第106話 小物作りの日曜日
さーて、今日は日曜日! 昨日の配信の後は木の育成の方が長かったから、ライオンはほぼ育ってないねー。
まぁマップは解放出来たし、そこは今日の配信でやるからまぁいいや! ……むぅ、でも速攻死んじゃってるのは不満ではあるけども!
それはともかく、今日は朝から起きて今から配信用のVR空間で使う小物を作るのです! 小物というか、先に家具だね。さて、朝ご飯は食べたし早速……あ、兄さんにちょっと相談した方がいいのかな? んー、多分その方がいいよね!
「……何を廊下で百面相をやってんだ?」
「あ、兄さん! 丁度いい所に!」
「姉さんが作ったあのVR空間は、これから再稼働するから少し待ってろ」
「おー! 流石、兄さん! って、そうじゃない! あ、でもそれも重要だし!?」
「……今度はなんだ?」
「えっと、新しく机とか箪笥とか、そういう小物を作りたいんだけど、やっても大丈夫?」
これはちゃんと確認しておかないと、実際に配置する時に怒られたら困るもんね。下手に手間を増やして、作業料で投げ銭を持っていかれても困る!
「あぁ、そういう話か。先に昨日言っていた容量の削減作業もしてからだが、まぁ小物くらいは……箪笥は見た目だけにしとけよ? 中まで作り込むなよ?」
「えー!?」
「いや、箪笥の中身は必要ないだろ」
「むぅ……出来るだけその辺は気を付けます」
「ならいい。姉さんの作った方も少し調整をかけるから、1時間くらい待っとけ。その間、ややこしい事になるからフルダイブは使うなよ?」
「えー!? 折角、これから作業しようと思ってたのに!?」
「……誰の為の調整だと思ってる?」
「……私の為でした。うー、それならちょっと出かけてくる!」
「……まぁいいが、どこへ行くんだ?」
「ちょっとコンビニに行ってくるー! なんか昨日の夜から、妙にイチゴが食べたいの!」
素朴な味な野イチゴとか、見た目は普通の毒のイチゴとか、そういうのを見てたら普通のイチゴが食べたい気分なのですよ!
でも、昨日の配信の後は晩ご飯だったし、出かける気はしなかったから、今から買いに行くのです! しばらくフルダイブが使えないなら、そういう時間の潰し方もありだよね。
「まぁ構わんが、遠隔で権限だけは繋いでおけ。そうじゃないと俺が作業出来ん」
「はーい!」
という事で、いつものように兄さんが操作できるように権限を渡した! 携帯端末は常にネットに繋がってるから、トラブルでもなければこのままで問題ないはず! 多分!
さーてと、コンビニにはイチゴがあるものは何があるかなー? えーと、投げ銭を電子マネーに換金したらイチゴのスイーツを買うお金はなんとかなる!
「それじゃ行ってきまーす!」
「おう。さて、これで午前中の大半は潰れるか……」
あ、そっか。なんだかんだで兄さんに作業させて時間はかけさせちゃうんだ。うーん、それならお礼も兼ねて、兄さんの分も何か買ってこよう! よし、それで決定!
一番近くのコンビニは歩いて5分くらいの場所! でも、もう夏だから暑いよねー。スイーツコーナーに何があるかにもよるけど、場合によってはアイスも良いかも? まぁ、これは行ってから考えよー!
◇◇ ◇
コンビニから帰宅ー! あー、暑かった! あんまりこの時期は外を歩きたくはないねー。 暑さで溶けるかと思ったのですよ!
ふっふっふ、それでもイチゴ関係のものは良いのがあった! まだ出掛けてから30分くらいで1時間は経ってないけど、携帯端末からでも何かしらの作業は出来るから、作業のお供のおやつにするのだ!
そして、兄さんには少しお高いアイスを買ってきたー! 普段買う事はないけど、今回は投げ銭を換金して大奮発!
「たっだいまー!」
「……思ったより遅かったな?」
おぉ!? 兄さんはフルダイブで作業するんじゃなくて、携帯端末から作業してたっぽい? これは買ってきたアイスを渡すには丁度いいね!
「ちょっと食べたいのが2種類あって、どっちにするのか悩んだ! そして両方買ってきた!」
「……両方買ったのかよ」
「じゃーん! イチゴ大福と、イチゴの乗った豪華なプリン! そして、こっちは兄さんへのお礼です!」
「ほう? 珍しい事もあるもんだな?」
「これでも感謝はしてるんだよー! はい、これー!」
「アイスか。冷凍庫に入れといてくれ。今は目が離せん」
「はーい!」
兄さんがどういう作業をしてるのかは分からないけど、今は邪魔になりそうだから言われた通りにしようっと! アイスは冷凍庫へ保管です!
さてと、それじゃ私は自分の部屋に行って作業を開始! 昨日、姉さんの部屋にある机や箪笥の写真をチェックして、どういう風に作ればいいか確認だね。こういうのは感覚だけでやったら変なのが出来るから、資料は大事!
そこから簡単にどういう形にするかを決めておいて、フルダイブが使えるようになったら実際に制作開始だー!
あ、そうだ! SNSって食べものの写真を載せる人って結構いるよね! 私もちょっと載せてみよー!
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無性に食べたくなったので、買ってきたおやつです!
イチゴのトッピングプリン.jpg
イチゴ大福.jpg
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特にこれを載せる意味もないけど、美味しそうなので皆さんに見た目だけでもお裾分け!
どっちか食べながら参考にする写真をチェックしていこうかなー? 食べたくなって買ってきたけど、流石に両方一気に食べるのはなしだね。作業のお供はどっちがいいかな-?
◇◇ ◇
それから昼までの間に兄さんは私の和室の調整も含めて、色々と微調整してくれたー! なんかよく分からないけど、一応兄さんのやってた作業は教えてくれたね。
とりあえず私の分かる範囲では、見えないところは削られまくりました! 背景を竹林から自作に変えたいって言ったらもうごっそりと! 障子側で外が見えない部分の和室の外側はもう何もなくなったよ! 襖を開けば、ただの真っ白な空間……まぁ仕方ないけども!
その代わりに、背景込みで庭や縁側を作ったりしても大丈夫なようにはしてくれたみたい! ふっふっふ、それはまた今度時間がある時にしっかりと作っていこう!
そして良く分からなかったのは、姉さんが作ってくれたあの憩いの和室のデータをなんか姉さんが作った後に出てきた新しくて比較的軽いフォーマットに変換したとかなんとか? 変換に時間がかかるから今まで放置してたらしいけど、そもそもフォーマットって何だろね?
私の作ったやつも全部揃ってから変換するとも言ってたけど、この辺はよく分かりません! でも、兄さんに任せておけば大丈夫なはずなのです!
「さーて、お昼御飯も食べたし、小物作りを始めるぞー!」
結局午前中はフルダイブ禁止で、実際に作る作業が出来なかったからね! 昼からはフルダイブが使えるようになったから、頑張るぞー!
最低でも今日中に机! 出来れば箪笥と、床の間に置く壺と掛け軸を作るのです! 賭場とか縁側とか障子の外の背景までは流石に時間が足りないと思うしね!
その辺はあと10日ちょっとで夏休みになるから、そこでがっつり作る! ……来週は金曜だけでは終わらなかったテストの解説な授業が多いから、ちょっと憂鬱だけど……。
うがー! 答案の返却はテスト期間が終わってすぐに終わってるのに、まだテストが関わってくるのが嫌ー! 理解できずにおいていかれないようにする為って言ってたけど、正答率が低かった問題の復習授業とかめんどくさい! そんなのは赤点を取った人だけにしてー! ……よし、勉強の事はどこかに投げ捨てろー!
「早く夏休みにならないかなー?」
そうすればフルダイブの時間制限は気を付けないといけないけど、色々出来るんだけどねー! まぁいくら考えても夏休みが早まる訳じゃないけど、再来週の週末から夏休み!
あ、そういや次の週末は3連休だっけ? 確か海の日! それなら夏休みまでに学校に行くのは……えーと、後9日だー!
「とりあえず気分を切り替えて、作業を始めよー!」
午前中に買ってきたイチゴがトッピングされたクリームたっぷりなプリンは作業の合間の息抜きで食べるのさー!
イチゴ大福は姉さんの部屋で撮った資料用の写真を見ながら食べたけど、美味しかったです! 午前中のお供はイチゴ大福の方でした!
あ、そういやSNSで載せたのは……全然知らない人から飯テロって言われてる!? え、あれ、このプリンの方は人気ですぐに売り切れになるの!? そこで文句を言われても知らないよ!?
まぁいいや、その辺はスルーで! うふふ、逆にこのプリンを食べるのが楽しみになってきたのですよ!
さーて、午前中のチェックで具体的にどんなのを作るかのイメージは固まったし、後はフルダイブをして、専用のアプリで作っていくのみ!
出来上がったら見せろと兄さんに言われてるから、遅くても17時半までには完成させたいね! 頑張って小物を作っていくぞー! まずは机から!
「ふっふっふ、ようやく買えましたよ、イチゴのやつ!」
「おー、おめでとう」
「2つ買ったけど、作者さんには分けてあげませんからね!」
「……ほほう? まぁ別に良いし、既に片方は食べてるじゃん」
「もう片方も楽しみです!」
「まぁそれはよかったね」
「はい! という事で、イチゴ大福を食べたいなーと思った方はブックマークや評価をお願いします! 美味しかったです!」
「おーい、その内容で本当にいいの?」
「別に私は問題ないですね!」
「……だろうね。まぁいいや。さて次回は『第107話 家具の追加』です。お楽しみに!」
「ふふーん、プリンが楽しみです!」
「あれ!? そっちなの!?」
「そりゃそうですよー!」
「この暴走主人公、言い切った!?」