第24話 正式契約!……という名の途惑い
おはようございます。
今からコミケ行ってきます。
コミケ行く時間までに書こうかなと思ってたら時間過ぎちゃいました!テヘ☆
そんなわけで新しいお話を投稿して行きます!バイバイ☆
(2012/11/27 体裁統一のためのチェック)
今僕は高根市役所に来ている。
ジェイクさんに土曜日の返事をするためだ。
『魔法少女担当課』というプレートのついたドアをコンコンと叩くと、中から、
「入りたまえ」
とジェイクさんの声が聞こえた。
となりに立つ母さんを見るとうなずいて微笑んだ。
「失礼します」
ドアを開けると……目を疑う光景がそこにあった。
「なに……この光景……」
ジェイクさんが妖精さんの首に鎖付きの首輪を着けて、首輪の鎖をにぎってハリセンを構えていた……。
「ああ! 光さん! 明くん助けてですのん!」
妖精さんが涙ながらにこっちに訴えてくる……。
「なに? 一体なんなの?」
僕にはまったく理解ができないよ!
母さんもこの光景は予想外だったらしく口を半開きにして、
「あらまぁ……新手のプレイ?」
ぶっそうな言葉が漏れてた。
「そんな訳あるか! そんな訳あるか!」
ばしぃ~ん! ばしぃ~ん! と景気の良いハリセンの音が部屋に響いた。
「きゃうん!?」
妖精さんのお尻にハリセンが2回も叩き込まれた。
妖精さんのサイズが体長15センチならハリセンは10センチ近く……ものすごく痛そう……。
「で、ジェイク。これは一体なにをしてるのかしら~?」
がまんできずに母さんが質問した。
「ああ、このバカが始末書を放り出して逃げようとしたのでね……こうして監視しているのだよ!」
ばしぃ~ん!
「はぅ~ん……ごめんなさ~い」
あわれ妖精さん、全部書き切らないと解放されそうにないかも……。
「ほらまだ3枚しか書いていないじゃないか! 残り14枚キリキリ書くんだ!」
「あぅ~……」
涙を流しながら始末書を書いてる妖精さん。なんか同情誘うような光景だけど僕は惑わされないぞ!この始末書の原因は僕への迷惑の数なんだよ!
「それで、明くん。君は決めて来たのかい?」
「へ? あ……はい、決めてきました」
多分正式契約するかしないかってことだよね? もちろん決めて来たよ。母さんと一緒に相談もして。
「それじゃあ、明くん。答えを聞こうか」
「僕は魔法少女になります」
そしていつか男の子に戻るんだ! ……とは思ってるけど結局は保身だよね。
「うむ! それでは正式契約をしなくてはな!」
ジェイクさんが嬉しそうに机の端に移動した。
「うぐぇ……」
妖精さんの首輪を持ってるの忘れてるよ!妖精さんの首閉まってるよ!?
「おっと、エルカ悪かった」
そう言いつつも首輪の鎖を手放さないジェイクさんもジェイクさんだよね……。
そのままジェイクさんは引き出しを漁り始めた。
「母さん、正式契約ってなにをするの?」
「え? なにって契約するだけでしょ?」
「だから、簡易契約ってなんかすごく魔法って感じだったじゃない? だったら正式契約ってもっとすごいんだよね!? どんな感じなの!?」
「ええ……? それはどうかしら~……」
僕、RPGゲームも好きだから正直こうゆうイベントって興味があるんだよね!
どんなにすごいんだろう!? すっごいワクワクしてきちゃったよ!
でも、僕はこの時気付くべきだったんだ、母さんの薄い反応に……。
しばらくゴソゴソしてたジェイクさんが一枚の紙を机から取り出した。
「おお、あったあった……。まったく、体のサイズに合ったデスクを要求したい!」
グチりながら僕の前に来ると紙を差し出した。
「ほら明くん、契約書だ。読んでくれたまえ」
意外と紙切れ一枚だけにちょっと拍子抜け……。
なになに……。
「えーっと……魔法少女契約書。1. 高根市役所魔法少女担当課(以下甲)と新規契約者本人(以下乙)とは、以下の条件により魔法少女として契約を締結する……ってなにこれ!?」
そこには僕の想像もつかないような文章が羅列されていた……。
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魔法少女契約書
1. 高根市役所魔法少女担当課(以下甲)と新規契約者本人(以下乙)とは、
以下の条件により魔法少女として契約を締結する。
雇用期間:契約締結より高校卒業まで
勤務場所:高根市内侵略者発生場所
仕事の内容:魔法少女として侵略者の討伐
勤務時間等:甲からの出動要請発令から討伐対象の排除完了の確認を取るまで
休 日:出動要請が無ければ原則休みとする
所定外労働:
1 所定外労働をさせることが( 無 ) ( 但し世界の危機に関わる場合は例外 )
2 休日労働をさせることが ( 有 ) →( 但し出動要請がある時のみ )
賃 金
1 基本給 日給( 12,000円 )
2 諸手当( 交通費全額支給 )
3 所定外労働等に対する割増率
イ 所定外 a 深夜( 20% )
4 賃金締切日( 毎月 20日 )
5 賃金支払日( 毎月 15日 )
6 賃金支払時の控除 →( 魔法少女労災保険、3780円 )
7 昇給( 無 )
8 賞与( 有 ) →( 著しい成果を上げた時、金額は相応のものとする )
9 退職金( 有 )→( 契約満了時、願い事の使用権利の支給 )
契約更新の有無:
イ 更新する場合がありえる
契約の更新の判断基準:
イ 契約期間満了時の業務量
ロ 本人の能力、業務成績、勤務態度
ハ 指導者としての資質
ニ その他( )
その他:
2.乙は魔法少女就業規則等に定める諸規則を遵守し、誠実に甲にて職責を遂行すること。
3.退職を希望する場合には、少なくとも30日前迄に甲、課長職に届け出ること。
4.その他、疑義が生じた場合には魔法少女管理法令に従うこと。
年 月 日
甲 高根市役所魔法少女担当課
乙 住所
氏名 印
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「なにとはなんだね? 契約とはこういうものだろう?」
当然のようにジェイクさんがため息をつきながら言った。
「ええ!? だって! これ! ええっ!?」
ジェイクさんと紙を見比べる……。
だってジェイクさんっていうファンタジーな存在と魔法少女の契約って言ったら魔法陣の中に入ってこう儀式とか呪文とかなんかそれっぽいのでするんじゃないの!? それが……紙に契約書!????
「……ちっともファンタジーじゃない……」(ボソ)
「なんだ? 不満でもあるのかね?」
「いえ! な、なんでもないです……」
でもこの落差は酷い……あんまりだ……。
「明ちゃん……どんな期待をしてたの? 労働契約なんだからこういうものでしょ?」
母さん、事前にこういうことはきっちり言ってよね……。僕のワクワクを返して! 今すぐ返してよ!?
「読めたかね? 各項目に同意するなら日付、住所、氏名を書いて捺印をよろしく」
「……読めました……。母さんハンコ貸して……」
僕はがっくりと肩を落として記入してハンコを押した。
「よし! これで君は正式な魔法少女だ! これからがんばってくれたまえ!」
「は~い……」
なんだか始まる前からテンションだだ下がりだよ……。
― つ・づ・く ―
結構自分で校正はしているのですが誤字脱字が多い性分です。
誤字とか脱字があったらご指摘いただけたら幸いです。
と言う訳で『正式契約!』の回でした。
ごめん、本当はもっとファンタジーな内容のものを考えてたんだけど、お役所仕事って言ったらやっぱこっちかな?と……。
かなりノリノリで書いて読み直したらこれは無いよ!とノリツッコミしちゃったわ……。
どこでどう間違ったあたし!?
と言う訳でちょっとこれからコミケ行ってきます☆
それじゃあね~バイバ~イ!