第25話 ご当地アイドルあつかい!……という名の途惑い
お久しぶりです。
コミケも終わって1週間、実家に帰ったりとかしてるのでちょっと時間が取れませんでした。
ついでになんか活動報告でちょっと力入れたりとか変な風にそれてしまったりとかで時間を浪費してたかも……?
まあそんな寄り道をした新しいお話をおおくりします。
(2012/11/27 体裁統一のためのチェック)
朝早くから来てテンションが一気に急降下した僕。
すぐに帰れると思ったら帰れませんでした。
ジェイクさんは書類を持って申請をしに各部署へ回りに行くらしく、「光、後の説明はよろしく」って行ってしまった。
「明ちゃん、契約書の内容きちんと把握したの?」
母さんに聞かれた僕は思い返してみた。
うん、あまりのショックに内容あまり覚えてないや……。
気まずさで答えられなかったんだけど、母さんがため息をついた。
「やっぱり全然見てなかったのね……」
母さんが顔をずずいってしてアップになった……正直怖いです。怒ってるよね? やっぱり……。
「うん……ごめん……」
しかたないわね~ってため息つかれちゃったよ。
「じゃあ軽く説明するわね。魔法少女は契約したら高校生を卒業するまで原則続けてもらいます。フマジメや実力の無さからクビになることはあるけれど、明ちゃんはマジメだから問題ないわよね」
「え~……っと僕マジメなのか良く分からないけど……」
「マジメよね? そうよね?」
珍しく母さんのこめかみがひくついてます……。
「はい……マジメです……。っていうかね? 別に僕フマジメとかじゃないんだよ? ただ自分でマジメっていうのがなんか抵抗感あるっていうかいやっていうか……」
しりすぼみになってしまった。
「まぁいいわよ。で、基本的には魔法少女担当課から携帯に連絡が来ない限りお仕事はありません。ただ、世界の危機につながるので土日でも出勤はあるし、夜にも呼び出しをされる時もあります」
「え~…? なんで休みとか夜とかに出なくちゃいけないの~?」
土日とか家でゴロゴロするのが楽しみなのに……。
あ、いえ別にナマケモノだからってことじゃないんです!ないですからそんなにニラまないでください、お母さま……。
「明ちゃん……契約書に書いてあったじゃないの……きちんと読まないからこういうことになるのよ?」
「ごめんなさい……」
「で、お給料だけど、日給12,000円です。深夜手当は20%アップで14,400円です。因みに交通費は全額支給ね」
「日給12,000円ってすごいなぁ……2日働けば『Dreem Player Potable Duo』買えるじゃん!」
最近少し値下がりしたけど、値段高くてまだ買えてないんだよね……。
24,800円とかやっぱ学生には高くて手が出せないよ……。
「ただし! 毎月の給料から魔法少女労災保険代として3,780円引かれます」
「魔法少女労災保険? なにそれ……」
「要は魔法少女がお仕事中にケガをしたり死亡した場合はお金がもらえる保険のことよ?」
「え……? 死亡……?」
「明ちゃん。魔法少女のお仕事ってとっても危険だって言ったわよね?」
「う……うん……」
「まさか考えてなかったなんてことは……」
「あ、あはは……なぜかな? 考えなかった。えへ?」
そうだよ、なんでか知らないけど、魔法少女って仕事に抵抗感もなければ不安も感じなかったんだよね……。
「明ちゃ~ん! もっとしっかり考えないと! お母さん怒りますよ~?」
そんなこと言われてももうこめかみどころか口元もヒクついてるよ……。
「もう怒ってるじゃん……」(ぼそっ)
「できるだけ魔法少女担当課で魔法少女のバックアップはするけど、命あってのモノダネとも言うし、命の危険を感じたら逃げてね?」
「う、うん……」
「で、ボーナスだけど、『ナニカ』にはランクがあって高ランクのモノを討伐したら討伐報酬がもらえます」
ああ、『Dragon Hunter』みたいなものか、あれも討伐報酬発生するもんね。
クエストとして討伐依頼が来たり、別のクエスト中に乱入してくるドラゴンとか討伐したら臨時報酬とか発生するしね。
「倒したものは腕輪に記録用の魔法がかかってて、それで記録されるの。もし高ランクのものを討伐した記録があったらそれに応じた報奨金がもらえるからね?」
「は~い」
「給料やボーナスの判定は毎月20日にあるの。これが締日と呼ばれているわ。給料日は翌月の15日ね」
「うん、分かった」
「ちなみに、魔法少女は『ご当地アイドル』あつかいだからガンバってね!」
「うん、分かっ……はぇ? 今なんて?」
「魔法少女は『ご当地アイドル』あつかいだからガンバってね!」
ちょっと待って! なにそのご当地アイドルって!? 僕アイドル契約しちゃったの!?
「あ~……え~っと……僕、契約破棄して良い?」
「ダメです!」
あっさり拒否されちゃったよ……。
「いいじゃな~い、明ちゃんカワイイし、小さいし、本当に少女って感じで~……すぐに固定ファンとかつくわよ?」
「いやいやいや! ちょっと待って! どうして固定ファンなの!? ていうか魔法少女って秘密の人とかそうゆうあつかいじゃないの!?」
「な~に言ってるの~? オープンに決まってるじゃな~い」
「お、オープンって……。僕、魔法少女を見たのこの前初めてだし、そんな、ファンとかあるの知らないよ!?」
「ああ、それはね。お母さんが極力家族に知られないようにしてたからよ~?」
「いや……あの意味が分かんないんだけど……どうしてそんなことしたの……?」
「だって~……お母さん、仕事知られたら恥ずかしいんですもの~……」
いや、母さんそんな両頬おさえてクネクネと……。いやまあ、容姿は若いからまだまだ現役でも通用するかもしれないけどさ……。
「さいですか……」
「という訳で明ちゃん変身して?」
「いきなりどうして?」
なにが『という訳』なのかさっぱり分からないよ!?
「良・い・か・ら・変身して?」
分かったからそんなニラまないでよ……
「うぐぅ……『マジカルドレスチェンジ』」
左手の腕輪から黒い光が出て瞬間的に服が入れ替わるのが分かった。
「変身したよ?」
「それじゃあカスタマイズしましょう」
「え?」
母さんの言葉を聞き返すのと同時に母さんが指を鳴らしてポンってはじける音がした。
「はえ?」
自分の身体を見ると、簡素なダークグレーの燕尾ブラウスにフリルの縁取りが現れた……。
「なっ、なにこれっ!?」
「ご当地アイドルなんですもの、それらしいカッコウしなくちゃね~?」
いやそれでもフリルとかっ!
「ていうかっ! カスタマイズって!?」
「魔法少女のコスチュームは基本的には魔法少女の魔力が持つ属性色の服が最初に支給されて、衣装はそこから個別にカスタマイズすることになってるの~」
そう言って母さんは僕のブラウスについたフリルの具合を指で触って確認していく。
「ブラウスにネクタイは付きものだけど、そのままするのはもったいないわね~……えい!」
ポンっという音とともに僕の胸のネクタイがシングルノットから蝶々結びになって長さもちょっと長くなった……。
「で、カワイくスカートは3段切り返しにしてフリルを縁取りにしましょう!」
「母さん!?」
ポンって音がしてストレートスカートがごってごての少女趣味のスカートにっ!? しかもなにげにひざ上ミニ丈になってるよ!? ひざ上スースーするんですけど!?
「い~~や~~だ~~~~~!!!!」
「髪の毛は魔法少女らしくツインテールにしましょう!」
「たっ! 助けっ!」
逃げようとした瞬間にポンって音がする……。ああ……いや……もうなんか気分落ち込む……。
髪の毛が両サイドに引っ張られてる感触がするのは気のせいじゃないよね……。
「あっ! 忘れてたわ~……えいっ!」
も1つおまけにポンって音がした瞬間に股下が一瞬なにも無くなった感触が……。
ま さ か ! ?
「クマさんのぱんつを忘れていたわ~!」
「な、なんですってぇ!?」
「ニーソックスとかガーターベルトとかだともっとカワイイかも……」
「母さん!? それはやりすぎっ! はうっ!?」
ポンって音とともに足先から太ももまで締め付けが発生して腰回りになんか巻きついた……。その上、ぱんつの内側になんか釣り紐っぽいのが通ってお尻を縦に圧迫してるのが分かる……。
「これで良し! ほ~ら明ちゃん。カワイくなったわよ~?」
母さんが部屋の隅の大きな姿見を僕の前に持って来た。
「どう?」
どうって言われても……。
鏡に映った自分を見てみる。
燕尾ブラウスは肩口がふっくら膨らんで、なんか中世のドレスみたいな膨らみができてて、全体的に縫い目にはフリルが縁取りでついてる。 その上エリは前の2倍くらいの大きさになっててフリルごってごて……。
ネクタイは黒から真っ赤になって、金糸で十字架の刺繍が入ってる。
上だけでも相当はずかしいのに、スカートは黒地に3段切り返しのフリルが可愛いひざ上丈で、その下に薄い青と白のストライプのニーハイに白いガーターベルトがちらりとのぞいている……。
なにこれ!? なんでこんなはずかしい格好に……。
しかも頭は大きなフリルで縁取られたピンクのリボンでくくられたロングツインテールとか……。
「ごってごての魔法少女だ……」
「後はひざ下丈の編み上げブーツね!」
ポンって音がしてローファーから編み上げブーツに変わってしまった……。
確かに見た目はすっごくカワイイよ? いや自分でなに言ってるんだって言いたくなるけどさ……。
でも見た目だけでは認めるけど、それが僕のカッコウだってのが恥ずかしすぎるんだよ!
「これは会心の出来だわ~」
満足そうに母さんがうなづく……。
着せ替え人形よろしく恥ずかしい衣装を着させられた僕の心情を理解してよ!? この衣装のチョイスはあんまりだよ……。ただでさえ男から女になって女装してる気分が消えないのにこんな……そのカワイすぎるカッコウとか……さらにヘンタイとしてレベルアップした気分だよ……。
「ひどいよ母さん……僕で遊ぶなんて……」
僕の頭が恥ずかしさで爆発しそうな瞬間、背後でガチャって音がした。
「いやー参った参った、臨時の特別手続きというものがあんなに面倒なものだったとは思わなんだ……」
背後を見るとジェイクさんが帰ってきたところだった。
ジェイクさんがぶつぶつつぶやきながら足もとまで歩いてくる。
「む?」
僕の足にぶつかりそうになったジェイクさんが僕を見上げた。僕とジェイクさんの目が合う。
「く……」
「く?」
「クマさんのぱんつですと!?」
くわっと見開いたジェイクさんの顔が僕のスカートの中をガン見していた……。
「うっ、うわ~~~~~~ん! 見るなあああああああああああああああああああああああ!!!!」
「ぎにゃあああああああああああああああ!!!?」
恥ずかしさのあまりスカートの後ろを抑えた僕は振り向きざまにローキックをジェイクさんにたたき込んでいた……。
― つ・づ・く ―
結構自分で校正はしているのですが誤字脱字が多い性分です。
誤字とか脱字があったらご指摘いただけたら幸いです。
と言う訳で『ご当地アイドルあつかい!』の回でした。
前回で言葉足らずの場所を補完しつつ、のスタートでした。
それにしても、ジェイクさん……(遠い目)
本当はジェイクさんって紳士的な解説役キャラで設定してたはずなのに……どうしてこんなギャグキャラみたいになったんだろう……(汗)
あ、ちなみにあたしはネコをいじめる様なタイプじゃないですよ?むしろ自室にはにゃんこグッズばっかりのにゃんこ好きなのです。いじめるのが楽しいというわけじゃないんですけどね……。
活動報告で魔法少女契約書の詳しい解説を載せました。
もっと詳しく知りたいって人は下にURLのっけておくので見に行ってみてください。
それでは次回もよろしくお願いします(ぺっこり
魔法少女契約書の詳しい解説は↓
http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/88042/blogkey/522582/




