第144話 丘のウサギ
開始早々に色々あったけども、今はとりあえず目の前で麻痺しているウサギの相手が最優先! あ、地味に私のライオンと麻痺してるウサギのHPが減ってるよ!?
これはさっき滑り落ちたのと、ぶつかった時のダメージがあったみたい! ウサギは放電でもだと思うけど、それでも1割くらいも減ってる!
「本格的に戦闘開始です! 『爪撃』『連爪』!」
ふっふっふ、私にも地味にダメージがあるとはいえ、現状では私が遥かに有利! とりあえず麻痺が効いてる間に爪での連撃だー!
サツキ : サクラちゃん、いっけー!
金金金 : ウサギをぶっ倒せー!
ミツルギ : Lv17は……まぁ倒せなくはないか。
いなり寿司 : まぁそのくらいの差なら大丈夫な範囲だな。
「あ、そういえば地味に格上ですもんね! その辺は注意していきます!」
私よりLvが上でLv17だし、屈強だから攻撃の威力には要注意! まだ麻痺にはなってるから、もっとやっておこう! 出来ればそこで距離を取りたいから、これで!
「『振り回し』からの『体当たり』!」
尻尾を叩きつけて、向き直ってから体当たりで吹っ飛ばす! 多分、そろそろ麻痺が切れると思うからこれで距離と作るのさー!
うん、成功! これでウサギのHPは6割くらいまで減った! 昨日の樫の木にと比べたら、全然硬くないからあっさりと弱ってくれるね!
「あ、麻痺が切れましたね! ここからは距離を取って戦います! 『放電』!」
ふっふっふ、放電が直撃! うーん、流石にこっちの麻痺は低確率だから二度目は上手く麻痺にはなってくれないみたい。このウサギは屈強なウサギだから、威力が高くなる近接攻撃は要注意でいくよー!
私には遠距離攻撃もあるんだし、わざわざ相手の得意な距離に合わせて戦う必要もないのです! 放電は溜めなければ再使用時間は短いから、遠距離から削っていこうー!
ミナト : あ、麻痺が解除になるのに合わせて距離を作ったね。
ミツルギ : 距離を取っての攻撃か。持ってるスキルを考えるとありだな。
咲夜 : 見た目的には、ウサギに警戒して距離を取るライオンだけど!
いなり寿司 : ……その見た目通りにはならないのがモンエボだが。
サツキ : リスを愛でてたら、蹴り殺されたとかあったよー!
ミツルギ : あー、あるあるだな、それ。
「見た目で侮ったらダメって事ですね!」
それに関しては私は侮っていないから大丈夫! 魚や小動物に何度も殺されてるし、そこで油断したら獲物になるのは私だというのは身をもって知っているもんね!
だからこそ、このウサギからは距離を取るのみ! おっと、突っ込んできたから後ろに飛び退いて回避! ……今、噛みついてきたね。
サツキ : サクラちゃん、ナイス回避!
いなり寿司 : 森の時より動きが良いな。
ミナト : サクラちゃんは拓けた場所の方が得意なのかもね?
「確かに森の中より気にする事が少なくて楽で良いですね! わっ!」
今度は一気に体当たりみたいに突っ込んできたから、飛び越えて回避! 割とウサギは動き回ってて、攻撃する際に距離を詰めてくるね。うーん、どこかのタイミングで咆哮を当てて……あれ?
「そういえば、なんだか思った以上に看破の効果時間が伸びてます?」
昨日だったらもうとっくに切れてたくらいな気がするけど、スキルLvが1上がっただけでもかなり効果時間が伸びてなーい? まだ表示が出たままだよー?
少し離れた所にLv16のウサギとか、Lv17のイタチとかがいるのも見えてるよー? 近くに巻き込みそうな敵がいないのも見えてて助かるね!
ミツルギ : Lv2から明確に効果時間は伸びていくからなー。最終的にはずっと発動出来るくらいまで短縮されるぞ。
咲夜 : Lv2まではちょっと時間はかかるんだけど、昨日マップの解放に専念してたのが良かったのかもな。
ミナト : 戦闘を挟みながらだと、その分だけ時間がかかるからねー。
「あ、そうだったんですか!」
なんだか昨日のマップの解放でひたすら走り回ってたのにも意味はあったみたい! 疾走も看破もLv2になって、使い勝手がかなり良くなったって事だもん! あ、でも流石に看破の効果は今切れたねー。でもこれだけ使えたらかなり使いやすくは――
「わっ!? このウサギは!」
そんな事を考えてたら、またウサギが突っ込んできた! でも、そのウサギの体当たり攻撃は見切ったー! 上を飛び越えて回避! ふっふっふ、その程度の体当たりで私を捉えられると思ったら――
「がふっ!」
え、何が起こったの? 今、真下から強烈な衝撃が来たよ? 何をしたの、ウサギ! わわっ! その前にちゃんと着地しないと! 今ので思いっきりバランスを崩しちゃった!
「……あ、危ないですね! 今の何があったんです!? 『放電』!」
着地は失敗しそうになったけど、ギリギリセーフで着地成功! 着地と同時に放電でも攻撃! うぅ、今のでHPが2割ちょっとも削られてるよ。……ウサギが何かをしたんだろうけど、何をされたの?
サツキ : サクラちゃん、大丈夫!?
咲夜 : 今のは見えてなかったけど、ウサギの『飛び蹴り』?
ミナト : タイミング的にも進化的にも、多分そうだろうねー!
いなり寿司 : 地味に面倒なんだよな、あれ。
「え、ウサギが飛び蹴りをしてくるんです!?」
予想外の飛び蹴り!? え、そんなスキルもあるの? あ、でもさっき姉さんがリスに蹴り殺されたって言ってたし、蹴ってくる事もあるんだ! って、話してる間にまた近寄ってきてるー!?
ミツルギ : サクラちゃん、そのウサギ相手には上を飛び越えて回避するのは無しの方がいい。見えなくなるのは危険だ。
「分かりました! 確かに上への回避は危なそうです!」
という事で、今度は真横に回避! 今度は回避した後に追撃で何かされないようにちゅういしておかないと! ……今回はただの体当たりだったみたい?
「今がチャンスです! 『咆哮』!」
体当たりが空振りになって隙が出来たから、そこを狙って咆哮! 地味にこのウサギは動き回っていたから、上手く当てられる気がしなかったけど、今がチャンス! うん、ちゃんと当たって萎縮になったのは確認出来た!
「怒涛の反撃開始です! 『爪撃』『連爪』!」
再使用時間が過ぎた近接攻撃用のスキルはここで使うべし! 今のうちに一気に削るのさー! うーん、最大威力の獅子咆哮は中々使いどころが難しいよね。
「続けていきますよ! 『振り回し』からの『体当たり』!」
<『体当たりLv1』が『体当たりLv2』に上がりました>
「おぉ、体当たりのLvが上がりましたね!」
ふふーん、ここで体当たりのスキルLvが上がってくれるのは嬉しいよね! スキルLvが上がれば上がるほど威力は強くなるんだし、この調子で他の攻撃スキルも上がってくださいなー!
うーん、でもちょっと体当たりで吹っ飛び過ぎかな? まぁライオンとウサギの体格差を考えたら、そこは仕方ないよね! とりあえず追撃の為に駆け寄ろう!
サツキ : サクラちゃん、怒涛の反撃!
金金金 : ここでスキルLvが上がったのは、かなり良いんじゃね?
いなり寿司 : あー、体当たりだと使う相手次第。
ミツルギ : 体当たりはLvが上がるほど、敵が吹っ飛びやすくなるからな。
ミナト : まぁその辺は使い方次第だけどねー!
「距離を取りたい時にはより便利になったって感じですね! でも、今みたいに距離を取りたくない場合は気を付けた方がよさそうです!」
今みたいに追撃をしたい時には吹っ飛ばす効果は逆に邪魔。実際、今は吹っ飛んだウサギを追いかけていく必要があったし、この辺は次から要注意!
そして今は残りHPが1割くらいまで減ったウサギのすぐ傍までやってきた! ふっふっふ、まだ萎縮中だし大チャンスはまだ続いている!
「これでトドメです! 『噛みつき』!」
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<サクラ【器用なライオン【雷】】が成長体:Lv16に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを2獲得しました>
「あれ? Lvが上がりましたね?」
まだそれなりに次のLvまでかかりそうだったけど、意外と早かったよ? あ、ウサギがLv17だったから、その分だけ経験値が多かったみたい!
サツキ : Lvアップおめでとー!
咲夜 : えーと、これで進化ポイントはいくらだ?
ミナト : 昨日の終了時点で14だったし、実況外でのプレイでは増えてなかったみたいだから17かな?
ミツルギ : サクラちゃん、合ってるかどうかの確認よろしく!
「あ、はい! えーと、進化ポイントは17で合ってますね! 進化までにあと28ほど溜めなきゃですねー!」
成長体の次の未成体への進化になるLvはいくつかまだ分からないけど、それまでに進化に必要な進化ポイント45は溜めないとね! 看破の解放で盛大に使っちゃったから、頑張って溜めていくぞー!
「ふふーん、私の華麗な戦いはどうですかねー?」
「……飛び蹴りと食らってたのは?」
「それはそれ、これはこれです!」
「同じ戦闘の最中の出来事だけどね!?」
「普通に私、強くなってきてません?」
「まぁちょいちょい変なとこはあるけど、強くはなっているね」
「わーい、作者さんに認められました!」
「死亡率は高いけど」
「そこって何か問題あるんです?」
「いや、別に? あっ……」
「その反応はなんですか!?」
「うん、気にしなくていいよ」
「気になりますよ!? 私に同意の方はブックマークや評価をお願いします!」
「まぁ、その辺はそのうちね」
「あ、そのうちあるんです?」
「さて、次回は『第145話 丘陵エリア、探索開始!』です。お楽しみに!」
「スルーなんですか!? あ、本格的に次回から探索開始です!」




