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第5話 盗賊団との戦闘

ご指摘を頂いた第1話を修正しました。

ありがとうございます。


あと、今回は少し短めです。


——やはり、流れ人のステータスは異常なようで、常人の最大レベル(だいたい150前後)でのステータスとLv.18の俺のステータスが同じくらいらしい。


しかもガントいわく、

「流れ人はレベルの上限がない、もしくは飛び抜けて高い。」

そうで、歴代最強の流れ人である金剛由美(たぶん俺の母親)のレベルは400を超えているらしい。


単純な上限レベルだけでも少なくとも一般人の3倍近く、しかも俺と同じように【勇者補正☆】を持っていたらレベルアップ時のステータス上昇幅に補正が掛かり、他のものよりも早く強くなる。


「自分で言うのも何だけど、流れ人ってのは他の人からしたらズルい生き物なんだな……」


「そうだよな〜っん!?


…………ど、どうも〜」


呑気に喋っていたアルターが急に変な声を上げたと思ったら、いつのまにか俺達はヤ〇ザみたいなイカツイおじさん達に囲まれていた。


まぁそりゃあそうだよな。敵のアジトの近くで長々と無駄話をしてたんだから、気付かれてあたりまえだ。


そのヤ〇ザ……じゃなくてたぶん盗賊団のメンバーのうち、一番体が大きく、目つきの悪いおじさんが地を這うような低い声で言った。

「……おい兄ちゃん達、こんな所でなにしてんだ。

俺らに何か用でもあんのか、オォウ!?」


怖い。すごく怖い。

いつも脳天気なアルターでさえ顔を青くしている。それほどの迫力だった。



「あー……よし、逃げるぞ!」

「させるわけねぇだろ!」


逃げ出そうと、先程の巨漢がいる方の反対側にダッシュした俺の目の前に、俺2人分くらいの横幅がある屈強な盗賊が立ちはだかる。

なまじ俊敏性が高すぎるせいで俺の頭の反応速度が付いていかず、盗賊にぶつかってしまった。


ドッサァァアアアン!


「いたたたた……くないな。あれ?」


俺はてっきり、弾き飛ばされるか捕まって地面に叩き込まれると思っていたのに、何故か相手の方が吹き飛んでいた。


—あっれぇ……?

不思議に思っていた俺に、盗賊のひとりが叫んだのが聞こえた。


「アイツ、見た目の割にレベルたけぇぞ!気をつけろ!」


あ、ああ〜なるほど。

そうかここは日本じゃない。レベル制度がある異世界だった。

そして俺は流れ人だった。


「そういやアイツら、さっき流れ人の話をしてたような……」

「まさかアイツ流れ人なのか!?」


どうやら俺達が囲まれたのは会話の後半だったらしく、俺が流れ人だという事に今更気付いたらしい。


先程の巨漢が前に出てきて構えを取った。

奴の構えは、剣を体の前で立てて相手に対して半身に構える八相の構えという、ちょうど野球のバッターの構えみたいなものだった。


なぜ剣道の構えの名前を知っているかというと、俺は小学校の頃に親父には内緒で柔道、剣道、空手道の道場に通っていたからだ。

月謝なんてもちろん払えないので、三つの道場を一日づつ順番に妹と放課後に掃除をすることで特別に許してもらっていた。今考えると、いい先生達だったなぁ。



—なんて無駄な思考は置いといて、今は目の前の敵に集中だ。

俺はガラティーンを正眼に構えて相手の間合いを図るために、ジリジリと近づいた。


相手が立っているところのちょうど3mほどの地点まで近づいた時、不意に相手の姿が消えたと思ったら、次の瞬間に俺の左側から切りかかってきた。


「うわっ!」

俺は制御できるギリギリのスピードで左足を引いて、ガラティーンで敵の攻撃を防いだ。


力で押し込まれそうになったら右に受け流して空いた背中に切り込む……つもりだったのだが、縦にも横にも俺の1.5倍くらい大きい巨漢の一撃は、意外と軽かった。


もしかして牽制のつもりか?

と思ったのだが、よく見ると巨漢の盗賊は顔を真っ赤にするほどに力んで俺の剣を押し込もうとしていた。


——え、うそ、弱っわ。



龍斗は知るよしもなかったが、これでも巨漢の盗賊の物理攻撃力は1000を超えている。

エルフ3人組ならなす術もなくぶった斬られる、もしくは吹き飛ばされる程の力だ。


だが、イーグレッドを倒して大幅にレベルが上がった龍斗の物理防御力は3000オーバーになっており、簡単に受け止めることが出来たのだ。

相手の動きが見えなかったのは、単純に龍斗がまだこのスピードの戦闘に慣れていなかったからだ。



当初の予定通り、龍斗は巨漢の盗賊の剣撃を簡単に受け流し、巨漢の盗賊を縦に真っ二つにした。


「なっ…!?

ランサーさんがやられたぞ!

みんな逃げろ!」


へぇ、あの大きいの、ランサーって名前だったんだ。

なんて思いつつ、散り散りに逃げる盗賊をエルフ3人組と協力して斬りまくっていると、盗賊団のアジトからいかにもボスです。みたいな強面の男が出てきた。

手には大きな針が三本付いたナックルを着けている。


ボスは死屍累々と化した仲間を見て更に顔を強ばらせて吠えた。

「こいつらをやったのはテメェか!ぶち殺す!」


巨漢の盗賊よりも更に速いスピードで突っ込んできたボスにスキル【剣道】を使ってボスの額を一突き。

頭を穿たれたボスの拳は空を切り、そのまま力なく倒れた。


その後、盗賊団のアジトの中を調べたが嬲り殺された女性の死体が幾つか転がっているだけで捕虜も盗賊も残っていなかった。


俺達は女性達の死体を並べて寝かせて近くにあった布を掛けて、アカネ村に戻った。




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