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第131話 硬い樫の木


 獅子咆哮で弱点の根を狙っても、この樫の木のHPは2割しか削れなかった。硬化がなくても、この樫の木は硬いみたいだよね!

 さて、どうにかこの樫の木をぶっ倒すけども……あれ? なんか歩くのに使ってた根が地面の中に戻っていくよ?


「硬化が切れたからって、地面に引き篭もるのは卑怯じゃないですかねー!?」


ミツルギ : あ、防戦態勢に入ったか。

サツキ : あー! これって面倒なやつ!

いなり寿司 : 堅牢だとHPが減るとこうなるからなー。

ミナト : 通常の敵ならそうでもないけどエリアボスが堅牢の木だった場合、硬化が切れた後によくあるパターンだから、その辺は覚えておくと良いよー!

イガイガ : この辺はエリアボスだからってとこもあるよなー。

富岳 : 少し時間が経てばまた出てくるから、無茶な攻め方をするよりは待った方がいいな。


「了解です! それにしても卑怯なエリアボスの木ですね!」


 うーん、妙に防御寄りで厄介みたいだし、時間が経てば出てくるなら無茶に攻めなくてもいい? 根で歩くなとは思ったけど、今だけは許すから直ぐに出てこーい! ……出てきてくれる訳がないよねー。

 弱点の根を獅子咆哮で攻撃しても2割程度だったし、多分まともに幹を攻撃してもダメージの通りは悪いよね。それにあれは避けないと駄目だから、地面に集中!


「今です! 『噛みつき』!」


 一度軽く後ろに跳び退いて根を突き刺してくる攻撃を回避! あれはHPを吸い取ってくるやつだから、この硬い樫の木に回復される訳にはいかないよ! そして躱すと同時にカウンターとして空振った根に噛みつく!


「そして、こうです!」


 噛みついたまま出てきた根を引っ張って、そこでライオンの前脚で爪とぎだー! うりゃりゃりゃりゃ! おぉ、盛大には減ってないけど、少しずつでも樫の木のHPは減っているね!


サツキ : おぉ! 見事なカウンター!

咲夜 : サクラちゃんが木と戦う時はいつも爪とぎをしてる気がする。

イガイガ : 地味にスキルと通常攻撃の組み合わせでのコンボになってるんだよなー。

富岳 : この攻撃パターンなら、もう少し屈強のステータスが欲しいとこだな。

ミナト : だねー。でも、今はまだ負担だから追々にだね。

ミツルギ : 流石に進化ポイントが足りないもんな。


「屈強のステータスが上がれば、この手段ってもっと強くなるんです!?」


 あ、そっか。屈強のステータスが上がれば近接攻撃の威力はスキル以外も上がるから、噛みつきも今の爪とぎも両方威力が上がるよね! でも、ミツルギさんの言うように知恵の方に進化ポイントを注ぎ込んじゃったから、流石に今はそれは無理ー!


「わっ! 巻きつこうとしないで下さい! 『振り回し』!」


 噛みつきの効果が切れて根が巻きつこうとしてしてきたから、ライオンの尻尾で払い落とす! ふっふっふ、硬いみたいだけど、やっぱり攻撃の威力はそれほどない!


「あっ、逃しません! 『放電』!」


 根が引っ込む前に放電を当てたけど、全然溜めてない放電じゃダメージは微妙! 当たりはしたけど、ちょっとだけHPが減ったくらい! 減るだけマシだけど、これは効率が悪いよね。


神奈月 : 当たり前のように、放電での攻撃を着実に当てていくなー。

ミツルギ : やっぱりサクラちゃんは、マニュアル操作への適応性が高い。

咲夜 : てか、昼間じゃなくて良かったなー。これに光合成まであれば、更に厄介だし。

イガイガ : それは確かに。


「え、光合成ってあるんです? あ、そういえば木の方で見たような気も……?」


 えっと、光合成の効果ってなんだっけ? 根が引っ込んでるからその辺に警戒しながら思い出そう! えーと、えーと、見た覚えはあるんだけど、どこのスキルツリーで見たかを覚えてない!


「わっ!? 今度は沢山の根で突き刺してきましたよ!?」


 これは普通に避けたら回避し切れない! 大ジャンプで、他の木の枝の上に跳び乗って回避ー! ……むぅ、そんな範囲攻撃もありなの? でも範囲が広いなら当てるチャンス!


「この樫の木、根での攻撃が多いですね!? でも、これならどうです! 『投擲』!」


 よーし、木の枝の上から割と雑に取り出した小石を弾き飛ばしたけど、上手く地面から伸びてきている複数の根の1本に当たってくれた。これで残りHPは7割……まだその程度なんだねー。


 それにしてもドングリが生ってるから撃ち出してくる可能性は警戒してたのに、その気配は全然ない! 葉っぱを飛ばしてくる様子もないよね? うーん、これなら地面にだけ警戒してれば良いのかな?

 というか、そのドングリを投擲の弾として欲しいから下さい! ……無理だよね。うん。


G : 地味にこの樫の木、遠距離攻撃を使ってこないな。

金金金 : 根での攻撃って、遠距離じゃねぇの?

ミナト : 分類としては根での攻撃は近距離になるんだよねー。性質的には中距離くらいだけど、遠距離かどうかは本体と繋がってるかどうか辺りが基準だよー!

金金金 : あー、そういう分類か。

ミツルギ : サクラちゃん、アドバイス! 今の状況で最重要に避けるべきは根が1本だけの刺してくるやつだ。

咲夜 : HPを吸収してくるのは1本のみになるもんなー。


「あ、そういう基準があるんですね。ミツルギさん、アドバイスありがとうございます!」


 根での攻撃は全て本体の木に繋がってるから、近距離の攻撃なんだね! そして、最も警戒すべきは1本だけで突き刺してくる根! ……出てくるまで本数がわからないけどね!


「とりあえず回避優先でいきます! でも、突発的な迎撃用にこれもですね! 『放電』!」


 さっき放電は大して効かなかったけど、あれは全然溜めてなかったから! 回避を優先しながら樫の木の行動パターンが変わるのを待つなら、これが良いはず!


「あ、なんか『蓄電』って表示がありますね」


 何気なく解析略化で状態異常の表示が出るとこを見てみたら、そんな表示が出てた! そっかー、今は『蓄電』っていう状態なんだね。解析略化の効果が凄くない!?

 とか思ってたら、私が登ってる木を根でなぎ倒してきたよ、この樫の木! うがー! 他の木があってもお構いなしなの!? とりあえずジャンプで離脱!


「ともかく地面から出てきましたね! 放電開始!」


 思ったほど電気は溜められなかったけど、攻撃パターンが変わったなら狙い時! いっけー! 少なくとも全く溜めのないさっきよりは効くはず!


「おぉ、さっきよりは削れました! それじゃ続けて行きます! 『体当たり』!」


 根で歩きだした樫の木へと一気に距離を詰めて、思いっきり体当たり! これで一度倒れてしまえー! そうすれば根で起き上がる時に隙が出来るはず!


「……むぅ、これを踏ん張るって丈夫ですね。今ので倒れてほしかったんですけど……」


 横倒しにしたかったけど、しっかりと根で踏ん張られて失敗だった! というか、幹に攻撃は本当に全然効かないよー!? わっ、また根が巻きつこうとしてきたから、退避ー!


ミツルギ : 狙い自体は悪くないけど、相手が悪いとしか言いようがないか。

神奈月 : 多分、普通の木なら今ので横倒しには出来てたはず。

咲夜 : やっぱり長期戦になりそうだな、これ。

チャガ : エリアボスで硬いのが出てきたら、長期戦は覚悟するしかない。エリアボスだと特化した行動パターンが出てきやすいからな。

サツキ : サクラちゃん、ファイトー!


「はい、頑張りますよー!」


 なんだかんだで、樫の木の攻撃自体はほぼ避けられてるもんね。でも、私の攻撃でダメージが少ないのもあってまだまだ時間はかかりそう。咆哮と雷纏いの再使用時間が過ぎたし、どこかで一気に攻めた方がいい? あ、そうだ、これなら横倒しに出来るかな?


「これでやってみます! 『咆哮』からの『振り回し』!」


 咆哮で怯ませてから、ダメージは期待せずに思いっきりライオンの尻尾を振り回してぶつける! これなら踏ん張れないはず!


「よし、横倒しにしましたよ! 一気に攻撃開始です! 『連爪』『爪撃』!」


 横倒しなった樫の木の幹の上に乗って、根に向かって連続攻撃を開始! 今のうちに一気にHPを削るのさー! おぉ、どんどん削れてる!


「あとは『噛みつき』をしながらの通常攻撃です!」


 ガブっと根に噛みついて、再び根に爪とぎだー! 怯んでいるのと横倒しになっているのが続いているうちに、樫の木のHPを半分までは削るのさー!


サツキ : おぉ、サクラちゃんの怒涛の攻撃開始だね!

ミナト : うん、良い感じの攻撃!

いなり寿司 : これが終わったら、そろそろ硬化の再発動は気を付けた方がいいな。

チャガ : 確かにな。


「え、そろそろそんなタイミングなんです!?」


 あ、よく考えたら雷纏いの再使用時間が過ぎてるくらいだし、この戦闘を始めて既に何分か経ってるんだ!? むぅ、思った以上に倒すのに時間がかかってるよ、この樫の木!


「うがー! まだ倒し切れてないんですけどー!?」

「まぁエリアボスだし?」

「それでも長くないですか!?」

「他に比べて耐久性が高いからねー。長期戦になるから仕方ない」

「むぅ……」

「後、単純にあっちよりこっちの方が1話辺りの文字数が少ない!」

「え、そういう理由なんですか!?」

「うん、割と大真面目にそういう理由。あっちのボス戦に比べると、こっちは短いもんだよ」

「そうなんです!? ……まさか私の動きとは全く関係ない理由だとは思いませんでした!?」

「という事で、サクラ、頑張って!」

「何か釈然としない気持ちもありますけど……そんな私、サクラを応援してくれるという方はブックマークや評価をお願いします!」

「うん、頑張れー!」

「はい、頑張ります! もう何話でもどんと来いです!」

「その意気だ! さて次回は『第132話 樫の木との決着』です。お楽しみに!」

「なんだか次で決着っぽいんですけど、今の意気込みを返してくれませんかねー!?」


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あっちのオンライン版は自力での電子書籍版もありますので、よろしければどうぞ。

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これまでの第1巻〜第19巻はこちらから。
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― 新着の感想 ―
[一言] 定期的に木と、戦っているので、爪は常に絶好調なサクラ(ライオン)
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