第127話 次の敵を探して
看破を使いながら、森を走るー! Lv13の堅牢なヤナギとか、多分時間がかかるからパス! えっと、どこかに攻撃が通りやすくて、麻痺が有効に使えて仕留められそうなのはいない!?
木は避けたいけど、そんなに悠長に選り好みをしてるほどの時間もない! ともかく麻痺が有効に使えそうな敵はいませんかねー?
「はっ! 見つけましたよ、Lv14の器用なフクロウです!」
あ、その瞬間に看破の効果が切れたけど、まぁいいや! 標的は木の枝に止まってる器用なフクロウ! 雷纏いの効果はもう少しで切れそうだけど、その前に一気に弱らせる!
「って言っても、こうやるしかないですよね! 『咆哮』からの『放電』!」
よし、これでフクロウが怯んだ状態で落ちてきた! あ、状態異常で『萎縮』が表示されたね!? おぉ、怯んでる状態って『萎縮』なんだ!
「時間が惜しいのでひたすら攻撃です! 『振り回し』!」
雷纏いの効果時間はもう少ないんだから、ここは怒涛の攻撃開始だー! 再使用時間が過ぎたスキルからどんどん叩き込んじゃえ!
とりあえず地面に落ちて怯んでいるフクロウを、ライオンの尻尾で吹っ飛ばーす! 狙いは後ろの普通の木の幹に叩きつける感じで! よーし、ここで『麻痺』の表示も出たよ!
金金金 : サクラちゃん、いっけー!
サツキ : もっと大暴れだよー!
いなり寿司 : やっぱり麻痺は強いな。
イガイガ : だよなー。
間違いなく麻痺は強いよね! だから雷纏いの効果が10分間に1分しか使えないのは分かる。こんなの無尽蔵に使えたら強力過ぎるもんね。
だからこそ、あと少しで切れる効果をここで最大限に使う! 木の幹に叩きつけたフクロウに追撃だー!
「『体当たり』! わっ! 木が折れました!?」
ぎゃー!? まさか今ので木が折れるとは思わなかったー!? ぐぬぬ、もうこの辺の木の強度は私の攻撃には全く耐えられないという事っぽいね!
私の方に倒れてきてるから、横に飛び退いて回避ー! あ、フクロウが潰された。
「あっ!? 雷纏いの効果が切れました!? でも、萎縮も麻痺も継続中ですね!」
うん、目に見えて状態異常が分かるのは便利になったよ! ついでに言えば、フクロウは木に押し潰されてもいる! でも、正直邪魔だよね、この倒れた木。
ミツルギ : 木を倒すのは戦略としてはありだけど、あんまり倒し過ぎると移動の邪魔になるから気を付けろよー!
いなり寿司 : 一般生物の木は、ほぼ耐えられないからなー。叩きつけるなら木より地面の土や岩が良いだろうな。
「あ、はい! 確かにそうなりそうなんで、了解です! とりあえず『爪撃』で、邪魔な木を排除です!」
雷纏いの効果は切れたから、ここからは普通に戦うのみ! 今回は私の決意として大好きなキツネさん相手に全力で戦う為に使ったけど、雷纏いはやっぱり敵が沢山いる時に限った方が良さそう。
とりあえず邪魔な木は爪撃で切って……あっ、萎縮が切れた!? でも、麻痺はまだ効いてる! というか、多分だけど麻痺はさっきの体当たりで入り直してるよね!
「麻痺が切れるまでに一気に削っちゃいます! 『連爪』!」
<『連爪Lv1』が『連爪Lv2』に上がりました>
「おぉ、連爪のLvが上がりましたよ! あっ!?」
咲夜 : あ、フクロウが飛んだ。
チャガ : 悪いタイミングで麻痺が切れたか。
G : スキルの発動中じゃなけりゃ、噛みつきが良かったんだろうけど……。
富岳 : 今のは仕方ないな。
サツキ : サクラちゃん、撃ち落としちゃえー!
むぅ、麻痺まで効果が切れて、3連撃の3撃目を当てるのに失敗したよ。麻痺が解けたら、攻撃の最中ならそりゃ逃げるよねー。
「逃がしません! 『放電』!」
ふっふっふ、溜めのない放電は本当に再使用時間が短い! でも、麻痺にはなってくれないんだね! こういう時こそ麻痺になって欲しいけど、これは流石に仕方ないかー!
咲夜 : 何気にサラッと当てていくよなー。
神奈月 : やっぱりサクラちゃんはこの手のスキルは得意っぽい。
「わっ!? なんか! 羽が! 沢山!? 飛んできます!?」
回避、回避、回避ー! 上空から一方的に攻撃してくるとは、このフクロウはズルい! でも夜目で視界が良くなったのと、何度か戦ってきたので森の中での回避は少し慣れてきた!
普通に避けて木に当たるのなら、木も足場にして回避していけばいいのさー! その際にミシミシと音が鳴るけど、それは仕方ないって事で!
「空中にいるからって、調子に乗らないでください!」
そして、木を枝に飛び乗って、そこからもう一段階ジャンプ! 結構な高さまで跳び上がれて森の上まで出た!
フクロウめ、逃がしはしないよ! あ、他の木の枝に降りていったー!? 逃がしはしないって追いかけて、逆に逃げられた!
「完全に跳び損じゃないですか!? というか、回避出来ないんですけどー!?」
ぎゃー!? 跳び上がってフクロウに噛みつこうかと思ってたら、思いっきり逃げられて、逆に空中にいるのが狙われてるー!? 空中じゃフクロウの羽を飛ばす攻撃が避けられないよ!?
ミツルギ : ……なぜわざわざ、敵の有利な位置に?
咲夜 : まぁサクラちゃんだからじゃない?
金金金 : それ以外の理由は必要ないな。
いなり寿司 : 凄い事をしてると思えば、変な判断もするんだからなー。
「なにか皆さん、好き勝手なことを言ってませんかねー!?」
うがー! 変な判断と言われるのはなんか納得いかないから、ここからでも何とかして攻撃に繋げるのさー!
でも、フクロウからの羽の攻撃が痛い! 落ちている最中なのに、狙いが上手くてHPがどんどん減っていくよ!? うぅ、流石は器用なフクロウといったとこだね!
「だったら、これです!」
前に疾走で川の上まで走った手段! すなわち、投擲用の小石を足場にして空中での移動を可能にする!
って、あれ? 駆け上がったり、駆け下りたりはしたけど、空中で自由自在に方向を変えるのはどうやれば……? わー!? 小石を目の前に出したけど、ろくにやり方を考えてなかったー!? それならもうこれで良いや!
「空中で『投擲』を発動です!」
私と一緒に落ち始めた小石を、思いっきり弾き飛ばす! ……あ、躱された。うぅ、狙い自体は良かったのに、相手が避けたら当たらないよ!
「フクロウ、避け……がふっ!」
わー!? どこに着地するかを全く考えてなくて、木の枝の中に突っ込んじゃった!? ぐぬぬ、普通の平地なら今のでも着地は出来たはずなのにー!
神奈月 :おーい、サクラちゃん。大丈夫かー?
イガイガ : 完全に森の上って事を忘れてたよな。
富岳 : だろうな。だが、フクロウからの射線はこれで途切れさせられたな。
ミツルギ : まぁ咆哮か放電が使えるように……って、放電はもう使えるようになってるな。
金金金 : 放電の再使用時間、短いな。
ミナト : その辺が溜め無しで使う利点だしねー!
「……うぅ、酷い目に逢いました。でも、なんとか無事です!」
ふぅ、落ちた衝撃で木の枝をいくつか思いっきり折っちゃったし、HPも半分を切ってて思った以上に弱っちゃったなー。
でも、フクロウからの猛攻は一時的に止まった! ふっふっふ、これぞ私の無意識による回避術! そして私からフクロウの位置はマップで分かる!
「とりあえずこれですね! 『放電』!」
次はちょっと溜めてから、フクロウに放電を当てるのさー! 投擲は外しちゃったけど、放電ならば外しはしない!
咆哮はまだ再使用時間があるし、それまでは放電や投擲を使いながら、木を上手く盾にしつつ凌いでいこう!
「って、一般生物の蛾は集まって来ないで良いですから!?」
シンプルに邪魔だから、虫は来ないでいい! って、あれ? 一般生物って決めつけちゃったけど、本当にそうなの? ……うん、今は気にしない! もうフクロウが私を追いかけて飛んできてるからね!
サツキ : サクラちゃん、フクロウが追いかけてきたよー!
「もう来るとか早いですね! ともかく、放電開始です!」
思ったほど溜めは出来てないけども、それでも当てればダメージにはなる。……回避される可能性も考えて、私に集まってきてる蛾を避けつつ、フクロウの周囲で広がるイメージで!
「やった、当たりました! しかも麻痺が入りましたね!」
咲夜 : おぉ、ここで麻痺が入るのはラッキーじゃん!
いなり寿司 : 咆哮を待つ必要が無くなったな。
サツキ : サクラちゃん、トドメだよ!
「はい!」
ちょっと距離があるから大急ぎで落ちていくフクロウの所まで猛ダッシュ! もう少しすれば咆哮もまた使えそうなタイミングにはなるけど、その前にチャンスが来たなら逃す理由はなーい!
よし、フクロウがまだ麻痺してる間にすぐ近くまでやってきた! ふっふっふ、フクロウも落ちた際にダメージがあったみたいで、もう瀕死状態!
「これでトドメです! 『噛みつき』!」
<成長体を撃破しました>
<進化ポイントを1獲得しました>
<サクラ【器用なライオン【雷】】が成長体:Lv14に上がりました>
<基礎ステータスが上昇します>
<進化ポイントを2獲得しました>
「器用なフクロウ、撃破完了です! Lvも上がりましたよー!」
連爪のスキルLvも上がったし、順調、順調! さー、この調子でどんどんLv上げと進化ポイントを稼いでいくぞー!
「ふっふっふ、順調に育ってますよ、作者さん!」
「ちょいちょい変なミスは混ざるけど、まぁ順調ではあるかな」
「変なミスって言わないでくださいよ!?」
「いや、だって遠距離攻撃の敵相手に、なんで避けれないジャンプをするのさ?」
「……えーと、それは良いじゃないですか!」
「あ、誤魔化した」
「私が頑張って戦ってるから応援してくれるという方はブックマークや評価をお願いします!」
「さらに盛大に誤魔化した」
「それは知りません!」
「……まぁいいか。さて次回は『第128話 回復の手段』です。お楽しみに!」
「次回は採集ですかねー?」