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15.フォシュ島

 今回もダンジョンを出た後すぐに飛行船の予約を取り、準備を済ませて、昼過ぎにはもう出発していた。


 ダンジョンキーで確認した次の島のフォシュ島まで、また飛行船で2日以上かかる。

 試験まであと23日だから、なるべく急がないと。


 


《8195+8195の経験値を獲得しました》

《テオ=シェーファーがレベルアップしました》



『ステータス』


《名前》 テオ=シェーファー 

《レベル》101→127

《職業》 ダンジョン探索者


《HP》 110→136(+20)

《MP》 110→136(+20)

《物攻》 110→136(+470)

《物防》 110→136(+20)

《魔攻》 110→136(+20)

《魔防》 110→136(+20)


《経験値》 525/680


《スキル》ダンジョンキー 

     疲労無効

     鑑定

     アイテムボックス

     毒弾

     電纏

     電気弾

     飛斬撃




 ◇ ◇ ◇



 長い飛行船での寝泊まりが終わり、フォシュ島に着くと、外は真っ暗だった。


 ずっと動いてなかったので元気は有り余ってるが、さすがに今から討伐に向かうのもアレなので、宿を探すことにした。


 フォシュ島の飛行船の停まる場所は、街のすぐ近くだったため、ここでは護衛は無しだ。

 さっさと宿の多い通りに向かう。


 その通りを歩いてると、お手頃な値段で泊まれる食事付きの宿を発見して中に入る。


 チェックイン時に支払いをするタイプのようだ。

 アイテムボックスから財布を取り出す。


 だが、そのまま財布を閉じて、アイテムボックスに仕舞い、Uターンして宿の外に出る。


 …金がない。

 

 俺は親が幼い時に亡くなってるため、島から補助金を出してもらってたが、成人すると同時にその補助もなくなった。


 一応自分では、結構貯金してたつもりだったんだけど、思った以上に飛行船代と宿代が重かった。

 もう一泊する分すら残ってない。


 どうしよっか。

 今日は野宿か?


 ………………。


 …あっ。

 しばらく悩んで、本気で野宿を考え出した頃に、補助金以外にまだ金があることを思い出した。

 ネズミ討伐のときの報酬金である。

 

 そういや、あのとき1万リルもらってたんだよな。

 自分で働いて稼いだ金だから、何となく別にしといたんだった。


 また宿に戻り、そこから5000リルを払う。


 ふう。

 とりあえず何とかなった。

 けど、どのみち明日には金が尽きる。


 …しょうがないから今まで取っておいた魔石売るか。


 冒険者以外は買取価格が冒険者の半分近くになるから、試験受かるまでは売らないで置いときたかったんだけど、背に腹はかえられない。

 

 明日の討伐から帰ってきたら、その分も含めて魔石を全部売ることに決めて、飛行船とは違った、フカフカのベッドに横になった。



 ◇ ◇ ◇



 目が覚めると、夜は明けたばかりで、宿の窓から見える外の道には、まだ人の姿は見えなかった。

 

 飛行船で、やることなくて十分すぎるほど寝てたから、さすがに早起きだったようだ。

 まあ、早いに越したことはないので、早速出かける準備をする。


 この島での指令は、アルムゴートとアルムフォックスをそれぞれ50体ずつ。

 これまでも名前そのままだったから、今回もヤギとキツネだろう。

 

 歩いて街の外に出ようとすると、門の横に立ってた門番に話しかけられた。


「こんな朝っぱらからどこ行くんだ?外出たって何にもないぞ?」


「ちょっと魔物を狩りに…」


 うまい言い訳も思いつかなかったので、正直に話す。

 

「おー、兄ちゃん冒険者志望か。大変だろうが頑張れよ」


「え、あっ、ありがとうございます」


 思ってた反応と違って驚いた。

 てっきりこの人も諦めろとか言うと思ってた。


「ハハ、途中で挫折しちまって今のこの仕事してるが、俺も若い時は冒険者目指してたからな。大変さが分かってる分、応援したくなっちまう」


 見るとその門番の目も黒だった。

 

 非戦闘職で冒険者になろうとする人も、ある程度はいる。

 実際に、何年かかけて冒険者になり、それで生活できてる人もいるらしい。


 それでも収入は他の仕事するよりも圧倒的に低く、しかも命懸けなため、どんなに冒険者に憧れてても、ほとんどの人は諦める。

 

「あ、それと、狩りに行くなら森が効率いいが、間違っても奥には入るなよ。あんまり深いとこだと、グリズリーが出る」


「グリズリーですか…」


「ああ、どちらかと言えば弱い方だが、一応Eランク指定されてる。さすがにキツイだろ」


「そうですね。気をつけます」


「おう、ちゃんと帰ってこいよ」


 門番に見送られて街を後にする。

 いい人だったな。


 さっき言ってたランクってのは、冒険者ギルドが魔物をその強さごとに分けたものだ。

 冒険者にもランクがあってそれに対応してる。

 EランクのグリズリーはEランク冒険者向けってこと。


 ちなみにEランクは下から二番目だ。


 一番下は見習い冒険者で、ランクをつけられてない弱い魔物を倒して経験を積む期間。

 半分くらいの人は試験の結果で見習いは免除されるらしい。


 まあ要するにEランクは、冒険者試験を上位で合格する人たちが何とか倒せるレベルってことだ。

 非戦闘職でいうと、二年くらい最大限みっちり鍛えてようやくって感じ。

 

 それを倒すのはさすがに厳しい。

 ちゃんと言いつけ守って、森の浅いところで狩りしとこうか。

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