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13.階層ボス

 相手のがステータス高いから、迂闊に近づくのは危ない。

 幸いスキルに遠距離攻撃はないようなので、まずは毒弾を撃つ。


 命中。

 普通の羊よりちょっと速い程度で、動きのパターンは同じみたいだ。

 こいつらになら当てられる。


 毒弾の発射速度は結構速い。

 今までは的が小さかったから、なかなか当たらなかったけど、羊はそこそこでかい。

 俺の腰くらいはある。


 このサイズなら、動いてる最中ならともかく、止まってる状態からなら、かわしきれない。

 初速からそんなにスピード出せるような魔物なかなかいないだろうし。

 

 実際、俺もポイズンスライム戦の時かわせてなかったしね。

 

 バチバチバチ。


 音に反応して黒羊をみると、毛のところから電気が見える。

 多分、スキルにあった電纏だと思う。


 黒いモコモコってのもあって、見た目は雷雲って感じ。

 毒弾食らって怒っちゃったかな。


 そして、その電気を纏った状態で、普通の羊同様の高速突進。

 

 スッ。


 白羊よりは速いけど、やっぱり直線的。

 距離があれば、かわすのは難しくない。

 そのままのスピードで俺の横を通り過ぎていった。


 少し離れたところでやっと止まる。

 そこで俺の方に向きを変える。

 その間に毒弾。


 勢いよく飛び出した毒弾は、またもや黒羊の横面に当たる。


 さらに怒った黒羊は、電纏使ってもう一回突進してくる。

 それをかわして遠くから毒弾。


 《HP》84/135


 …こいつアホなのかな。

 これ続けてれば絶対負けないじゃん。

 

 そして、この戦い3回目の突進。

 しかし三度目の正直ってこともなく、今度も楽々とかわせる直線攻撃。


 止まったところに合わせて狙いを定める。


「…あれ?」


 毒弾が出ない。

 いつも通りにやってるはずが、左手からは何も出てこないのだ。


 そうこうしてる内に黒羊の体勢が整ってしまった。

 気を取り直して何とか突進をかわすも、やっぱり毒弾は出ない。


「……MP切れか!?」


 急いで自分のステータスを確認する。


 《MP》4/75(+20)


 やっぱりそうだ。

 確か毒弾は一発あたり7だったはず。

 

 …アホは俺もだったな。

 これまで大量にMP使うことなかったから、残りなんて気にしてなかった。


 仕方ないから短剣で戦うか。


 腰につけたホルダーから短剣を抜いて構えると、おなじみの突進攻撃が来る。


 もちろんかわすが、さすがに白羊にやったみたいに、突進に合わせて斬るとかはする余裕がなかった。

 

 横を通り過ぎるのを確認すると同時に、後ろを追いかける。

 すぐに突き放されるが、止まるために徐々に黒羊は減速し、距離が詰まっていく。


 完全に黒羊が止まる頃には、すぐ近くまで迫っていた。


 振り返った黒羊は、目の前に俺がいるのを見て、一瞬驚いたように硬直する。

 その隙に短剣を黒羊目掛けて振り下ろす。


「痛っ」


 短剣が黒羊の体を捉えたと思った瞬間、右手に電気が走ったような痛み。

 ていうか実際に電気が走った。


 まだ突進の時の電纏を解除してなかったのだ。

 そりゃ金属製の剣で攻撃したら電気も流れる。


 まあでも、痛みの割にダメージは6でそんなに高くない。

 我慢して攻撃するしかないか。


 まだ近くにいた羊は相変わらず、電気を出しっぱなしにしてる。

 

 しかし、それを気に留めず思い切って斬る。

 毎回斬るたびに襲ってくる痛みに耐えながら、怯まずに攻撃し続けた。


 何度か羊の攻撃を食らうが、近くからのあまり勢いのない突進だったため、そこまでHPは減ってない。

 無視して斬りまくる。



 そして2分後。

 俺の前には、倒れて動かなくなった黒羊と、ダンジョンに入ってくる時のと同じようなゲート。


 黒羊のHPが0になると同時に、すぐ近くにゲートが現れた。

 やっぱりコイツが階層ボス的な魔物だったみたい。


 黒羊から魔石を回収して、早速ゲートに入る。



 ◇ ◇ ◇



 ゲートの奥は、八畳ほどの何もない空間になってた。

 最初のダンジョンみたいな薄暗さと土の床と壁。

 

 四角形の部屋の対象な壁に二つのゲートがついてる。

 片方はさっき入ってきたゲートで、もう一個は多分2階層に行くやつだと思う。


 一応、ダンジョンには階層ごとに休憩場所みたいな所があるみたい。

 ありがたい。

 疲労無効とは言っても、眠気とかは普通に来るからね。


 なので、この部屋もありがたく寝床に使わせてもらいます。


 元の家から持ってきた布団を、アイテムボックスから引っ張り出して、その上で横になる。

 おやすみなさい。





《8045+8045の経験値を獲得しました》

《テオ=シェーファーがレベルアップしました》



『ステータス』

 

《名前》 テオ=シェーファー 

《レベル》66→101

《職業》 ダンジョン探索者(シーカー)

 

《HP》 75→110(+20)

《MP》 75→110(+20)

《物攻》 75→110(+20)

《物防》 75→110(+20)

《魔攻》 75→110(+20)

《魔防》 75→110(+20)


《経験値》 60/550


《スキル》ダンジョンキー 

     疲労無効

     鑑定

     アイテムボックス

     毒弾


 

 

 

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