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交わした約束
「ああ。ちょっとな」
「ウチらのダチやねん」
ダチじゃねぇだろ、と須藤がニヤニヤしながら言う。
「ええから、早よ行くんや!」
須藤の頭に手刀をめり込ませながら敷島が言った。
「…分かった…。助かる」
「俺が突破口を開きます!…うりゃぁぁぁ!」
浅野が杖を振り回し、立ち塞がる黒服を一蹴する。
まるでモーゼの十戒の様に、エレベーターまでの道が拓ける。
如月が駆け出し、浅野が後に続く。
バンッ。勢い良く上階へのボタンを押す。二基あるエレベーターの左手が扉を開けた。
「さってと。久々に大暴れしますか」
エレベーターに乗り込む如月達を眺めながら須藤が言う。
「アイツの事、頼むでぇ!」
エレベーターの扉が閉まる直前、敷島が叫ぶ。コクン、と如月が頷き、扉が閉まる。
「頼むで、ホンマ…」
…ユラリ…。
目標を見失った黒服達は、新たな侵入者達に向き直る。
「用意は良いか?ユーコ」
「応ッ!」
ガシャンッ!
ジャキンッ!
須藤が大剣を構え、敷島が両腕に着けた鉄甲から双爪を展開する。
「「いらっしゃいませ!!」」
二対多数の闘いが始まった。