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016

 区画地図。

 80×100メートルのセーフティーゾーン内は、四つの区画に分けられていた。

 右上、右下、左上、左下。


「壁の外周と、それぞれの区画との間には幅10メートルの道がありますミャ」

「それって絶対条件?」

「はいミャ。あちこち自由に建てて行くと、ある程度の規模になったとき、タウンマップを作成するのに苦労しミャすミャ」


 なるほど。後々のことを考えて整地するのか。

 とりあえず中央の十字路にはやっぱり――。


「にゃんごの店はここに建てよう。中央って言ったらやっぱり利便性が一番高いし、お店だよな」

「こ、こんな一等地ニャか!?」

「中央部に店舗を持ってくるのは、正解だと思われますミャ。お向かいに武器防具店などあるといいですミャー」

「図書館も欲しいから、住居系は外周に近い所の方がいいだろうな」


 ミャーニーもその意見には賛成のようだ。

 住民が増え、彼らが畑仕事を始めることを考えると、出入りしやすい場所――がいいんだとか。

 出入口、もう一つ作った方がよかったかな。

 まぁ追々だ。


 にゃんごの店舗は右上区画の中央よりに決定!


「ではここに『雑貨屋』店舗の建設予定地としますミャ」

「お願いしまっす」

『ワフゥ』


 ミャーニーが広げた区画地図に『雑貨屋予定地』の記入が入り、他とは違う色に変わる。


「だいたい7×7メートルの敷地面積になりますミャ。それに合わせた店舗設計図の参考はこちらですミャん」

「広いのかどうか、いまいちわからないけど……雑貨屋だとこんなもんなのか?」


 見せて貰った図面には、一階建ての家だ。

 上下に分断された物で、上が住居スペース、下が店舗スペースと書いてあった。

 ご丁寧に寸法まで書かれていて、住居スペースは10.5帖、店舗は7.5帖。建物そのものは546×546センチの正方形だ。


「ニャー。これで十分ニャよ。これなら家の裏手に花壇なんかも作れるニャー」

「そっか。にゃんごが良いならそれでいい。じゃあ建設に取り掛かるか!」


 と、その前に――。

 きっとまたお金が入用になるだろうから、駒田にメッセージっと。

 

【クー:テスト】


 あ、繋がった。

 返事は直ぐに返って来て、ポーション出来たから買い取って欲しいとお願いする。

 今は空き瓶代すらないからアレだが、出来ればポーションを買ってくれる知り合いいないかも尋ねてみた。


【マッキー:金策か? 狩りしてんのか?】

【クー:してる。ワオールが。でも素材はなるべく残しておきたいんだ】


 それでもお金が足りないから、仕方なく売った素材も多い。


【マッキー:物作り魂か。まぁ仕方ないか。ダンジョンでもあればな】

【マッキー:ダンジョン産ドロップは結構高値で売れる】

【クー:ダンジョンとか見たことない】

【クー:とりあえず今は家建てるため金が欲しい】

【マッキー:本気でいちから町を作る気なんだな……】

【マッキー:まぁいいよ。ポーションなら俺がまとめて買っとく】

【マッキー:代理販売してやるけど、お前から買った20Gそのままで売ると】

【マッキー:他のポーション屋から恨まれるんで】

【マッキー:28Gにするけどいいか?】


 安すぎるのもダメなのか。まぁ駒田が恨まれても可哀そうだし、それでいいか。

 とりあえず三十本は駒田用に600Gで。残り十本を280Gで買って貰った。

 うほー、やりぃ!


【マッキー:冒険者ギルドを建てた方が良いぞ】

【クー:なんで?】

【マッキー:ギルドだとな、代理販売してくれるんだ】

【マッキー:別の町で登録された商品も買えるからさ】


 マージーでー!

 それいいな。

 確か他のお客ニャん――あ、やべ。にゃんごの口調が移ってる――とにかく他にプレイヤーが増えなきゃ建てられない。

 でもそうなると俺の夢の王国が……。

 まぁにゃんごの家が建てられれば、あとは他のプレイヤーと協力して建設ってのもいいな。

 そうして壁を増設して、建物も増やし、いつかは天下一の町にしてみせる!


 夢はでっかく広がリング。


 ポーションが出来たらまた連絡すると言って駒田とのチャットを終え、ついににゃんごの家建築に着手する!

 さて、どんな家にするか。

 そりゃあ丸太小屋でしょう!

 それともちょっとお洒落に煉瓦の家?


「うーん。にゃんごって煉瓦の家って感じじゃないよな」

「どんな感じニャか?」

「うーん……先端が玉ねぎみたいな形の……」


 いかん。アラビアンナイト風が頭から離れない。

 あんなの作ろうと思ったら、いったいどんなスキルが必要になるんだ。

 それに一軒そんなの建てたら、全部揃えないと景観が悪くなってしまう。

 却下だ却下。


 全体を考えよう。


「建物の外観は、大工スキルで建設から一覧を見れますミャよ」

「え? 用意された外観から選ぶのか?」

「まぁそもそも建設って、ある程度パターンがありますミャから」


 言われてみればその通りだ。

 試しにスキルを開いて概観一覧を見ると、丸太や煉瓦の家はもちろん、土壁、板壁、それらをミックスさせたものと、多彩にあった。

 ふんふん。イメージが湧いて来たぞ。


 にゃんごの家は土台が煉瓦模様で、壁はベージュの土壁。それに木枠なんかをはめ込んだ、ファンタジーらしい外観にしよう。

 屋根はくすんだ青がいいな。


 そんな妄想に夢を膨らませながら、妄想で終わらせない為にスキルを発動!

 まず建物の用途を求められた。

 一覧に雑貨屋ってのがある。これを選択すると、次は外観だ。

 立体的なホログラム映像が浮かびあがる。

 フリックすると次の外観という具合に選択できた。

 それを選ぶとカスタマイズに移る。

 ホログラムに触れ、壁材の変更も可能だ。


 全部の設定が終わると、最後に必要な素材数が出た。


 うん。全然足りない。

 具体的には煉瓦だ。

 実際に煉瓦の壁ではなく、土壁に貼り付ける形のようだ。なので薄っぺらい煉瓦でもいい。

 竈でどんどん焼かなきゃな。


 やること一覧。


 ・煉瓦を作る。その為に土を掘り、粘土に錬金しなきゃな。

 ・木材を大量に作る。これは柱や床板、外観の枠用だ。あぁ、あと屋根。

 ・顔料を作る。もちろん屋根用だ。青い顔料が材料にあった。顔料と言えば鉱石……だな。


 あぁ……ブロック塀用に開けた穴。塞がなきゃな。


 そうこうするうちに、ゲーム内では夜が訪れた。

*マッキーにポーションを売る際のセリフ(マッキーの)を一部変更しました。

話の流れは一切変わっておりません。


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