第117話 森の拓けた場所には
サツキさんが私の姉さんで、思いっきり配信を見に来てたのが判明したけど、そこは気にしない! 姉さんに見られて困るような事は一切していないのだから!
「なんか予想外の事もありましたけど、そろそろモンエボのプレイを再開していきますねー!」
サツキ : そうそう! サクラちゃん、頑張れー!
いなり寿司 : 地味にやりにくいだろうな、これ……。
イガイガ : だろうなぁ。
うん、正直に言えばそうだね! というか、姉さんは旦那さんを放っておいても良いのかな? もうそろそろ19時になるし、晩御飯は……あ、そういえば姉さんの旦那さんが料理が得意なんだっけ?
サツキ : あ、ちなみにうちの旦那も一緒に見てるからねー!
金金金 : サツキさん、既婚者である事が確定。
咲夜 : これ、なんて罰ゲーム?
ミナト : うーん、なんというか流石サクラちゃんのお姉さんって感じ?
ミツルギ : あー、確かに。
「ちょっと待って、姉さん!? なんでそうなってるの!?」
まさかの旦那さんと一緒の閲覧だったー!? うぅ、もうそこは気にしないでいこう! それを気にしてたらもう何も出来なくなるよー!
「ともかく、モンエボの方に戻ります! 姉さんはリアル情報を喋るの禁止です!」
サツキ : 今、旦那にも怒られた……。
ミツルギ : だよなぁー!?
サツキ : わー! 待って! 今のはつい!?
咲夜 : 追加で怒られてるのが、思考入力でダダ洩れっぽい。
神奈月 : 本当に、サクラちゃんのお姉さんって感じだな。
うん、姉さんの旦那さん、姉さんの暴走のストッパーはお願いします! ……今度リアルで会ったらお礼を言っておこ。多分お盆辺りには姉さんの帰省と一緒に来ると思うしね。
◇◇ ◇
という事で、何とかゲーム内へと戻ってきた! 休憩のつもりが、変に気疲れした気がするのは……多分気のせいじゃないと思う!
「さーて、夜の森の探索再開です! 確かこの先に拓けた場所みたいなのがあったんですよね!」
皆さんが何かあるっぽい反応をしてたし、この先はちょっと期待だねー! あ、でも中断状態にしたから、スキルの再使用時間がまだあるよ。
まぁ、様子を見に行って即戦闘という訳じゃないだろうし、もし危なそうであれば疾走で逃げるのみなのさー! いざ、進んでいくのみ!
金金金 : さて、何かあるっぽい反応はしてたし、何があるか期待。
サツキ : 同じくー!
富岳 : ん? 金金金さんはともかく、サツキさんも知らないのか。
サツキ : あはは、私がやってた時って急に仕事が忙しくなっちゃって、そのままになっちゃってて、3種族くらいしかクリア出来てないの。それで時間に余裕が出来たから久々にやってみようかなーって思ったら、サクラちゃんが配信を始めたのを見ちゃってね!
ミツルギ : あー、3種族くらいだと、種族によってはここは知らないのか。
「なんか配信の主がサツキさんになってませんかねー!?」
姉さん、私の配信を見るのは良いとしても、乗っ取るような真似は止めてー!? 多分、そんなつもりはないんだろうけど、そうなりつつあるよ!?
サツキ : あ、サクラちゃん、ごめん……。
ミナト : はい、その辺りでサツキさんへの話題は終わり! サクラちゃん、探索再開!
「はーい! それじゃ進んでいきますねー!」
姉さんは相当マイペースだから、油断をすると危険だよ! ミナトさん、流れの誘導ナイスです!
とりあえず、森の中にある拓けた場所に向かって進んでいくのさー! さーて、何があるかなー?
よーし、そろそろ見えてくるけど、何があるのかなー? あ、見えてきた。おー、これは!
「小さいけど湖があるじゃないですか!?」
いつの間にか曇ってたのが晴れになってるし、小さな湖の水面に月も映ってる! これは今日のサムネイルの候補に良い気がするよ! スクショを撮るぞー! うん、撮れた!
金金金 : お、森の中のちょっとした水場か!
イガイガ : ここ、結構良いんだよな。
チャガ : おっす。お、今は森のここか。
富岳 : ……良い所を見逃したな。
チャガ : ん? もう採集を終わらせた後か? その割には平穏そうだが。
咲夜 : それはネタバレー!?
チャガ : だったら何を見逃したんだよ。適応進化は見逃したっぽいのは分かるが……。
ミツルギ : 説明しにくいな!?
真実とは何か : 真実はアーカイブを見る事で分かるであろう。
神奈月 : そうなるよなー。
チャガ : ……本気で何があったんだよ。
「あ、チャガさん、こんばんは! んー、私の口からも説明しにくいので、真実さんの言っているようにアーカイブで見ていただいた方がいいですかね……」
流石に私の姉さんが出現したなんて、私からは説明にしくいよ! アーカイブを残すか微妙な心境にもなるし……。
まぁ明確な個人情報が公開された訳じゃないから残すけども! 幸い、姉さんのサツキというアカウントは仕事用のアカウントじゃないしね! 仕事用だったら、ちょっと危なかった!
チャガ : ……まぁ後でアーカイブも見直すか。
ミナト : うん、今回はその方が良いだろうねー。
「というか、ここって何か採集出来るんです?」
サラッとチャガさんが言ってたけど、なんか地味に気になるよね! もしかして、採集出来るアイテムが明確にあったりするの?
ミツルギ : まぁ、そういう事になるなー。その辺、適当に移動してみるといいぞー。
咲夜 : ここって、採集出来るものが多い場所なんだよ。
イガイガ : そうそう。多少の量の変化はあるけど、確実に何かはあるって場所。
「あ、そうなんですね! それじゃちょっと周りを見てみますねー!」
ここがそういう場所なら、回復アイテムの補充が出来るからありがたい! ふふーん、それじゃどれほど回復アイテムがあるのか見ていこー!
「おぉ、野イチゴを発見です! わぁ、普通のイチゴやブルーベリーもありますよ! 今までのどこよりも沢山生ってますねー!」
湖の周りを歩いて見てみたら、あちこちに果物が大量だー! うふふ、これは嬉しいやつだー!
金金金 : おー、こりゃ大量だな。
サツキ : 良い感じに多めのパターンだねー! サクラちゃん、採集だねー!
富岳 : 毒持ちの果物も混ざってたりするから、そこは注意しろよ。
ミナト : まぁ今回は直接食べる意味がないから、普通に採集しちゃえばいいかな?
「あ、毒の実もあるんですね!? その辺は気を付けますけど、これだけあったらしばらく回復アイテムには困らなさそうです!」
いぇーい! 今回のランダムリスポーンは、大当たりだったみたいだね! そっか、そっか! 回復アイテムにもこういうボーナスステージみたいな場所もあるんだ!
「ふふーん、森は色々と嬉しいの事もありますねー!」
あの虫を集める木みたいなボーナスも嬉しいけど、ほぼ尽き果ててた回復アイテムの補充が出来るのは嬉しいよねー! あの木に横取りされたのは嫌だったけども!
このチャンスを逃すわけにもいかないし、次々と採集をしていくぞー! ふふーん、どれだけの数を採集出来るかなー?
「……ところで、これって敵の警戒は必要ないんですか?」
流石に採集をしていて、背後から襲われるとかは嫌だもんね! そこだけは警戒しとかないと、そう何度も死にまくりたくはないよ! ……今更な気もするけども!
ミツルギ : 今はまだ大丈夫だぞ。
富岳 : 警戒が必要になるのは、採集量が一定量を超えたあたりだな。
咲夜 : まぁ元々いる場合もあるけど、今回はそれじゃない。
ミナト : えっと、イージーなら50個までは襲われる事はないね。
金金金 : あー、そういう仕様か。
「あ、そういう感じになってるんですね! それなら少しは安心できます!」
それなりに採集をしたら襲われるようにはなるみたいだけど、そこまでは安全なのはありがたいね! よーし、とりあえず50個採集するまでは無警戒でも大丈夫そう!
それにしても、イージーならって事は難易度が変わったら襲われやすくなるっぽい? うん、そういう所でも難易度調整があるんだね。
「それじゃ、しばらく採集に専念していきますねー!」
ミツルギ : おうよ!
咲夜 : 夢中になって50個をスルーしそうだから、みんなで要警戒!
神奈月 : そういう事を言うと、また現実の事に……。
イガイガ : あー、確かにあり得そう……。
ミナト : その辺りは私達で見ておけば大丈夫だよ。
富岳 : ま、確かにそれもそうだな。
サツキ : サクラちゃん、ファイトー!
なんか皆さんが色々言ってるけど、こんな絶好のボーナスチャンスを逃す理由はなーい! ふふーん、どんどん回復アイテムの採集をしていくぞー! 毒の実も手に入るといいなー!
「果物が大量です! いぇーい!」
「注意点は言われてるし、気をつけなよ?」
「言われなくても分かってますよー!」
「……一切信用が出来ないんだよなー」
「むぅ、そこは信用して下さいよ」
「あー、逆に何かやらかしてくれるとは信用してるよ?」
「そういう信用はいりません! 私をなんだと思ってるんですか!?」
「何度でも言うよ。ドジっ子だ! もしくはポンコツ!」
「うがー! 何度否定させる気ですかー!?」
「否定したいのなら、それだけの実績をね?」
「何度も返上したと思いますけど!? 返上したと思う方はブックマークや評価をお願いします!」
「それ、ブックマークや評価が貰えなくなるじゃん!?」
「ぐぬぬ、次回でその発言は撤回させるのですよ!」
「……うん、期待しないでおくよ。さて次回は『第118話 果物のボーナス採集』です。お楽しみに!」
「うがー! 作者さんの私への扱いが酷いのさー!」