いや、分からないっす。
改めて、連続投稿します!
「ようこそ。我らの勇者達よ。」
壮年の男性の声が響く。
目の前には王冠を被り、いかにもな格好をした王様
その周りには側近だろうか、何人も周りに控えている。
俺たち4人は唖然としている。
声が出せない。いや、みんな何と言えばいいのか分からない状態だ。
俺も困惑している。
これはゲームではない?
考えるが寝起きの様な感覚で頭が働かない。
ここは地下だろうか?
薄暗い。そして蝋燭の灯りがやけに不気味だ。
地面は石のタイルだろうか?
やけにザラついている。
これがもし、夢の続きなら教会の地下のはずだ。
でもこの感じ夢じゃない。
何と言えばいいだろうか。リアルすぎる。
その直後
「僕こそが勇者だ!」
その場にはそぐわない声。
いや、興奮が抑えきれない声が響く。
周りの王様と側近は安堵をした様に、朝戸を讃えている。
最初に話したのは、OLの女性だ
「あの、何かの撮影でしょうか?申し訳ないのですが、帰らせてほしいのですが...」
そうですね。と続けるバーテンダー風の男性。
「私もまだ仕事中なので、連絡をさせてください。電話を貸していただけませんか?」
すると、周りの様子がおかしい。
クスクスと笑い始めたのだ。
一歩前に王様の近くにいた恰幅の良い男性が近づいてくる。
「何とも冗談がお上手ですな。帰れませんよ。」
その言葉を聞いた途端、緊張感が走った。
「悪いんだけど、誰か説明出来る人います?状況だけ知りたいのですが!」
翔駒が手を上げて尋ねると、今度は相手側に緊張感が走った事が伝わった。
言葉の端々に、まさか失敗?いやでも勇者は!もしかしたら記憶が混乱して?
あちらはあちらで困惑をしていた。
パン!
突然手を叩く音が聞こえる。
朝戸だ。
「皆さん。1度お城へ向かいませんか?僕が仲間達に説明をします。大丈夫。僕は神さまに選ばれたんです。馬車の用意をお願いします。」
その言葉に少し安堵した顔を見せる。
そのまま俺たちは、促されるままに馬車へ乗り込むの事になった。
地下を出ると、ゲームのデザインと一緒の教会。
勇者が剣を掲げて、怪物の倒す。
その後ろにはエルフ、ドワーフ、獣人が勇者を讃えているステンドグラス。
他にも、魔法使いが魔法で怪物を退治してる絵や天秤のマークがついた壁などなど。
どこか現実感が出てこず、感動を覚えながら
馬車へ案内された。
ガタガタ ガタガタ
馬車の中無言
「あの、良かったら自己紹介しませんか?」
お互い初対面ですしね。とバーテンダー風の男性。
俺たちはようやくお互いの顔を見合わせた。
「そうですよね。みんな同じ被害者見たいなものですし、良かったらね。」
OLの女性も苦笑いをしながら答える
俺はこの時ふと違和感に気がついた。
何か、夢で見た時より若くね?
「では、言い出しっぺの私から、自己紹介をさせていただきます。篠崎竜也-しのざき たつや-と申します。歳は28歳でバーテンダーをやらしてもらってます。」
よろしくお願いします。と頭をかいていた。
「あたしは秋山美玲-あきやま みれい-と言います。OLです。篠崎さんと同じ歳なんですが、篠崎さん見た目お若いですね!」
羨ましいです。と少し恥ずかしそう。
「オレは千崎翔駒っていいます。配達員やってます。思ったんですけど、皆さん夢の中より若くなってません?」
「それは、俺も思いました。俺は水川...「みんなの自己紹介は終わったし本題にはいろうか!」」
俺の声を遮る様に朝戸が馬車の中で大声を出す。
「僕は知っての通り、吉川朝戸!みんなのリーダーだよ!!竜也!美玲!翔駒!この4人がパーティーを組めば最強のパーティーだよ!!」
すこし、イラッとした。
え?何こいつ?俺が見えてないってない?
それにしてもそれは違くないか?
「なぁ朝戸、それは少し露骨じゃないか?」
「はぁ?誰お前?いきなり呼び捨てとか失礼だろ?マナーくらいまもれよ」
その横で吹き出す翔駒の笑い声
「いやブーメラン!朝戸、お前変わらないね。オレとこいつはお前を知ってるから話しかてるんだよ。何でお前は知らない相手に上から話せるんだよ」
ケタケタと笑う翔駒
「翔駒落ち着けって、篠崎さんも秋山さんもすいません。俺は水川甚平-みずかわ じんぺい-といいます。翔駒とは大学の同級生でして、一応そこの勇者とは、大学で1年間一緒でした。」
はぁ!と大きなため息をつく朝戸
「いや、知らないし何?パーティーにでも入りたいの?まぁ、今から説明するから邪魔はしないでくれる?」
何かこいつマジで態度が悪くないか?
篠崎さんと秋山さんも少し、空気が固まる
「みんなは、【異世界ファクターズ】ってゲーム知ってる?この世界はね。異世界ファクターズの世界なんだ!みんなは僕の仲間として女神様に選ばれた存在なんだよ!!」
1人間違えた人がいるけどと、こちら睨みつける。
俺、何かやっただろうか?
「ゲームですか?そのゲームなら知ってますがいきなりそんな事を言われても困ります。それに、吉川さんでしたよね?思い出したんですが、多分中学が一緒でしたっけ?」
「そうだよ!竜也!良くクラスで話してたじゃない!!」
「あぁうん。そうだね。」
困惑する。篠崎さん
また、空気が重くなる。
メンタルが強すぎる吉川朝戸。
「あぁ、多分あたしも思い出しました。高校が?たど思います。」
「ようやく?しょうがないなぁ美玲は!同じクラスだったよね!!」
やばい...
この空気辛い。
何でこんな風にガンガン詰め寄れるの?
色々とおかしくないか?
「大丈夫!ゲームを知ってるなら、話しは早い!女神が言っていたでしょう?真のエンディングをクリアしてほしいって!この世界でクリアすれば願いが叶うんだ!!」
それはおかしい。
「女神様はそこまで言ってないだろ。急に拉致って、クリアを目指せって言っていたんだ。願いを叶えるとは言って無かった。それにゲームであってゲームでないとも...」
俺の言葉に少しキレ気味で反応する
「空気読んでくれない?今からそれも説明するから、それにこのゲームを1番知ってるのは僕だよ!!なぜなら何周もクリアして、公式の設定集も買ってこの世界!ファクターズの事は全部知ってるんだから!!だからみんな!僕についてきてほしい、みんなの3人の力が必要なんだ!!分かるだろ!?」
いや、分からないっす。
見ていただきありがとうございました