スピンオフ~ヨルム様の見ていない世界~3
この作品は「ヨルム様の独り言日記」のスピンオフです。
本編はこちら
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本編が殺伐としているので、この世界のヨルムと主人公であるアルファズルが見ていない世界をお楽しみください。
素敵な素敵な情報屋さんの一日
情報屋。それはこの世界のありとあらゆる情報を集め、それを必要な人に教えてあげたり、時に
依頼として受けてあげる素敵な情報屋さんなのである。
そんな情報屋さんはまず、
「んがーーーーーーんごごごごごごごごごごごご……………」
森の中で寝ていた。そう、情報屋さんは自然の中にも潜む情報を集める事もしているのだ。決して街
の中に家がなかったり、いちいち税を取られるのがめんどくさいから野宿している、のではないのだ。
「ん、ご、ごほ、んあーーー…………あ?あー」
脱いでいた鎧、「重鎧熊―Ⅲ」と彫られている鎧を洗う為、川へと向かう。
「ふーんふーーんふふーんふふふふーーん」
正直洗うのはめんどくさいが、臭くなるので仕方がない。
「おい、おしまい!」
また寝る。
そうして、気が付けば日が暮れていているのだ。
日が暮れてからが情報屋さんのお仕事だ。鎧を着て森から出る。この鎧を着ている間はなんと
転がって移動する事が出来るのだ。この鎧も遺跡から発見された物なので、情報屋さんにもさっ
ぱり仕組みは分からないが、とにかく速く移動出来てしかも物音もしない、非常に便利なのだ。
こっそりと不法侵にゅ、ではなく、もう門が閉まっている為門番さんの仕事を増やさない為にも
自力で壁をよじ登るのだ。もちろんもう暗いからね静かにしないとね?騒ぐとめんど、迷惑掛かるからね。
「ぐへへへへ、ねーちゃん!おいねーーーーちゃんよ!もう1杯!いっぱいくれや!!」
「はいはい」
「なあ聞いてくれよ俺にはな、あんたくらいの美人でかわいい娘がいてな。これがもーーどうしようもないくらい可愛くてよおお?なあ、おい!」
「それは良かったわね」
「でよお?おめえさんも俺の娘にはかなわねえがべっぴんじゃねえか。嫁さんともよ久々で最近娘にも会ってねえ。寂しくて寂しくてよお。どうよ?」
「なにが」
「だからさあほれ、ぐへへへへへへ」
「ち、」
やった!投げキッスもらっちゃった!なんかすげー睨んでたが間違いない、後でもいっかい口説きに行こう。うん。
「それよりも酒だ酒もう1杯っ!」
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そして日が昇った。
「すん、すん、うぐ、んー…」
こうして、情報屋の一日がまた、始まるのだった。
読んでいただきありがとうございました。
この度、本編では回収できない部分ですね、世界観というか、本編では××でしまったキャラ達がいますので、彼らの活躍を書けたらな、と思います。
まあ、情報屋のおっさんに関しては愛されキャラという事で今後の活躍を見てもらえれば。
よければ本編「ヨルム様の独り言日記」もどうぞ。