりするほどにタカの攻撃が途切れないよ!?

 単発で羽根が1枚だけ飛んできたり、3枚連続で飛んできたり、刺さったり、切れたりってバリエーションはあるけど、スキルの再使用時間はどうなってるの!? 


ミツルギ : 距離攻撃スキルのLvが全体的に高めか?

チャガ : 使ってきているのは全部最低でもLv2、場合によってはLv3も混じってそうだな。

いなり寿司 : うわー、地上の種族のライオンでは戦いたくないタイプのエリアボスじゃん。

富岳 : お、戦闘中か。夜にタカは珍しい……って、おい!? もうエリアボスか!?


「あ、富岳さん、こんばんは! いきなり襲ってきて、逃がしてもくれなくて困ってるところです! というか、ライオンでは戦いたくないタイプのエリアボスなんですね!?」


 わっ! 今度は羽根の3連撃だし、大きく飛び退いて回避ー! ……むぅ、3撃目が躱し切れなかった! うがー! いつの間にかHPが半分以下に削られてるし、回復はどうしよう!?

 確かにここまで圧倒的に不利なら、ライオンでは戦いたくないよ! 獅子咆哮では隙だらけになるし、射程としても届かない! 投擲は当てられる気がしないし、冗談抜きで放電しか攻撃方法がないよ!


「とりあえず果物で少し回復です! って、ぎゃー!?」


 野イチゴを1個食べて10%HPを回復させたら、その食べてる間に飛んできた羽根で切り裂かれたよ!? というか、回復した分以上のダメージを受けたよ!? 回復出来る余裕がないよ!?


富岳 : ……なるほど、状況は把握した。無理じゃね、これ?

咲夜 : 相性悪すぎー!?

ミツルギ : ただ、放電があるから全く手段がない訳じゃないんだが……。

チャガ : エリアボス相手にこのLv差がキツイとこだな。

神奈月 : どうしてもエリアボスは進化の特徴が色濃く出るからなー。

いなり寿司 : 器用なタカだから、遠距離特化になっている。


 昨日戦ったエリアボスの樫の木は堅牢で特に硬かった感じだけど、このタカは遠距離特化なんだね!? うぅ、これは厄介過ぎる! 根本的に相性が悪いみたいなのに、Lv差もあるとかまだ絶対に戦うのには早すぎるよね!


「ともかく反撃です! 『放電』!」


 やった、当たった! あ、思ったよりも普通にダメージは入ったね? 溜めなしの放電だから元々のダメージ量は少なめだけど、ダメージと言えるだけのHPの減少はあったよ!


「放電でならダメージが与えられそうです! わっ!? 羽根を飛ばし過ぎですよ、このタカ!」


 回避、回避、回避ー! 問題は……あの何種類かの羽根を飛ばしてくる遠距離攻撃を回避し切った上で、どれだけダメージを与え続けられるかだよね。これは少しのミスでも命取りになるやつ!


咲夜 : さて、どういう結果になるか。

金金金 : どっちに転ぶか分からんなー。

サツキ : サクラちゃん、頑張ってー!

ミナト : 決して勝てない相手じゃないからね!


「はい! なんとか頑張ってみます!」


 このタカが格上で相性の悪い強敵なのは間違いないけど、それでも一切の勝ち目がない相手じゃないのは分かった! 私のHPが削られ切る前に、タカのHPを削り切れば私の勝ちという単純明快な状況だよね!


「とは言っても! 厳しいですね! これ! ぐふっ! 『放電』!」


 必死に避けてはいるけど、1撃ずつの威力が高いし、手数が多いし、連発の時は回避がしきれない! 放電で麻痺が入ってくれれば、一気に勝機が見えてくるのに!


「もう一度、『咆哮』で! って、防がないでくださいよ!」


 うがー! 絶え間なく飛んでくる羽根でまた咆哮が無駄撃ちになった! ここまで咆哮が防がれるとか、厄介過ぎる! 私のHPもじわじわと削られて、もう3割を切っちゃってるし……。あ、いつの間にか看破の効果も切れてた。

 うぅ、どこか近くに回復に使える果物は生ってない!? 全消費で良いから、今は全快させたい! でも、変にそっちに意識をしたら、全部は回避し切れてないのにどうしようもなくなるよ!?


「……逃げきれなくても、これなら時間が稼げますかね!?」


 疾走で逃げたり羽根を回避してる間に、先が途切れた崖っぽい場所の前までやってきた! この下に飛び降りて、盾代わりにして回復の時間を稼ごう! えいや!


いなり寿司 : お、良い場所があったじゃん。

ミツルギ : すぐに上から回り込んではくるけど、少しの時間稼ぎにはなるな。

ミナト : サクラちゃん、今のうちに回復!


「はい!」


 ふっふっふ、崖に隠れるようにして羽根の攻撃を凌ぐのは成功したみたい! 今こそ数少ない20%の回復が出来る果物を使うべき時! 3個しかないけど、大急ぎで2個使っちゃえ!


「今のうちにこれもです! 『放電』!」


 放電ならなんとか当てられるから、1撃ずつの威力も上げていこう! 丘陵エリアだと森みたいにうじゃうじゃと虫は集まってこないみたいだし、溜めながらでも大丈夫! 全然いない訳じゃないけど、そこはなんとかなるさー!

 とりあえずHPは7割くらいまで回復は出来たし、これ以上はここに留まってても狙い撃ちにされるだけだもんね。放電を溜めながら、崖の陰から出る! さーて、タカはどこかなー? もう回り込んで……来てたー! なんかさっきより高度が低い気がする?


「え、なんで攻撃してきてないんです?」


 タカは確実に私を狙える位置で滞空してるよね? その位置、さっき私が隠れてた崖の位置も狙えたよね? え、ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待って! これ、もの凄い嫌な予感がする!


ミツルギ : やばっ!? サクラちゃん、即座に咆哮で発動を潰せ!

いなり寿司 : いや、まだ咆哮は再使用時間が過ぎてない! ここは即座に逃げるべきだ!


「えっ!? えっ!? 何がどうなってるんです!?」


 発動を潰さないと危ないくらいの状況なの!? というか、発動を潰すって事は今のタカは何かに攻撃スキルを使っているって事だよね!? わっ!? なんかタカの周りで風が渦巻いてる!?


「はっ!? もしかして私の獅子咆哮と同じような溜めがある遠距離攻撃ですか!?」


 ぎゃー!? それだと威力がとんでもないスキルになるよね!? 今なら咆哮で……って、再使用時間の最中! あわわ!? 慌てちゃ駄目! えーと、えーと!


サツキ : サクラちゃん、急いで疾走!

ミナト : 今の状況だと射程外に逃げるしかないよ!


「は、はい! 『疾走』!」


 咆哮が使えない以上、今は逃げの一択しかない! 獅子咆哮の高火力は私が使うから良く知ってるし、同系統のスキルならその分だけ射程は短いはずだもんね! 大急ぎで射程外に逃げてしまえば――


「ぐふっ!」


サツキ : サクラちゃん!?

富岳 : ……間に合わなかったか。


 あ、逃げるのが間に合わなかった!? ライオンの背中に凄い衝撃が来て、地面に叩きつけられて……回復させたHPが残り2割って威力高過ぎじゃないですかねー!? でも、疾走の効果は切れてないから駆け出す事は出来る! まだ負けてはいない!


<サクラ【器用なライオン【雷】】が死亡しました>

<死亡した為、ランダムリスポーンとなります>


 あ、3連続で背中に衝撃があって、死んじゃった……。うぅ、しっかりと追撃してきたよ、あのタカ! うぅ、勝てなかったー! 最後は一気に削られちゃったよー!


「途中までは結構頑張ってたけど、死にました……」


 徹底抗戦と言いながら、最後はボロ負けだった……。うがー! もの凄くライオンと相性が悪いのは分かったけど、絶対にあのタカにはリベンジするのですよ! 


ミツルギ : まぁあれは相手が悪かったし、仕方ない。

金金金 : タカが溜めて使ってたあれって、どういうスキル?

ミナト : えっと、サクラちゃん、これは話してもいいかなー?


「あ、はい。それは私も気になるので、教えてくれると助かります!」


 獅子咆哮と同じようなスキルって事だから、大体どこにあるスキルかは予想出来るもんね。ここは少しネタバレになったとしても聞いておいて大丈夫な範囲!


ミナト : うん、分かった。はい、ミツルギさん、どうぞ。

ミツルギ : あ、そこは俺か! えーと、あれはタカというか鳥系の種族の器用のスキルツリーの第6段階にある『烈風翼』ってスキルでな。力を溜めた翼で突風を起こす遠距離範囲攻撃だ。

富岳 : 基本性能は『獅子咆哮』と似たような感じだが、凶悪なのは溜めを上空で滞空するところか。


「そんなのを空で使うのってズルじゃないですかねー!?」


 地上よりも攻撃がされにくい空中から撃てる獅子咆哮って、ズルい気がする! そもそも飛んでの攻撃自体が一方的過ぎてズルいよね! うがー! 次に戦う時は絶対に叩き落としてやるー!


「……死にました」

「うん、まぁ今回はドンマイ?」

「いくら何でも強くないですかねー!?」

「そりゃエリアボスだしね?」

「空からの溜め攻撃、卑怯ですよ!」

「川から魚を飛び出させて倒してたサクラがそれを言う?」

「それはそれ、これはこれです!」

「まぁ悔しい気持ちは分かるけど、盛大に棚に上げたね」

「空って飛んでみたいですよねー!」

「思いっきり話題を変えたね!?」

「空を飛びたいなと思う方はブックマークや評価をお願いします!」

「強引過ぎる話題転換!? あー、でも安全に飛んではみたいよね」

「ですよね! そのうち、鳥の操作もやってみたいです!」

「まぁそこはアンロックしてからだね。さて、次回は『第149話 ランダムリスポーンの先で』です。お楽しみに!」

「……今度はどこですかねー?」


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― 新着の感想 ―
[一言] と、言うことで、ランダムリスポーンしましたね~(//∇//) 楽しみですね~(//∇//) 目の前に赤い実とか、無いですかね~(//∇//) 毒の……………(・・)←でも、タカ…
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