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ダンジョンの社会的貢献を目的とした地位向上のすすめ ~奪わず与え従え支配するダンジョン育成記~  作者: 不可思議 那由多
第1章 対外接触と社会実験の始動 ~循環構造の外部展開と制度設計の初期実装~

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【閑話】 名乗り考察録 ~個体識別と命名行為の社会的機能~


「そろそろ名乗りを決めようと思うんだが……」


俺の唐突な発言に、ボス部屋の空気が一瞬止まった。

エリザベートが紅い瞳を瞬かせる。


「そうですね。

 このダンジョンも人員が増えていますし、

 “マスター”という呼称だけでは混乱を招く可能性があります。」


「だろ? そこで考えた。」


俺は胸を張った。

「――ファーストネームは『ダン』。

 ミドルネームは『ジョン』。

 ファミリーネームは……『マンジロウ』。」


静寂。


「……ダン・ジョン・マンジロウ。」


エリザベートがゆっくり復唱した。


「……マスター、それ、“ダンジョン”では?」


「え、気づいた?」


「気づかないわけがありません。」


「……やっぱり駄目?」


「駄目です。」


「いや、普段はミドルネーム言わないから、ダン・マンジロウだよ?」


「なぜ『ダン』『ジョン』縛りなんですか!」


「そこはダンジョンマスターのアイデンティティ大事にしなきゃダメだろ?」


トーマスが腹を抱えて笑い転げる。

「マ、マスター、それ旗とか作りましょう!“マンジロウ組”とか!」


「組じゃない!“家”だ! エリザベートも名乗れ!」


紅い瞳がゆっくりと細められる。

「……理解不能、ですが。命令であれば。」


「よし、今日から“エリザベート・マンジロウ”だ!」


その瞬間――全員が一斉に叫んだ。

「いやおかしいだろ!!!」


食堂から顔を出したジャックが頭を抱え、

トーマスは涙を流しながら叫ぶ。

「マスター! 俺、マンジロウ・トーマスとか絶対イヤですからね!」


「お前は名乗らんでよい。囚人は姓を持たん。」


沈黙。


「……“ダン・ジョンマス”とかどうだ?」


「先に聞いてたら一瞬納得してたかもしれませんがマンジロウの後だと

 結局“ダンジョン”です。」


「“マス”の部分に可能性を感じないか?」


「感じません。」


「“マス”って響きが柔らかくていいだろ?」


「理解不能です。」


「じゃあ“マス・ジョンダン”――」


「それ逆です!!」


「いや待ってくださいマスター!」

エリザベートが真顔で指を立てる。

「“ダン・ジョンマス”なら、“ター”をつければ“ダンジョンマスター”で良いじゃないですか!」


「おおっ、それだ!」


「それではただの職種です!!」


沈黙。


「……他の名前考えるよ……」


――ダンジョンに、今日もくだらない笑いが響いた。


【現在のステータス】


【モード】等価交換モデル(安定稼働)

【新規項目】名称候補ダン・ジョン・マス登録(仮)

【支配状況】安定/士気+12%(笑いによる緊張緩和)

【眷属反応】エリザベート理解不能+10%/忠誠+3%

【備考】命名センス、依然として迷走中。

何となく思いついたらどうしても書きたくなりました。


ついにマスター、自分で“ダンジョンマスター”を名乗ろうとして失敗しました。

でもこのダンジョン、平和な証拠ですね。

誰も恐怖せず、みんなで笑える支配――これもひとつの理想形かもしれません。


※感想・ブクマ励みになります!

読んでくれる一人ひとりが、このダンジョンの“魔素”です。

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