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ダンジョンの社会的貢献を目的とした地位向上のすすめ ~奪わず与え従え支配するダンジョン育成記~  作者: 不可思議 那由多
第三章 外界統合と福祉支配の拡張 ~人道的管理による社会統合モデルの確立~

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接触事例分析 ~天使降臨と認識の再編~

私ジャックを含めた一行はヴェストガルドの村に到着しました。


到着と同時に肩に乗っている蜘蛛さんが合図してくれました。


村は既に寝静まった状況になっています。

どうやらメイズ様が先に来て準備されていた様です。


今回は私も何をするのか知りませんのでとても楽しみです。


エリザベート様にお会い出来れば、

結局他はどうでも良いのですよ。


馬車から降り神官達の所に向かいます。


一緒の馬車に乗っている3人にはそのまま馬車に乗っている様に伝え


他の馬車に乗っているデイビット親子、赤い羽根は声をかけるまで馬車で待機と言ってあるので


到着後馬車から降りて来たのは神官2人とマックス君、ブレンダさん、私だけです。


御者の赤い羽根もうまくデイビット親子の所に行った様です。


「いやぁ、いつも思いますが馬車に長時間乗ると疲れますね


もうすぐ出迎えの者来られると思うのでこのまま待ちましょう。


それとも一度馬車に戻りますか?」


リック様は、

「外の空気を吸いたいので、暫くこのままで待ちましょう」

と答えられました。


マックス君とブレンダさんは、

「エリザベート様やメイズ様に久しぶりに会えるのが楽しみです」

「リック様とは絶対に話が合うと思います」

と、いつもの調子です。


その時、西の空から白い物体が四つ、村めがけて飛んで来るのが見えました。


あれは……人ですか? 羽根がある? まさか……天使ですか!!


「天使さま……?!」


思わず叫んでしまいました。確実にメイズ様の仕業ですね。


天使様に気づいた他の面々にも動揺が走ります。


神の使徒を名乗っている神官二人の動揺は、通常の比ではないでしょう


そんな事を考えているうちに、天使様方が降り立ちました。


白い装束は布というより、光を編み込んだような質感で、角度によって淡く金色の光が差します。

全員が金髪の長髪で、風がないのに微かに髪先が揺れています。

魔力の揺らぎが可視化されているのでしょう。


瞳は濃い金色。

神性というより“魔素の輝き”に近く、見つめられると胸がざわつく。


背中の羽根は鳥類のものではなく、

魔素粒子が高密度で形を成した発光体。

動くたびに淡い光の粉がこぼれ、空気が澄むような感覚すらある。


身長は全員160cmほど。

体格も顔立ちも近く、「生成された存在」であることがひと目で分かった。


「初めまして皆さま。お出迎えありがとうございます。

 私はエリザベート様より出迎えの使者を賜りました、ミカエルです。」


「同じく、ガブリエルです。」


「同じく、ラファエルです。」


「同じく、ウリエルです。」


「エリザベート様一行は、もうすぐ到着されます。

 そこで神官のお二方にお願いがあります。

 聞き入れていただけますでしょうか?」


リック様とジミー様が顔を見合わせ、リック様が答えます。


「何でしょうか? お願いの種類によりますが」


ミカエル様は続けます。


「こちらの魔封じの首輪をつけていただきたいのです。

 あなた方からは敵意が隠しきれておりません。

 我が主エリザベート様は、場所によっては王より貴重なお方です。

 そこまで敵意を見せられている相手を、御前にお通しするわけにはいきません。

 お分かりいただけますでしょう」


「断った場合は?」


「このままシグの町にお帰りいただくしかございません。

 こちらはお顔を合わせて、実情と今後の対策をご相談したいだけですので」


「あなた方は神の使徒ではないのですか?」


「神の使徒です。

 メイズ様という現人神を、信仰の対象にしております。」


「メイズ様って神様だったのかー! 確かに納得です!」


「あれだけの事、普通じゃできないもんね!」


マックス君とブレンダさんの勘違い発言が、場の流れを変えました。


神官二人は子供二人を信じられないような顔で見つめてから、

顔を合わせ、頷き合いました。


「分かりました。魔封じの首輪、受け入れます」


「ありがとうございます。その言葉だけで結構です。」


「……?」


「敵対する気が無くなったのですよね?

 メイズ様は『受け入れます』というその言葉が魔封じになると仰っていました。

 誇り高き神官が、自ら発した言葉を翻すような事はしないだろうと。」


ミカエルから念話が届きました。


(首輪なんかつけてみろ、それ自体が侮辱行為だ。

 首輪をつけられた事が心の奥底で小さな炎となり、

 後で燃え上がり暴れかねない。

 プライドってのが一番厄介なんだ。

 ポイントは最初だけなんだ。出鼻を挫いてこっちの流れにしてしまえば、何とかなる。

 とも仰ってましたけど)


思わず吹き出した私に、周りが訝しげな顔をしますが、

私は何事もなかったかのように振る舞います。


ミカエル様とは気が合いそうです。

「到着されたようです」


ミカエル様の言葉と同時に、ケルピーの大型馬車が二台到着しました。


私はマックス君とブレンダさんに、馬車まで他の面々を呼びに行くよう頼みました。


まず降りて来られたのは、青年ほどの年頃に見える男女四人でした。

雰囲気がエリザベート様にとても近く感じます。

新しく生成されたヴァンパイア様でしょうか。


四人が降りてきて、次に降りる方の補助を始めると……。


「エリザベート様!! また成長されたのですね!

 薄々は感じていました、感じていましたとも!

 私に流れる魔力の質量とも、上昇した感覚はあったのです!

 ああ、その時気づくべきだった!!

 全くもってご立派になられて、もう絶世の美女という表現では生ぬるいほどのお美しさではないですか!」


「ジャック! それぐらいにしておけ」


気づけば、いつの間にか降りられていた美青年に注意されました。


「メイズ様ですね?! メイズ様までご立派になられて!」


「もういい。エリザベートの後ろで立っていろ。」


「はい! かしこまりました!」


ジャックをとりあえず落ち着かせて周りを見渡すが、全員がジャックの変貌ぶりを見て起動停止している。

天使を起動停止させるなんて大したもんだ。


「神官のリックとジミーだな。立場上、呼び捨てにするが勘弁してくれ。

 改めて自己紹介しよう。メイズ・ラビリンスである。

 隣にいるのがエリザベート・ラビリンスだ」


「エリザベート・ラビリンスです。よろしくお願いします」


起動停止していたリックとジミーが再起動する。


「シグの町の神官、リックです」

「同じくジミーです」


「ジャック、お前二人と面識は?」


「勿論ございます。十年ほど前は、時々教会に寄進していましたので」


「ジャックは元ジャック商会の会頭だ」


「はい、黙っていて申し訳ありません。ご無沙汰しております。

 今はエリザベート様の眷属として、第二の人生を歩ませていただいております」


……で、お前らが神の使徒と呼ぶ天使達も、俺の眷属だ。

 お前らには悪いが、“神”と呼ばれるものなんてそんなものだ。

 そもそも天使なんて、神界では雑兵だぞ?

 お前らでいうE級冒険者ぐらいの存在だ」


「……?!」


「別にお前らを虐めたいわけじゃない。

 世界には色々な理があり、その色々な理が混ざり合って、

 さらに色々な理を生み出している。

 俺は俺の理に拘りを持ち、世界の理の一輪となろうとしている。

 それを、お前らに見て欲しいってだけだ」


他の連中も集まって来たようなので、二人の相手は一度ジャックに任せる。

エリザベートと離れようとしない一幕があったのは想定内だ。


駆け寄って来たマックスとブレンダが、怪訝な顔をしている。


「メイズ様? エリザベート様? ……ですよね?」

「お二人とも変わりすぎです!」


「おぉ、そうだぞ。進化して肉がついた。久しぶりだな。元気でやってたか?」


「お久しぶりね。顔色も良いわ。元気そうで良かったわ」


エリザベートがかがんで二人を抱きしめる。

俺は上から二人の頭を撫でる。


以前は骨だったので危なくて、撫でてやる事が出来なかったんだ。

進化して良かったと、しみじみ思う今日この頃。


他にも挨拶しない連中が待っているので、二人にも神官の相手を頼む。


続いてやって来たのは、デイビッド親子と商人三人だ。


「デイビッド、久しぶりだな。商談が上手くいったそうで何よりだ。

 他の奴らは初めてだな。

 自己紹介しよう。俺がメイズ・ラビリンスである。

 隣にいるのが、エリザベート王国王女、エリザベート・ラビリンスだ」


「エリザベート・ラビリンスです。よろしくお願いします」


「メイズ様、エリザベート様、お久しぶりです。

 お二人のお姿のあまりの変わりように、酷く動揺していますよ。

 ともあれ、まずは紹介させて下さい。

 これが愚息のウェインです」


「デイビッドの息子のウェインです。よろしくお願いします」


「上手く父親を補佐してやってくれ」


「シグの町の商業ギルド長、マークです」


「商業ギルド長のマークです」


「様々なしがらみはあると思うが、調味料で国内一番になってくれ」


「シグの町で調味料販売トップの商会、テリー商会会頭のテリーです」


「テリー商会会頭、テリーです」


「いくらでも商品を回すので、どんどん売り捌いてくれ。

 売り先さえ確保したら、商品は先渡しで構わんぞ」


「私の悪友のジムです。リバーシを主に売る事になりました」


「ジム商会会頭、ジムです」


「リバーシだけじゃ勿体ないな。

 他の商材も考えよう。

 まぁ、詳しい話はエリザベート王国に着いてからだな」


商人達はケルピーの馬車に興味津々のようなので、

自由に見て良いと許可を与えて、その場を離れる。


最後に挨拶が残っていたのは、冒険者パーティー赤い羽根の連中だ。


「久しぶりだな」


「お久しぶりです。お二人共、誰か分からないぐらいの変わりようですね」


「お前らに確認しておきたい事があるんだが」


「何でしょうか?」


「お前ら、強くなりたいのか?」


「そりゃ強くなりたいですよ!」


「ならエリザベート王国に住み込め。

 あそこはダンジョン内だから魔素吸収が早いんだ。

 さらに下層に行くほど効果が上がる。

 エリザベートが体内魔素を確認できるから、魔素中毒になる恐れもなく、

 効率的にレベル上げが出来るぞ。


 囚人達を二階層に移してから、採取班の連中の動きも見違えるようになったしな。

 囚人があまり強くなりすぎるのも問題だと思って二階層で止めてても、その効果だ。


 五階層、十階層で寝泊まりできるようになったら、

 お前らAランクも夢じゃないぞ」


「マジっすか! 住み込みます住み込みます!」


「まぁ帰るまで時間あるから、ゆっくり決めろ。

 採取班の奴らと立ち合いとかしてみても面白いかもな」


「はい! やってみます!」


「なんか挨拶回りしただけなのに疲れたな」


「挨拶回りは最後の締めなだけで、その前の準備が大変だったじゃないですか。

 メイズ様は頑張りましたよ」


「エリザベートの優しさが心に染みるなぁ」







案の定戦闘になりませんでした。

「戦わずして勝つ」一番良いですよね。


神官には天使が弱点ですよね。

どう考えても神官の上位互換ですし

天使達は今後エリザベート王国の衛生班として

エリザベートの業務のサポートに回ります。

やはり採血は慣れた人材がやった方が良いですからね。


エリザベートの進化、メイズの変化、

毎回毎回同じ話の繰り返しは挨拶周り

の苦行の一つですね。


今日集まったメンバーが各自で活躍し始めて

あちこちで暴れまわるとなったら

どうやって話まとめたら良いか分かりません。


心配で夜しか寝れなくなってしまう,,,,,

エリザベートに熟睡の催眠かけてもらいたい今日この頃です。


ここまで読んでくださってありがとうございます。

今日もダンジョンは、静かに動いています。

もしメイズの考え方に少しでも共感してもらえたなら――

ぜひ、あなたの“魔素”を分けてください。


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