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プロローグ
異世界トリップしてしまいました。
はい、すみません。きっとどういう状況なのか全く分からないと思います。
実を言うと私もよく分かりません。なんせ気づいたら全く知らない草原にいるんだもの。
見渡す限り何もない草原にずっと一人ぼっち、なんて趣味の悪い夢だと最初は思いましたよ。どうせなら散策でもしてやろうと思い、歩き始めたわけですがすぐに転んでしまいました。石に躓いて転ぶという18歳女子としてかなり恥ずかしい転び方で。
「痛い・・・石に躓いて転ぶって・・・」
そこで私は重大な事実に気づきました。痛覚があるんです!
痛覚があるってことは、つまり、これは夢ではないってことで・・・。
ついに私は気づいたわけです。
これは現実で、私はどこか知らないところにいるってことに。
そして周りには人っ子ひとりいないってことに。
まさか異世界にいるとは思いませんでしたけどね!