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死にたいから放っておいて
布一枚で王の間に連れて来られた。なんか布がはだけないように安ピンとかが欲しい。恥ずかしくて死にたい。
「陛下の前だ。膝をつけ」
もう両手両膝をついて絶望したい気分ですけどね。
とりあえず片膝をついて胸に手を当ててみた。この世界のしきたりとか礼儀とかはわからん。
「ほう。最低限の礼儀は弁えているようだな」
とりあえず失礼のないようにはしたい。布一枚もらえたし。
「名はなんというのだ」
「アカホシと申します。失礼ながら、私は貴殿のお名前を存じません。教えていただけませんか? 」
偉い人相手の話し方わからない。
「我のことを知らなかったとは。すまなかったな。我はスーガラ・トイバーだ」
「身なりから見るに、この国の主なのですね?」
王は銀髪にするどく青い眼をし、赤いサンタクロースのようなものを着ていた。赤い帽子もつければまるっきりそれになってしまうだろう。暑くないのだろうか。
「そうだ。お主には選んでもらいたい。我の奴隷になるか、否か」