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『TLS第四話』  作者: 黒田純能介
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伝令


「おはようございます~」


浅野が勢い良くドアを開け挨拶をする。


「………」


如月は無視を決め込む。


「あの…如月さーん?」




……コイツ、昇格してから更にうっとおしい男になったな…。




あれやこれやと返事を返させようとする浅野に、如月は溜息を吐いた。


「ヘイ!ミス、キサラギ?」


「やかましいっ!」


突然怒鳴る如月に、浅野が後ずさる。


「す、すいません…」


「………」


このままでは埒があかないと悟ったのか、浅野が観念する。


「えー。という訳で」


懐に手を伸ばし、


「伝令届いてました」


取り出した封筒をひらひらとさせる。


「先にそれを言え。……呼んでくれ」


「はい。…えーっと…『ようやく準備が調った。早速だが布津君の所在が掴めた。』」


二人が顔を見合わせる。


「『場所は都内の中央区にあるセントラルビル。どうやら敵の本拠地である事が判明した。布津君はそこに囚われているらしい。直ぐに向かってくれ。尚、現地にて補充人員と、それとは別に助っ人を用意する。何としても彼を取り戻せ。以上』」


浅野が手紙を閉じる。ふと、如月を見やった。


―――鋭い眼光。その裏の思考は読めなかった。


「…行くぞ」


側に立て掛けてあった、刀を手にする。




―――妖刀、『黒鴉』…。かつてあの男が手にしていた刀。


今の主人は囚われの身、か。呪われた刀よ。




それを背中にくくり付ける。更に、側に置いてあった包みを拾い上げ脇に抱える。


浅野は既に準備を終え、携帯電話で何処かと通話をしていた。


「…はい。手配をお願いします。では」


終話ボタンを押し、如月に向き直る。


「現地までの移動手段確保しました。十分程で到着するそうです」


「…分かった」


如月は立ち上がると、出入り口へと向かう。遅れて浅野が後に続く。


「………?」


ドアを開けた所で、如月が立ち止まる。


………何か落ちている。…封筒だった。


「あれ…?伝令はあの一枚だけだったしなぁ?」


浅野が首を傾げた。如月がその封を切る。

中には一枚の写真。そこには…


「「!?」」


二人に戦慄が走った。


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