第141話 学校から帰ってきて
「あーつーいー」
学校が終わって、電車で家の最寄駅まで帰ってきて、歩いているけど、ともかく暑い! もう7月も中旬になるし、暑さが、暑さがー! この暑さは溶けるー! 早く、早く家に帰って涼みたい!
もう学校は全部VR空間でいいじゃない! そしたら家からわざわざ通わなくていいから……兄さんがまだ技術的に無理みたいな事を言ってたよね……。うー、それならば徒歩でも使える個人用クーラーを! ……考えてみたけど、どんな形状でどうやって使うんだろ?
「……アイスでも買って帰ろうっと」
もう少しで我が家に辿り着くけど、コンビニの目の前を通ったら冷たいものが食べたくなった! うふふ、ここ数日は投げ銭のおかげで多少の買い食いをするお金の余裕はあるのですよ!
それじゃ少し涼むのも兼ねて、コンビニへレッツゴー! アイスは何が良いかなー? もし何か変わったのがあれば、それを試してみよう!
◇ ◇ ◇
ふふーん、コンビニでアイスを買ってきた! 変わったものがないかと思って見てみたけど、本当にあったよ、変わったアイス! 『どんなものでも甘くなる!』って宣伝文句だったけど、ミラクルフルーツ味ってどんなのだろ?
「たっだいまー!」
そして、再び暑い外を素早く歩きながら無事に家へと到着! うー、汗が凄いー! 家の中も熱が籠ってるー!
今日は兄さんはまだ帰ってない感じだし、大学かアルバイトかな? まぁこれといって特に用事がある訳でもないし、それはいいや!
「……あ、冷房を入れておけばよかった」
うぅ、しまった……。兄さんが家族全員分の携帯端末から、ホームサーバー経由で冷暖房のオンオフは出来るようにしてくれてるんだから、コンビニにいる間に自分の部屋の冷房を入れておけば良かった……。
うん、今更言っても仕方ないから、ササっと冷房を入れて着替えてしまおう! そして、買ってきたアイスを食べるのです!
「あ、折角だからこのアイスもSNSに載せちゃおうっと!」
ゲームの配信の告知だけが使い方じゃないもんね! 食べ物の画像を載せてる人も多いし、昨日はイチゴの大福とプリンを載せたから、今日はこれだー! という事で、携帯端末で写真を撮ってから投稿!
サクラ☆モンエボ実況配信中! #***
なんか変わった味があったので、買ってみました!
ミラクルフルーツ味のアイス.jpg
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うん、これで良し! さてとそれじゃ着替えて……もう汗で気持ち悪いし、さっぱりしたいから、軽くシャワーでも浴びてこようかな? うん、そうしよう! とりあえずその間はアイスは冷凍庫の中へ!
今が17時くらいだから、少しまったり寛いでから今日のモンエボの実況プレイを開始だー!
◇ ◇ ◇
ふー、さっぱりしたー! それじゃアイスを回収して、自分の部屋でまったりタイム! ……あれ? なんか私の部屋、暑いよ?
「あー!? 冷房の電源を入れ忘れてる!?」
シャワーを浴びてさっぱりとした気持ちでアイスを食べようとしたら、自分の部屋の冷房の電源を入れるのを完全に忘れてたー! うぅ、涼しい部屋でアイスを食べながら寛ぐ予定がー! うがー! 設定温度を思いっきり下げて一気に冷やしちゃえ!
とりあえずこれでしばらく待ち! ある程度冷えたら設定を温度を戻さないと冷えすぎるから、そこは気を付けないとね。
「とりあえず、アイス、アイス!」
カップのアイスだから多少溶けても大丈夫だけど、アイスは溶けないうちに食べていきたいもんね! ミラクルフルーツ味、どんなものかなー? とりあえず一口!
「特別、美味しくもないような……?」
うーん、物珍しさで買ってみたけど、これは正直ハズレだね。どの辺がミラクルなフルーツなのかもよく分かんないし……あ、なんかSNSの通知が来たね?
「あ、姉さんからだ!」
どれどれ、どんな内容のコメントが来たのかな? あ、このアイスへの反応みたい。って、なんだか結構な量のコメントが来てるよ!? え、なんで!? うーん、とりあえず姉さんのを確認してみようっと!
⇒【15】サツキ #***
サクラちゃん、酸っぱい物にチャレンジだー!
って、姉さんのコメントが意味不明だよ!? なんでそこで酸っぱい物なの!? 他の人のコメントは……こっちも酸っぱい物が勧められてるよ!? え、だからなんで!? アイスに対してのコメントじゃないよね、それ!?
「……ミラクルフルーツって何かあるの?」
どう考えても普通のアイスへの反応じゃないもんね。ミラクルフルーツって……あれ? そういえばどこかで聞いた覚えもあるような気もするけど、なんだっけ?
こういう時は知ってる人に聞いて……あ、調べられるものは自分で出来るだけ調べようって昨日思ってたんだった! うん、ここは自分で調べてみよう! ネットで調べていくぞー!
「これ、食べたものが甘く感じるようになるの!?」
調べてみたら割とあっさり内容は見つかった! なんか酸っぱい物でも甘く感じるようになるらしいよ! 『どんなものでも甘くなる!』って宣伝文句、そのままの意味だったよ!
うーん、なんでこれをアイスにしようと思ったの!? でも、そう書いてたら試してみたくなるよねー? 冷蔵庫に何か酸っぱい物ってあったかな? ちょっと見てこよう!
◇ ◇ ◇
ふっふっふ、冷蔵庫を漁ってみたら梅干しがあったから持ってきた! ……配信の前に私は何をやってるんだろ? うーん、まぁ実況前の待機時間の話題になるから良いかな?
「って、寒いよ!?」
わー!? 冷蔵庫を漁ってる間に冷房が効き過ぎてた!? 設定温度を急いで元に戻さないとこれは寒すぎる! 少し寒すぎるから温度が適温になるまで布団を被って……なんか贅沢な気分だねー!
さてと、この状態でアイスを食べていこー! ……このアイス自体はあんまり美味しくないから、完全にネタの商品だよね。うん、多分少ししたら全く見なくなって、二度と見る事がないヤツだ!
「って、あんまりのんびりもしてられないよ!?」
いつの間にか17時半も過ぎてるし、しょうもない事はサクッと終わらせよう! 話題にはなるとは思うけど、そういうつもりで買ってきたものじゃないしね!
という事で、あんまり美味しくはないアイスを食べる! うーん、少し溶けてきてるし、もう流し込むように食べちゃえ!
「あっ、キーンときた!?」
うー、一気に食べ過ぎた! でも、とりあえずこれでアイスは食べ終えた! という事で、梅干しを食べてみよー! 苦手って訳じゃないけど、あんまり梅干しはあんまり食べないんだよね。でも甘くなるなら食べてみたい!
「いただきまーす! おぉ、甘いよ!?」
わっ、びっくりするくらい甘い!? 全然酸っぱさを感じないし、これは凄いね! でも、これってアイスで食べるものじゃないと思う! 本当になんでこれをアイスにしたの!?
あ、そろそろ丁度いい感じの気温になってきたし、時間的のも丁度いい感じだから、休憩タイムはもう終わりで良いかな?
よーし、それじゃ配信準備の開始だー! という事で、VR機器を頭に被ってベッドに寝っ転がって、ホームサーバーに配信用のVR空間を作って……って、あー! 姉さんの作ってくれたあの憩いの和室が再稼働してる! ナイスです、兄さん!
まぁそれは良いとして、配信用のVR空間の方にフルダイブ! そして今日の配信を開始していくぞー!
◇ ◇ ◇
和室に模様替えしたVR空間へと移動完了! まだまだ弄りたいとこはあるけど、時間が足りないからその辺は次の週末とか、夏休みでだね。夏休みはフルダイブの制限時間に引っかからないように気を付けないと。
えーと、現在時刻は17時45分。5分ほど早めだけど、まぁそこは待機してればいいだけだし、誰かが来たら雑談しててもいっか。それじゃもう始めちゃおう!
<配信を開始しますか?>
もちろん開始しますとも! 今日は【初見プレイ】Monsters Evolve part.5になるのさー! なんだかんだで実況プレイも5日目になったね! そしてSNSへの通知も忘れずに!
サクラ☆モンエボ実況配信中! #***
18時から第5回の配信をやっていきますー!
配信会場はこちら!
【初見プレイ】Monsters Evolve part.5
URL:*tp://***
まずはマップ解放を頑張っていきますねー!
そして、梅干しは甘かったです!
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うん、結局昨日はライオンで新しく行った丘陵エリアのマップの解放は出来なかったんだよね。看破と疾走がLv2になったのは良かったけど、それ以外は何も出来てない……。
でも、木の方を成長体の桜に進化させられたのは良かったよね! うん、それでも充分な進展なのですよ!
さーて、配信開始の通知は出来たし、今日は誰が一番乗りで来るかなー?
「夏ってどうしてこんなに暑いんですかねー?」
「それは夏だからとしか言いようがない気がするけど?」
「うー、暑いのは苦手なんですよー!」
「なら、寒いのは?」
「そっちも苦手です!」
「……なるほど」
「という事で、早く夏休みにして下さい! 家に引き篭もりますから!」
「当分は無理だよ!?」
「むぅ……確かに1日が1章ですし、当分先ですよね……」
「まぁ途中を飛ばさない限りはそうなるね」
「それは仕方ないですよねー。さて、夏の暑さが嫌いだという方はブックマークや評価をお願いします!」
「本編がまるで関係ないよね、それ!?」
「こんな感じで第5章の始まりでーす! 頑張っていきますよー!」
「強引にそういう流れに持っていった!? えー、次回は『第142話 ゲーム開始までの雑談』です。お楽しみに! ……ところで、なんで今回のアイスを買おうと思った?」
「面白そうだったから以外に理由はないですね!」
「そういう理由かい!」