表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『TLS第四話』  作者: 黒田純能介
14/28

狂犬


ババババババ…。


ビルの屋上。爆音を響かせながら一機のヘリがホバリングしていた。


ヒュッ。


そのヘリから飛び降りる影が一つ。


ズダンッ!


十メートル程の高さがあるにも拘わらず、屋上に事も無げに降り立った。


「ん~。まだ風が冷たいねぇ…」


飛び降りた男は、天を仰ぎながら呟く。ヘリは既に飛び去っていた。


「招かれざる客人よ」


背後から声。気怠そうに振り向く。


「ああ?」


そこに、忍者が居た。


「ハッハ!…随分と寂しい歓迎だな」


男は大口を開けて笑う。


「直ぐに立ち去れ。…さもなくば」


男が耳をほじくる。


「…さもなくば、何だろうねぇ?」


小馬鹿にした態度にも守名は動じず、


「排除する」


言うや否や、懐から棒手裏剣を投げるっ!


「…ハン」


カキキンッ!


男は手にしていた剣を一閃させた。手裏剣が足元に転がる。


チッチッチ、と顔の前で指を振る。


「そんな子供騙しじゃ、おもてなしとは言えねぇなぁ」


男は剣の切っ先を守名に向ける。


「抜けよ。まさかアレでネタ切れって訳じゃねぇだろ?」


「………」


守名が無言で背中の刀に手を掛けた。


…身が竦む程の殺気が漂い始める。しかし男は涼しい顔だ。


「お~。怖い顔しちゃって。歓迎は楽しく頼むぜ?」


ヒュンッ!


再び手裏剣が飛来する。


「フェイクか」


男は身を捻って手裏剣を躱すと、大振りに剣を振るう。


ガギャンッ!


守名の振り下ろした刀から火花が散る。


「おっ。ビンゴ!」


男はさも楽しそうに手にした剣を弄ぶ。


「まぁだまだ。遊び心が足らねぇな」


「………」


ヒュンッ。


無言で手裏剣を投げる。


「いやいや」


男は顔面を襲う手裏剣を、首の一捻りだけで躱す。


「もっと無いのか?こう…忍術とかさ。ニンニ…!?」


ふざけて印を結ぼうとする男が身を伏せる。頭の直ぐ上をさっきの手裏剣が通過していった。


「…ナルホドネ。流石にビビったぜ。もっと面白いの無いか?」


「………終わりだ」


男がキョトンとする。


「何だよ!折角期待してたってのに…。んじゃ、とっととアンタぶった斬って目的を果たさせて貰うぜ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ