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ダンジョンの社会的貢献を目的とした地位向上のすすめ ~奪わず与え従え支配するダンジョン育成記~  作者: 不可思議 那由多
第三章 外界統合と福祉支配の拡張 ~人道的管理による社会統合モデルの確立~

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貧民街救済計画報告 ~シグの町における社会統合手順~

愚息のウェインもやっと落ち着いた様ですし、これから我々がやる事を整理しましょう。


立場上、私が仕切る事になります。


「先ずは囚人の所有権移転ですね」


私が言うと、ジャック様が口を開かれました。


「その件ですが、後回しで良いと思います。

 最初の予定では四村から数人確保するという話だったのが、全員確保しています。

 当初の予定では事を荒げない為に、囚人を所有権移転して奴隷としてそのまま隷属するという形でした。

 しかし四村を実質支配してしまった今となっては、事を荒げないというのも無理があるかと思います」


ジャック様が言う事は、最もな話でした。


「四村支配って何だ?!」


また愚息が騒ぎ始めます。


「話が進まないので、後でまとめて質問の時間を取るから、とりあえず待っててくれ。

 ジャック様、そうですね。囚人関係は後回しにしましょう。

 では、貧民街から始めますか?」


「貧民街も炊き出しをして人を集める予定でしたが、そちらも一気にやる必要なくなりました。

先ずは四村の村人をエリザベート王国の国民とし、安定させる事が最優先だと思います。

貧民街の方はマックス君とブレンダさん中心に徐々に説得して回ってもらう感じで良いのではないでしょうかか」


マックスとブレンダは、やっと自分達の出番が来たことをとても喜んでいる。


「ジョンさんとポールさんにも非番の時はマックス君とブレンダさんの付き添いお願いしましょう。

普段の付き添いは「赤い羽根」に護衛依頼だせば良いかと」


「貧民街の計画はそれで良いですね」


「教会、孤児院は今どんな感じですか?」

ジャック様が聞いて来ます。


「あまり評判良くないですね」


私が答えると、マックスとブレンダは嫌な顔をしました。


「孤児院の院長、嫌い」


「リック様、優しいよ」ブレンダが言いました。


「そうですね、私もリック様が一番適任だと思っていました。

 特に教会関係の優先度はそんなに高くないです。

今回は顔つなぎ程度でも問題ないと思います。」


「奴隷購入も急がなくて良いと思います。

 先ずは調味料販売、

 貧民街の住人説得を徐々に始めましょう」


「各場所に全員でぞろぞろ行っても仕方ないな。

ウェインは調味料販売の資料を改めてまとめてみてくれ。

資料から何か出るかもしれない。後で皆で協議しよう。

私たちは冒険者ギルドに行って『赤い羽根』に

マックス君とブレンダさんの護衛依頼を頼んで

そのあと教会に行ってリック様と面会申し込んでみましょうか?

 確認ですが、教会は平気ですか?」


「聖水を直接かけられない限り、大丈夫だと思いますよ」


「はい、ウェイン。質問良いですよ」


「四村支配って何だ? ヴェストハイムからヴェストリンまでの村って事だよな?」


「はい。全員催眠にかけて、エリザベート王国の国民になる予定です。」


「全員って?! 数百人いるよな?」


「はい、三百五十人ぐらいでしたね。

 現在全員催眠状態のまま村で普通に生活しています。

メイズ様のダンジョンがどう変わるのか、

エリザベート様のエリザベート王国がどの様になるのか、

とても楽しみですね」


「さらっと凄い事言い出すな……

 まぁ凡人の考えでは想像つかない事をやる人。

 メイズ様? は、そういうお方って事で理解するよ」


「それが正解ですね。徐々に理解を深めて下さい。」

 

「今日は着いたばかりですし、皆明日から動き出しましょう」

--------------------------------------

翌日、私は朝起きると、先ず調味料を扱っている各商会に面会の手紙を書きました。

従業員に届けるように言付けると、

ジャック様とマックス君、ブレンダさんと警備団に向かいます。


「第二部隊のジョンさんとポールさん、いらっしゃいますか?」


受付で確認すると、ちょうど在団していた様で、打ち合わせの部屋に案内してもらえました。


「ご無沙汰しております。無事帰って来ました」


「無事に帰って来られて良かったです。

 メイズ様の所は面白かったでしょう?」

ジョンさんが言いました。


「得難い経験をさせて頂きました。

 大きな声では言えませんが、大分計画が変更しています」


「詳しくお願いします」


私は、見ての通りマックス君とブレンダさんが元気な事、

四村を全て制圧済みな事、

囚人はそのままにする事、

場合によっては囚人もエリザベート王国に連れて行く事、

奴隷購入は一時棚上げにした事、

調味料取引の事、

を話しました。


「また随分と大暴れしましたねー」

と笑いながら楽しそうにジョンさんとポールさんが言っています。


「それで今日のお願いなのですが、貧民街で移民を募集します。マックス君とブレンダさんが中心となって動くので暇な時で良いのでお手伝いしてもらえますでしょうか」

「良いですよ。非番の時は手伝います。

デイビッド商会に行けば良いですか?」

「はい、それで大丈夫です。」


「今、貧民街には約千人程度いると思われます。

 三百~四百人程度は引っ張りたいですね。

 西村の人数と合わせれば、エリザベート王国の国民は七百~八百人になりますよ」


「デイビッドさん、知ってます?

 メイズ様、現れてまだ三ヶ月経過してないんですよ!」


「本当ですか?! それは初耳でした!

 もう数年経ってるものだとばかり思っていました」


「私達が最初の犠牲者ですからね。間違いようがありません」

ジャックさんも頷いています。


言葉とは裏腹に、とても嬉しそうに話すジョンさんが眩しく見えました。

その後、軽く打ち合わせをして私は警備団を後にしました。


________________________________


次に四人で教会に向かいます。


教会の受付でリック神官を呼び出してもらおうとしていたところ、


「マックス君とブレンダちゃん?」


と、二人に声をかける金髪の痩せ細った神官がいました。


「リック様!」

二人が嬉しそうに返事をします。

私もリック様にお辞儀をします。


「二人とも、こんなに身綺麗になってどうしたのですか?

デイビッドさんお久しぶりです。

そちらの方は初めまして、神官をしているリックと申します。」

二人の身支度の違いに戸惑いながらも、保護者のように佇む私達に気付き、挨拶されました。


「私はジャックと申します。

 今はこの二人の保護者のようなものです。

 実は今日はリック様にご相談がありまして参りました」


話があると分かったのでしょう。

打ち合わせ室に案内してくれました。


「それで、ご用件というのは何でしょうか?」

ジャック様が話始めます。

「実は我が主は、現在のこの町の貧民街の様子を知り、深くお悲しみになっておられます。

 この二人を引き取ったのもその一環です。

 二人から詳しく話を聞き、何とか助けてあげたいと思い、今回貧民街から移民を募集しようとお考えになりました。

一番の目的は生活を支えてあげる事です。

仕事が出来なくても

老人は知恵や経験を

障害のある方は手や足が無くても出来ることを

子供は可能性を

女性は裁縫や料理を

各自が出来る事をやれば最低限の衣食住は何とか保証してあげたいと仰っています。

この教会ではそういった活動に一番熱心なのがリック様だとお聞きしてお力添え頂けないかと本日参った次第です」


「それはとても心優しく立派なお方ですね。

 教会に寄進して頂ければ、教会としてお力をお貸しする事も出来ると思いますが、、、


「二人の話を聞く限り、あまりお手を煩わせるのもご迷惑かと思いまして」


するとリック様は二人を見て、すぐに納得していました。

教会の中にある孤児院を追い出された二人です。

教会を信じていないことは、すぐに伝わったようでした。


「分かりました、、、と言いたいところですが流石に即答は致しかねます。一度主様とお会いする事は可能でしょうか?」

「勿論です。是非我が主とお会いしてお力添えして頂ければと思います。次に帰る時にお声掛け致しますのでご一緒に来て頂けますか?」

「了解しました。主様の拠点は何方ですか?」

「ここから馬車で1日で着く距離です。

なので往復で3日程お時間頂ければ大丈夫です。」

「それぐらいなら調整すれば大丈夫だと思います。

是非お声掛け下さい。」

「かしこまりました。日程決まりましたらご連絡させて頂きます。

では、本日はこれにて失礼させて頂きます」

私達は席を立ち、教会を後にしました。


______________________________________


最後は冒険者ギルドです。

冒険者ギルドはいつも護衛の依頼を出しているので、慣れたものです。

とはいえ最近は従業員に依頼を任せていたので、私が実際に来るのは久しぶりです。


受付に声をかけます。

「赤い羽根への指名依頼をお願い致します」


受付の職員は慣れた様子で聞き返してきた。

「護衛の依頼ですか?」


「護衛は護衛なんだが、今度こちらの方が主の命で貧民街で施しを行うそうなんです。

それを主にこちらの元貧民街の住人であるマックス君とブレンダさんに任せることになるので主と知り合いの「赤い羽根」にお願いしたいそうなんです。


「了解しました。CランクパーティーへのFランクの依頼となりますので、

 通常のFランク報酬では受け付けられません。

 直接デイビッド商会に行って条件を決める形になります。

 条件決定後にデイビッド商会が依頼書を作成し、『赤い羽根』に提出させてください」


「分かりました。じゃあ、連絡を頼みます」


とりあえず一通り周り終わりました。

貧民街の事はマックス君とブレンダさんに任せるとして調味料の商談に取り掛かりましょう。

シドの町のデイビッド商会が動き出しました。

憲兵団、教会、冒険者ギルド、商業ギルドを巻き込んで

シドの町から世界を変えるのでしょうか?


施しは呼び出す為のただの餌です。

餌に食いつかせる為にマックス、ブレンダが頑張ります。

ジョンやポールや赤い羽根が好意的に動いているのもエリザベートの催眠効果もあるのかもしれません。

※感想・ブクマ励みになります!

読んでくれる一人ひとりが、このダンジョンの“魔素”です。

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