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ダンジョンの社会的貢献を目的とした地位向上のすすめ ~奪わず与え従え支配するダンジョン育成記~  作者: 不可思議 那由多
第三章 外界統合と福祉支配の拡張 ~人道的管理による社会統合モデルの確立~

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開拓地設計報告 ~橋梁建設および眷属班組織構成について~

翌日。

デイビッド、ジャック、双子のマックスとブレンダ。

冒険者《赤い羽根》のウォーレンとランディ、そして御者リーダー。

計七人が馬車に乗り、シグの町へと帰っていった。


護衛として、蜘蛛さんズを一匹ずつ同行させている。

馬車の中には、ミミックさんが一匹――ポツンと置かれているだけだ。


道中では各村で住民をスカウトできるよう指示を出した。

また、各村で炊き出しを行うよう命じてある。

ひもじい人間を炙り出し、新しく起こす国への移民として声をかけるためだ。


老人だろうが戦傷者だろうが未亡人だろうが、幼子だろうが関係ない。

誰でもいいから連れてこい――そう言ってある。

そういう行き場のない奴ほど、使い道は豊富だ。


“善意の炊き出し”も、目的があれば立派な投資だ。


それとは別に村長に全粒粉を100kg渡すように言っておいた。賄賂だ。

この世界、この時代において賄賂は罪ではない。

特に辺鄙な村に賄賂を渡す奴など滅多にいないので、

喜ばれること間違いなしだろう。


炊き出しを行い、村に多量の食糧を与えてくれる。

村の力にならない余剰人員を預かってくれる。

近くにできたという怪しい国主。


理解不能という点では恐怖だろうが、

悪い印象は持たれないはずだ。


俺は俺で、次の行動に移る。


「ミック、ここをどうしようか?」


西に十キロの場所を開拓するのは決まったが、

一番の問題はこの鉱山の在り方だ。


「とりあえず、このまま開拓を続けるか?

 西の開拓はノームとゴーレムでやるつもりだから、

 ここの囚人は使う気はないぞ」


「さすがはメイズ様ですね。

 後から文句をつけられないようにしておくわけですか」


「とりあえず、ジャックたちが戻るまでは予測不能だからな。


 各村の貧民、シグの貧民、

 ここの奴隷解放、シグの奴隷、他の町の奴隷……。


 順番で言えば、そんな流れになるだろうな。

 五月雨式だが、その都度対応していくしかない」


今回はさすがに、エリザベートには留守番してもらおう。

現地確認をして指示するだけだし、村の受け入れ人員の方にトラブルがあった時に

急行しなければならないかもしれないからな。


というわけで、まずは採取班のウルフ三頭をハイウルフへ進化させた。

かなり経験を積んでいたので、魔素一万ずつで済んだ。

もう少し待てば勝手に進化していただろう。


体長は一・五メートルほどだったものが、二メートル近くまで成長し、

進化したのが一目で分かる。


名付けもしておこう。

サークル、トライアングル、スクエア――で良いか。


名付けが終わった瞬間、

「ワォン♪」

三頭が尻尾をぶんぶん振って駆け寄ってきた。

うん、普通に犬だな。


ウルフを十頭生成し、そのうち三頭を採取班へ。

残りを開拓班に回すつもりだ。


ウルフは風魔法を得意とする。伐採にはもってこいだ。


さらにゴーレムを十体、ノームを二十人生成する。

ノームは身長八十センチほどの人型モンスターで、

土魔法に長けている。町づくりには最適の素材だ。


そのうち四人を選び、名付けを施す。

ノース、イースト、サウス、ウエスト。


名付けられた四人の目に力が宿り、声を揃えて言った。

「「「「ご主人様、よろしくでーす」」」」


ウルフに二人ずつ乗って開拓地に向かわせる。

名付けノーム四人には魔素玉を渡しておく。

ウルフとノームはロープで固定だ。

毛布三枚と健康ランドセット六組も一緒に括り付ける。

少し重いだろうが、ウルフ達は平気そうだ。


モンスター相手なら思考を送れば伝わる。話が早い。

あとは現地の様子を見ながら、指示を出すだけだ。


ペガサスを生成しようとしたが、

ペガサスは女癖が悪いらしい。

エリザベートに悪さをされても困るので、代わりにケルピーを生成した。

水魔法を使える点も、採用理由の一つだ。

羽より蹄の方が実用的だし、欲望が少ない分扱いやすい。


ケルピーに鞍をつけ、ウルフ達と共に向かう。

ゴーレムは後からゆっくり来てもらう。


乗馬経験はないが、意識を繋げていれば

ケルピーの動きがダイレクトに伝わる。体重移動も容易だ。

特に急ぐ理由もないので、速足程度のペースで進む。

ウルフ達も名付けしたメンバーは楽しそうだ。


十キロの道のりを一時間もかからず走破し、開拓予定地に到着した。


到着したというか、川があってそれ以上進めなかったのだ。

そういえば来る時、川があったのを思い出した。

ゾンビウルフの時は、泳ぐ+溺れる+流されるで渡った気がする。


「どうせなら、川を渡った向こう側を領土と主張する方がいいか。

 ニュースのみんな、橋って架けられる?」


“ニュース”――NEWS(North, East, West, South)の略。

ノームリーダー四人のチーム名だ。


ウルフチームは図形名なので、チーム名は“シェイプス(Shapes)”にした。


ノースが答える。

「過去の記憶にあるので大丈夫ですよー」


一番最初に名前をつけたので、自然と総リーダーになっているようだ。

他の三人も「「「大丈夫ですー」」」


「じゃあウルフ達に木を切ってもらって、ゴーレム達に運ばせて、

 橋を架けてもらっていいかな?」


「「「「頑張りまーす!」」」」

「「「ワン!」」」


「何日ぐらいかかりそう?」

「簡単なのなら明日にはできまーす。

 頑丈なのなら五日ぐらい欲しいでーす」

ノースが答える。


「じゃあ頑丈に作ってくれ。

 寝床がいるな。雨風避けられる建物作れる?

 三十メートル四方ぐらいでいいよ」


川沿いにちょうど良いスペースがあったので、

そこに小屋を土魔法で建てる。

五分もかからず完成した。


ミミックさんを二匹ほど生成。

岩や木材を飲み込み、必要な場所で吐き出させれば作業効率が上がるだろう。


「とりあえず橋ができるまでは、俺にできることはなさそうだな。

 後は任せてもいいか? 無理しないでね」


「「「「頑張りまーす!」」」」

「「「ワン!」」」


というわけで、ダンジョンに戻りジャック達からの連絡を待つことにしよう。

いよいよ忙しくなってきたが――

それでも、楽しんでいこう。


【ダンジョン成長報告】


【モード】開拓・建国準備期(橋梁建設中)

【開拓班】ノーム×20(NEWS班リーダー4名)/ゴーレム×10/ウルフ×10(Shapes班)

【新規構想】川を跨ぐ橋梁建設(頑丈構造・進捗0→50%)

【眷属行動】移民スカウト・炊き出し実施中(囚人/貧民交渉)

【備考】“労働・眷属・理屈”の三軸で国の骨格を形成中








橋づくりに寝床づくり。

どう見ても地味な作業だが――こういうのが一番大事なんだよな。


俺の眷属たちは、命令で動いてるわけじゃない。

意識が繋がってるから、俺が「休む」って思えば全員も休む。

夜に動かないのはサボりじゃなくて、正しい稼働停止だ。

むしろ夜中に働いてたら、俺が一番怒る。


この世界、昼に働いて夜に寝るだけで“ホワイト経営”扱いになるんだから楽なもんだ。

まあ、俺は合理的なだけで善人じゃない。

でも結果的に誰も潰れないシステムができてるなら、それで十分だ。


次は橋の完成報告と、移民の受け入れだな。

国づくりってのは、案外“シフト管理”から始まるもんらしい。


※感想・ブクマ励みになります!

読んでくれる一人ひとりが、このダンジョンの“魔素”です。

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