055
やらかしましたorz
12時更新時に54話を重複更新してました。14時修正済みです。
今日は金曜日!
明日は週末だぜでも1,2限目あるんだぜヒャッハー!
講義の選択失敗したな……。
さて、ボランティアという名の、建てた家に入居するNPCから家賃収入を得ようとするなんとなくあくどい大工らがやってきてから丸二日。
二日と言っても現実での二日なので、ゲーム内で言うと八日も経っている。
俺がログアウトして勉強したり寝ていたりする時間も、彼らはせっせと働いている。もちろん、ゲーム内の夜は活動せず、朝から夕方までだ。
この八日間で、大工NPCが作ったのは住宅六軒、アパート二軒。アパートは六部屋あり、ひとつひとつは小さいのでひとり暮らし向けか? と思ったら、普通に夫婦NPCとかが住み着いた。
で、俺たちプレイヤーはというと……。
「お、クー遅い」
「いやいや、これでも大学終わってダッシュで帰って来たんだぞ」
「クーやん、おか」
「バムート、こんー。じゃあ晩飯前に仕上げしようぜ」
「うむ」
「あ、手伝います」
「おお、ありがとう」
バムートとドミンゴ、それにフレナの四人で最後の仕上げに取り掛かった。
建てているのは――冒険者ギルド!!
これは立派な物にしたかった。
結果的に、この町一番の建造物になっている。
町の総面積がそう広くもないので、ギルドは思い切って三階建てにした。
一階はクエスト掲示板やパーティー募集掲示板用の階に。
二階は完了したクエストの報告用の階。NPCのギルド職員がカウンターの向こうにずらーっと並ぶ予定。
三階は委託販売系の階だ。委託をしたい人、出品されたアイテムを見たい人。どっちもこの階で済ませられるようにしたい。
そして、三階建てなので階段を上るのが面倒だ!
という人の為に、エレベーターNPCも配置される優れものだ。
というか、二階建て以上だと、勝手にそういうNPCが配置されるようだ。
この辺りはミャーニーからの情報になる。
建物の形と一階、二階部分の壁、それに三階の一部まで完成している。
あとは残りの三階壁と屋根を塗れば完成だ。
筋力が欲しいというドミンゴとフレナさんに壁材の設置を任せて、俺はバムートと一緒にペンキ塗りに取り掛かる。
「ひょー……高所作業帯とか欲しいねぇ」
「三階の屋根はさすがに高いなぁ」
びくびくしながらローラーをコロコロ。
雑貨屋や住宅と違い、塗る面積も広いので案外時間掛かるなぁ。
一時間ちょいを掛け、屋根の色塗りが完了!
他と違って、ちょっと明るい青にしてみたけど……。
「わぁ、ギルド出来てますね!」
「お、ティト君。屋根の色、どうよ?」
「私は水色の屋根のほうがよかったなぁ」
リリーチェさんそう言うけど、冒険者ギルドってもっと重厚そうなイメージなんだよね。
あと水色だと他の建物と比べて浮きすぎるんだよ。周囲が紺色とかそういうのばかりだから。
「中もほぼ完成~」
「あ、お疲れ様ですフレナさん」
「あとはカウンター台とか設置すれば完璧だぜ」
「ドミンゴもおつおつ」
「一時間で筋力上がったのは嬉しい。ほんと、最初のころは生産で筋力上げが正解ね」
正式サービスが開始されて十二日目。
駒田も言っていたけど、最初のころは大工作業なんかで筋力アップが早いとのことだった。
ただ生産で上げられる筋力に限界がある――そんな噂もあった。
実際、俺の筋力はこの二日間で4しか上がってない。
今のステータスが……。
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名前:クー
HP:350→550/550 MP:75→100/100
筋力:27 耐久:10 魔力:3
【獲得スキル】
『夜目:LV4』『鷹の目:LV1』『逃走:LV2』
『採取:LV3』『掘削:LV3』『採掘:LV2』『伐採:LV4』
『調薬:LV3』『加工:LV1』『製錬:LV1』『錬成:LV1』
『分解:LV1』『錬金:LV2』『成形:LV3』『解体:LV2』
『木工:LV3』『大工:LV5』『栽培:LV1』『農耕:LV1』
『石工:LV1』『釣り:LV1』『鑑定:LV2』『植林:LV3』
『料理:LV1』『彫金:LV1』『エナジードレイン:LV2』
『エナジーディストビュー:LV2』
SP:723
満腹■■■■■■■□□□空腹
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もしかすると、筋力30で打ち止めになるのかなぁ。
今のところは、このクエストの町の住民の中で一番筋力高いんだけどさ。でも上がりにくさは実感してる。
戦闘だと永続的にステータスを上げられるシステムなのか?
まぁ俺としては今の筋力で十分なんだけど。
「よぉーし。んじゃあ小物は夕飯のあとで作ろう!」
「あ、俺は夜パスだわ。ゴブリン森に行ってみたいからな」
「あー、私も行きた~い」
「僕も!」
「よしよし。じゃあ俺は保父さんだな」
ドミンゴと双子は森に行くのか。
あそこ、奥に行くと更に強いゴブリンが居るんだよな。
俺もワオールと一緒に行って、二人じゃマズいと思って退散したぐらい、強かった。
フレナさんも他のメンバーと一緒に隠しダンジョンに行くと言う。
で、バムートと俺の二人で、カウンター作りをする――ってことで一旦ログアウト。
ご飯を食べ終わりシャワーも済ませ……バムートとは八時半に待ち合わせをしている。
もうちょっと時間あるな。
部屋でお腹を休めるついでに、パソコンで公式サイトでも見ようかな。
なんか新しい情報でも無いかな――お……おおおぉぉ!?
なんだ、このお知らせにある『大型アップデート』って!
何々?
騎乗用モンスターの実装!?
え、人間の全力疾走の五倍の速さだと!!
おぉ、これでより遠くへ――別の町へも移動が容易になる――と。
あ、新しいダンジョンの実装とかあるぞ。
へぇ。どんなダンジョンなんだろう。
【マッチング式ダンジョン】?
ダンジョンは各町や村から入場可能? 専門のNPCが配置されるのか。
うちのクエストにも来てくれるのかなぁ。
で、そのNPCに話しかけ、パーティーを募集するか、募集されているパーティー参加するのかを選ぶことが出来る。
募集する際はどの役が必要かを入力するみたいだな。
役ってのは――。
剣や槍、斧とかが【物理接近職】扱いにされ、弓は【物理遠距離職】。杖だと【魔法職】だ。
スキルに【ヒール】があるかないかで、攻撃魔法か支援かに分けられる仕組み――ふーん……難しいことはよくわかりません。
パーティーに参加すると言っても、募集一覧から選べるわけではないようだ。
システム側でステータス値を基準にして、近しいレベルの者同士がマッチングされるようになるみたいだ。
知らない人同士でダンジョン攻略。そういう狙いなんだろう。
しかし、これだと俺って物理接近職になるんだな。
あ、獣魔やテイミングモンスターについても書いてある。
パーティーは最大で5人。その数に獣魔やテイミングモンスターは含まれない。
だから獣魔持ちの俺が参加した場合、パーティー構成はプレイヤー5人+ワオールってことになる。
おぉ。人数多いと何かと有利じゃないか?
ただ人数多いと、その分敵を倒すのも早くなるってことで。これにはメリットとデメリットがある。
スキルレベルを上げるためには行動しなきゃならないが、敵をアッサリ倒してしまったらその行動回数が減ってしまうことになるからだ。
更に人数が多ければ、スキルポイントの分配人数も増えるってことで……。
「ワオールが邪魔だって言われなきゃいいんだが……あ」
マッチングパーティーが出来上がればダンジョンへ移動するが……その時にパーティーを抜けることも出来る?
つまり――。
こんなパーティー嫌だ!
そう思ったら抜ければいいってことか。
「それって地味に……お前がいるから嫌だって奴出そうじゃないか?」
マッチングダンジョン。
なんて恐ろしいシステムなんだ。




