夢ー2
俺はどうしたいんだ?体が骨になるのは嫌だ。死ぬのは嫌だ。そればかりじゃないか。
願えば願うほど叶えてくれるが、体がスケルトンになっていき、最後には死ぬ。
今、死なないでくれと無意識に願っているためか【】は生きている。
俺の体は、左腕の肩まで白骨化が進んでいる。ジリ貧だ。
何を押し通したいのかを決めてない。決められない。例え選択が簡単な二択だろうが、生死を分けようが。
どうにかなるという考えすらある。これは、夢だ、と。戦う前夜か、または【】に出会う前か、または俺が死のうとしたあっちの世界での夢、か。
そう、俺の存在そのものが夢なのだ。
目の前の魔王が転移者だろうが、愛する人がそばにいることとか。そう思えば諦めもつく。また変な夢だったな、と。
しかしそうじゃない。違うんだ。俺を俺だと言ってくれる【】のために何かしてやりたいんだ。たが、考えが浮かばない。余裕がない。どんなに思いを駆け巡らせようが、想像力を駆使してあいつを倒せない。
【】が言うように、あいつを倒す力はあるはずだ。俺の中に。ただ、俺はおまえが死ぬのが、そして自分が骸骨になるのが怖いんだよ。
自分の弱さを見つめて強くなりたいと思って今までやってきた。最初は死に場所を求めるだけだった。それを【】に否定され、救われたからラスボスみたいな場所まで来れたんじゃないか。早くこいつを倒さないと。死ぬ。【】が死ぬ。だめだ。それだけは嫌だ。嫌だ。
どれだけ考えを巡らせても、魔王を倒す願いを思いつくことはできなかった。
魔王を超えるアイデアが俺には無かった。