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Creation World  作者: 蓮華
第二章 廃棄された世界 
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廃棄された世界

あれからどれくらいの時間がたったのだろうか?

ぼーっと空を見上げながらそんなことを考えていた。


真上にあった太陽も、今は傾きもう直ぐ日が沈むだろう。

そうなれば、静寂な夜が訪れる。

そんな事を考えながら無意味に時間だけを消費していた。


「はぁ~これからどうしよう…」


ナビーとは連絡もとれず、あちらからも連絡は無い。

メニュー画面をくまなく探してもログアウトボタンがない。

それどころか、設定・オプション機能が無かった。


これはあれか?

小説やアニメなんかでよくある転生・転移ものか?

いやいや…もぉ~40過ぎのオッサンだぜ?

あれらは高校生か…



オッサンだったな…


そんな馬鹿な事を繰り返しずっと考えていた。

それもこの一枚の手紙が原因だ。


俺は一枚の羊皮紙みたいな手紙を取り出し眺めていた。


「始めましてCreation Worldをプレイしてる諸君。」から始まり長々と説明書きがされていた。


要約するとこうだ。

管理者と名乗る者がCreation Worldのプレイヤー達に試験を行うというものだ。

その内容が、この廃棄された世界で好きに生きろだ。


廃棄された世界。

輪廻から外れ、世界の枠組みから外れた世界。

文字どおり廃棄処分された世界。


じゃ~廃棄された世界が何なのかって言うと、失敗作だ。

創造において失敗はつきもの、理想とかけ離れた物・完全な駄作等、そんな世界がごまんとあるそうだ。

そんな場所に俺達を放り込み好きかって生きてるのを評価するらしい。

世界の再生や破壊・まったりやのんびりと暮らす等好きにしろだと。

その結果を基に、報酬内容が決まるそうだ。


報酬内容は分からないが、何故俺達なのかは分かった。

Creation Worldだ。

厳密に言えば、Creation Worldのアナザーワールドシステムが原因みたいだ。

管理者曰く、アナザーワールドシステムは世界創造の一旦らしい。

それを人類が創り上げ使用してることにより、管理者側の領域に足を踏み入れたそうだ。

そこで、世界創造の一部を担ってる一部のプレイヤーに今回の試験を行い、見極めを行うそうだ。


そんな事が事細かに書かれていたのだが…

これが、運営側が準備したこのゲームの世界設定なのか、現実ではありえないが、本当に管理者と名乗ってる存在が準備した試験なのかが分からないのだ。


何故かって?

思い出して欲しい。

俺は、Creation Worldのストーリーモードをテストプレイする為に、別サーバーに準備された世界にログインしている。

そして、その内容は「好きに生きろ」だ。

羊皮紙みたいな紙に書かれてる内容と一致するのだ。


管理者の場合は、ログアウト出来ない今の現状と第三者目線で書かれた内容だったからだ。

ただ、もう一つ理由を挙げるならば…


俺は地面の土を掴み手のひらからサラサラと地面にこぼした。


そう、いくら何でも現実的すぎるのだ。

始めはまったく気が付かなかったが、砂の一粒・草木の一本一本まで、あまりにもリアルすぎるのだ。

さらに、これに物理演算を組み込もうものならば…

余りにも無謀…仮に出来たとしたら、どれだけのスペックが必要なのか…


そんな事が、先ほどから俺の頭の中をグルグルと駆け回ってるのだ。




もし、この世界がゲームなら、いずれログアウトできるだろう。

しかし、それが違ったら…俺は此処で一生を過ごす事になる。


確かに俺は、現実世界で転生や転移等に強く憧れ、願った事など多々ある。

正直、現実なんてつまらない。

だから俺は、ゲームに逃げた。

だから、ミソロジーを創りあげた。

あれが俺の理想の世界。

だから心残りなのだ。

家族や友人達よりも。


俺の理想の世界。

もう、戻ることが出来ないのかと…



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