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ダンジョンの社会的貢献を目的とした地位向上のすすめ ~奪わず与え従え支配するダンジョン育成記~  作者: 不可思議 那由多
第三章 外界統合と福祉支配の拡張 ~人道的管理による社会統合モデルの確立~

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【閑話】核融合実験記録 ~ダンジョンマスター、人間になる~

リンの連中に対する最初のフォローは終了した。

チャンスは与えた。後は連中がどうするかだ。


さて――ダンジョンに血を大量に与えたからか、人が大量に入植したからかは分からないが、俺もレベルアップ(?)したらしい。


俺が求めていた能力は「核融合」だ。


要は、「骸骨、いい加減嫌だ!」って話だ。


これで――骨=スケルトン、肉=ゴーレム、皮=スライム。

人間らしくなれるらしい。


ちなみに、生命体との核融合もできるが、「生命体=有機物=ダンジョン資源」という図式が立ってしまい、“勿体ない精神”のせいで実行する気が起きない。

今後、機会があればする可能性も否定できないけどね。


というわけで、実際に行ってみる――「核融合」。


人型ゴーレムとスライムを生成し――合体!!


頭の中に、ロン毛で細身のおじさんが、色黒でガタイの良いスキンヘッドのおじさんの頭を掴んで「だめーーー!」と叫んでいたが――別に駄目じゃないので実行する。


ゴーレムとスライムが、体に吸い込まれ、形作っていく。

骨格が軋み、筋肉のような魔力繊維が走る。

その上からスライムが薄く膜を張り、徐々に“皮膚”の色を帯びていった。

……なんというか、気持ち悪いほどリアルだ。


基本は周りに溶け込めるように欧州人系統だ。

こちらの大体平均ぐらいの身長、180cm弱。

イメージとしてはトム・ク◯ーズを意識してみた。

間違ってもトム・ブ◯ウンではない!


……まあ、骸骨のままスーツ着ても、ナイトメアー・ビフォア・クリスマスのジャックになっちゃうからな。

スタイリッシュ支配者に進化するタイミングとしても悪くない。


早速エリザベート達にお披露目だ。


エリザベートは俺を見るなり――

「メイズ様?! そのお姿は?!」


やはり言わなくても分かるのか。

まぁ、意識レベルで繋がってるからな。


「スケルトンを骨型に、ゴーレムを肉体にして、スライムを皮状にして覆ったんだ。どうだ、似合うか?」


「とてもお似合いですわ!!」


「ミック、ジョージ、どうだ?」


「いきなり姿変えるの無しですよ……せめて一言言ってからにして下さい……。

とても良いと思いますよ。真人間っぽく見えます。」


「とてもお似合いです。ゴーレムとスライムって事は、変装し放題って事ですか?」


「ジョージ、よく気付いたな!

そうなんだ、これで――

“メイズ・ラビリンス”と“ダン・ジョンマス”を併用できるってことだ!」


「まだ諦めてなかったのか……」

「まだ諦めてなかったのですね……」

「それは素晴らしいですね!」


一人だけ反応が違う奴がいた。


「エリザベート、前と反応違うな?」


「はい? 前は唯一の名乗りだったからです。

今は“メイズ・ラビリンス”という立派な名乗りがございます。

その上で名乗る名乗りなど、別に何でも良いのです。

それより、他人物になれ裏からメイズ様の勢力を増やすことが出来るならば、素晴らしいことと思いました。」


「エリザベート、よく言った! さすが私の一番理解者だ!」


「お褒めにあずかり光栄です。」


ミックとジョージもその話を聞いて、


「確かにそう言われると悪い案じゃないのか……」

「ダンジョンマスターがメイズ・ラビリンスで、仮の姿がダン・ジョンマス?

半分正体ばらしてる気もしますが……」


「……仕方ない。マンジロウにするか!」


「「「いやジョンマスで大丈夫です!」」」










骸骨のまま世界を支配するのも、それはそれで味がありましたが――

そろそろ「見た目で引かれる」のは卒業しても良い頃です。


今回の“核融合”は、単なる見た目の変更ではなく、

ダンジョンの主が「外界で活動するための身体」を得る第一歩でした。


そして何より、エリザベートの言葉がすべてを象徴しています。

「名乗りはもう、目的ではなく手段」――

人は名を残そうとします。メイズにとって名など必要だからある。

というだけの物です。


……まあ、作者的には単純に「骸骨でスーツは似合わない」という理由でもありましたが。


見た目は人間、中身はダンジョン。

最も面倒で、最も効率的な世界支配の幕開けです。


※感想・ブクマ励みになります!

読んでくれる一人ひとりが、このダンジョンの“魔素”です。

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